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■Flacons Guerlain (2016年)
Bernard Gangler著/Editions du Chene社/49.90ユーロ

2009年、ノルマンディーにて期間限定のGuerlainミュージアムを開催したGuerlain家のSylvie Guerlainの所蔵品を公開したGuerlainに関する最新書籍。彼女はコレクターとしてGuerlainの過去の資料を集め、保管しています。日本では資生堂が第一人者ですが、社歴というのは、あまりお金にならない研究ですから、歴史が長ければ長いほど後手後手となってしまうもの。どの会社も記録としてまとめたいと思っており、資生堂にも問い合わせがあるそうですよ。もちろんGuerlainもそれを行っているわけで、その中心人物がSylvie Guerlainさんだったということでしょう。ヴィンテージの広告、資料、ボトルなどGuerlainに関するものは化粧品、香水全てコレクションしており、2013年までの商品がどっさり掲載されています。前半少しGuerlainの歴史と各調香師たちの紹介があり、そこからすぐに広告カタログへとつながります。ボトルの金型もあるんですよ。表紙のデザインは1927/28年のSharimarの広告です。また、書籍のほとんどを占めるカタログでは、見たことのないボトル、香りたちが次々と紹介されていますので、フランス語ではありますが、見ているだけで楽しくなる一冊です。各ボトル画像の下には五つ星のようにマークが記されているのですが、マーク数が多いほど高価だということ。ボトル画像を眺めながら、どれほどのレアものなのかをチェックするのもまた楽しみの1つでしょう。巻末の方に星1つ(実際には星ではなくボトルマークです)がいくらなのか、記載があります。

書籍は各国で販売されているものの、まだフランス語版のみです。フランスのアマゾンからは、書籍価格が49.90ユーロ、送料が11.50ユーロ、2週間ほどで到着します。普通にアマゾンで書籍を購入するように手続きするだけですので、ご興味のある方はこちらからチャレンジしてみては?(28/12/2016)

 

■香水ベストコレクション360 (1996年)
ナヴィインターナショナル編著/日本文芸社/1,400円

ネットの世界が広がる前の香水たちの資料集のような意味合いで大切なのがこういった書籍です。歴史から有名なブランドヒストリーを経て、カテゴリー別の香水の紹介に・・・といわゆる当時のHow to本ですね。この書籍を見てハッとしたのですが、Jean Desprezのブランドヒストリーがこの時点で間違っているのです。こういう書籍が間違っていたから、今でも間違った情報が蔓延してしまっているんですね。パルファムがあるものはパルファムの画像を使用しているので見ていて楽しい1冊なのですが、Annick Goutalが「アニクタール」となっているのが微妙です。当時はそんな発音で販売されていたんですね。というか、96年の時点で取り扱いをしていたバーニーズが凄いと思います。これぞまさに先見の明。この書籍を見ていると、いかに現代にパルファムが少なくなっているのかがわかります。ファッションブランドはみんなこぞってパルファムを発売していましたからね。時代は軽やかな方に流れていることが読み取れます。(16/09/2010)


■香水 別冊25ans (1992年)
婦人画報社/1,300円

上記と同じ理由で手にした1冊ですが、章の途中に挟まっている墨絵のボトルイラストが素敵です。この時代はEtroをEtroブティックが扱っていた(しかもボトルはリニューアル前のシンプルなボトル)とか、Cotyはまだツムラが取り扱いをしていたのだとか、国内メーカーがパルファムを頑張っていろいろ作っていたのだとか、見ていて楽しい発見があります。この時代にすでにレイジースーザンはアントニアズフラワーズを扱っていたのは上記のAnnick Goutalではないけれど、まさに先見の明でしょうね。前半は画像を交えたいわゆるカタログでの紹介、後半は香水にまつわる基礎知識をエッセイ風にまとめています。雑誌の別冊としてはとても内容が多いのではないでしょうか。(16/09/2010)


■香水の事典 (1998年)
平田幸子監修/成美堂出版/1,200円

いわゆる後年の香水パーフェクトブックに繋がっていく感じの1冊。簡単なブランドの紹介と香水の紹介、テーマ・シーンごとに選ばれた香水の紹介・・・のようなもの。何故かシャネルのNo.5は一昔前の古いボトルの画像で、しかもロゴの蝋印が取れていたりと詰めが甘いのですが、気づく人も少ないでしょうから仕方ないのかな。Mitsoukoのパルファムに60mlタイプが52,000万円で発売されていたとか、RosineのMea Culpaが6,800円だったとか、当時国内流通していた香水たちを知る手がかりとなります。とても残念なのは、巻末に「手作り香水を作ろう」とレシピが3つほど記載してあるのですが、スズランやムスクのように合成でしかないものや、チュベローズやアイリスのようにとても高価な香料があっさりと記載されている点。こんなレシピがあったって、書籍を購入した一般の方は作れなくて指をくわえて眺めるだけだったでしょう。作り手のエゴを感じてしまいます。(27/04/2010)


■香水セレクション280 (1996年)
フレグランスクラブ編/永岡書店/980円

ポケットサイズの小さな書籍。ボトルは1つ1つ綺麗に撮影されており、価格、サイズ、販売元も記載しています。香りの説明はほとんどなく簡素なものなのですが、見て楽しめる1冊となっているのはそのほとんどがパルファムであること。国内メーカーも昔は頑張っていろいろなパルファムを作っていたんだなぁ、と思い出させてくれます。ノエビア、アルビオン、花王ソフィーナ、そしてカネボウ。そうそう、この時代のコティはツムラが正規代理店だったんですよね。なんだか見ているだけで懐かしさを楽しめる1冊。今や資料的価値なパルファム画像群と言えそうです。(27/04/2010)

香水トップ・セレクション100 (1996年)
Ray編集部/主婦の友社/630円

Rayの付録として発売されたポケットサイズのムック本。ChanelのNo.5等パルファムは15mlが22,000円ほどですが、14年前は18,000円であったことが分かります。Parfum de Rosineは現在50mlが9,800円ほどですが、当時は6,800円でした。容量と価格が記載してあるこういった書籍は見て楽しいばかりではなく、資料的な価値もあるんですよね。この書籍を見ていると、いかに現代のファッション香水が使い捨てのものなのかわかります。現代香水は回転が゛早く市場の品の多くがその年の限定品ですが、この書籍の中に登場する香りたちはまだ色褪せることなく今でも人気誇っているものが多いからです。せめて10年は発売する覚悟で商品作りをして欲しいものです。(15/04/2010)


■香水のはなし (1979年)
堅田道久・西尾忠久編/東京アド・バンク/980円

読み物と見るものとのちょうど中間値な感じの1冊です。蒸留方法のま解説から香水が出来上がるまで、香水とはナンなのか、というビギナー視点で追っていくのですが、画像がとにかく美しいです。特にもう見られないスミレの花畑の画像は貴重なのではないでしょうか。小さな画像でしたが、ナルシスの花が精油工場に運ばれて山になっている画像もありました。これまた貴重だと思います。前半部分わ蒸留法方と歴史の観点から、後半はブランドと香水の紹介となっているのですが、僕はこの書籍をChanelの年代測定のために読みました。そう、当時のラベルとボトルの形状の確認をしたかったのです。もちろん蝋印はCマーク(シャネルのCCマークではなく)でした。今となっては資料的な価値を持った1冊です。(12/04/2010)


■香水の本 (1986年)
平田幸子監修・ワールドフレグランスコレクション編/新潮文庫/680円

昔の香水ってどこがどのような経緯で扱っていたのか、というのが分かる1冊。あまり読む箇所はなく、いわば当時のミニカタログみたいな書籍なのですが、フルカラーで350以上の香水が掲載されているんですよ。今は取り扱いがなくなってしまったCaronやCotyの他にもLubinのようなブランドが掲載されていたりして、「当時は取り扱いがあっただなんて!」と驚くこともしばしばです。国内ブランドのパルファムもとても素敵です。この当時は資生堂だけではなく、コーセー、アルビオン、カネボウ、ポーラ、メナード等も素晴らしいパルファムを発売していました。(もちろんいくつかは現存しますが)当時の「香水」りイメージと今の「香水」のイメージは違うものになってきて、カジュアルさが強くなってきたと思いますが、昔の製品の良さというものを感じます。懐かしさに昔の香りを引っ張り出したくなる1冊ですね。


■コティとラリックの物語〜魅惑の香水瓶〜 (2006年)
遠藤賢朗著/里文出版/2,500円

湘南江ノ島にある香水瓶美術館のオーナーが美術館の図録と言う意味も込めてまとめた1冊。ラリックとコティのようなアンティークな香水瓶を250点ほど所有しているようで、その製品たちが簡単な解説文と共に紹介してあります。見て楽しめる1冊ですが、やはりこれは実物を見たくなってしまいますよね。僕自身は香水瓶が好きなわけではなく、中身が入っていてこその魅力だと感じてしまうので、空瓶だと魅力はあまり感じないのですが、残っているものは俄然興味がわきます。素晴らしいです。残っていること、そのこと自体にロマンを感じるのです。何故、開封されなかったのか、どのような人たちの手を渡ってオーナーの元にたどり着いたのか。eBayのような海外オークションでじっくりと時間をかけてひとつひとつ揃えられたのか、パリ郊外の蚤の市(香水瓶の専門店もあります)のようなところで一目惚れして抱きかかえるように大切に持ち帰ったのか、入手経緯まで妄想が広がる1冊。


■COTY (2004年)
Orla Healy著/ASSOULINE/$60

COTY創設100周年を迎えた2004年に発売された広告集の洋書。商品の宣伝カタログです。歴代の広告ミューズ(イメージ女優)が美しく連なっています。Cotyとしての歴史なので香水が中心ではなくてコスメも女優も幅広く記載されています。デザインや画集としての価値はあると思うのですが、近年のものはどこでも見られるものであったり、目新しさは感じないセレブ系のものだったりしますので、出来れば「良かった時代」特に1950年代までをしっかりと作りこんでくれると楽しかったのに・・・と思います。NY店の概観なんて見ることが出来ませんし、当時のウィンドウディスプレイだって貴重な写真です。こうしてブランドの歴史を画像で見ていくと、良いものを創っていた時代から、ファッション、アパレル系に事業の核が移って輝きを失っていく様子が見て取れます。やはり良いブランドとして成り立つにはGuerlainや資生堂のように、高級ラインとカジュアルラインをきちんと保持してターゲット別に商品を発売していかないと、カジュアル品だけではブランドの品格が落ちてしまうというもの。

 

■「似合う香り」と出会う本 (1995年)
ef編集部/主婦の友社/630円

手のひらサイズのムック本。いろいろなテーマ別に分かれた香水を見ながら好きな香りを見つけていくというもの。記載してある内容やコピーを読むと発売当時の考え方や世相が映し出されていて懐かしく感じます。この書籍を見ていたら今の日本は本当にファッションフレグランスが衰退してしまったなぁ・・・という感じを受けます。香水というのは本当にパルファムが1番美しいと思わせてくれる1冊で、出来うる限り画像がパルファムになっている感じがします。オーララ(アザロ)、ヌイ・アンディアン(ジャンルイシェレル)、トカデリー(ロシャス)、ルチアーノソプラーニ、ローラアシュレイのNo.1、アナイスアナイス(キャシャレル)にまでパルファムがあったなんて。あぁ、そう言えばエトロの昔のボトルはこうだった、とかとにかく懐かしい香りたちに溢れています。「似合う香り」と出会うための方法が記載してあるわけではなく、カタログ本です。


■香水 PERFUME (1997年)
COCORO COMPANY編/ナツメ社/1,300円

318種類の香水を誕生月とカラーで分けて紹介していくカタログ的書籍。今見ると本当に懐かしいものばかりです。特にパルファムの形はいつの時代もキレイですよね。なんて眺めているだけで楽しくなります。本当はこういう紹介の部分にもう少し専門的な文章が記載してあったら、「買いたい」と思わせてくれるんだろうなぁ。価格とブランドにちょっとした紹介文しかないのが残念です。(イメージするには言葉足らずな感じ)12年しか経っていないのですが、こんなにも時代は早く過ぎたのかと思ってしまいました。

■美と知のミーム、資生堂 (1998年)
資生堂編/952円

他所同様に資生堂の企業努力なしではあり得ない書籍です。もともと展示会のパンフレットとして図録として作られた書籍だったのですが、そのあまりの質の良さに人気が高まり一時期はオークションでもかなり高値だったんです。それが数年前に再販となりましてなんと1000円を切る価格で登場しました。銀座のハウスオブシセイドウで購入することが出来ます。香水に限らず昔の化粧品からルタンスの時代まで、小夜子さんのポスターがふんだんに載ってたりして本当に「資生堂の遺伝子」という歴史を感じさせてくれます。読み物ではなくて見て懐かしむ、楽しむ資生堂の歴史がぎゅっと詰め込まれた良本です。

 

■香水パーフェクトブック (2002年)
英知出版/1,200円

若い世代向けのいわゆるカタログ本。男性の香水愛用者が増えてきた時代のため、メンズ香水をかなり多く記載しているのが特徴かもしれません。でも半数ほどはきっと廃番になっています。


■香水パーフェクトブック (2003年)
英知出版/1,200円

当時の芸能人がどのような香りを愛用していたのかもわかる1冊。前の年も同じですが、ターゲットが若い世代のため、パルファムがある製品もあえてEDTやEDP等が掲載されています。こういう見て楽しい雑誌はパルファムを見るのが好きなのですが、そこは仕方ないのかと。


■香水パーフェクトブック 2006 (2006年)
英知出版/1,314円

間の年はきっと処分してしまいました。以降の年は購入していません。この年からサンタマリアノヴェッラ、ラルチザン、ミラーハリス等パフューマリーの製品が掲載されるようになりました。それまでは香水は全てファッションフレグランスばかりで安い価格帯のものが中心でしたから、そこが時代の変化でしょうか。これ以降、次第にファッション系の香水は売り上げが減少していきます。ちなみに弊社は掲載をお断りしました。


■男と女の香水選び完全FILE (2002年)
株式会社ヌーベルグー/743円

ちょうどネットショップで香水を買うということが流行してとても盛り上がってきた時の雑誌。著名人を使い、宣伝合戦をしている感じですね。あぁ、あの頃はこういう香りがあった、とか使ってたとか、何年か後に懐かしく思い出すというためのカタログ。ジャンパトゥのスブリームのパルファムがスプレータイプなのに驚いたり、ミルのパルファムが開封されたものだったり・・・突っ込みどころもあったりして。ロジーヌの50mlは6,800円だったんだ、なんて価格に驚かれる方もいるのかも。やはり基本、ティーン向けです。

■男と女の香水選び完全FILE (2003年)
インデックスマガジンズ/743円

1番売れた頃の号だと思うのですが、前年と代わり映えしなくて不評だったりして以降はスタイルを変えてきます。香水もパルファムが少しあったりして。他の雑誌との差別化は大きくはないのですが、やはり掲載内容に偏りがあるのと、1番大きな特徴は画像がキレイではないこと。ボトルの画像が暗いものが多いのですが、メーカーからの画像を使用していなかったのでしょうか?

■香水選び完全FILE 2006 (2005年)
インデックスコミュニケーションズ/790円

この年に発売された新作ばかりを集めたのかというとそうではなくて、過去のものも含めてボリュームあるものとした号。それでも164本なんですね。書籍のスタイルはエレガントになりましたが、内容は以前と同じ感じです。


■香水選び完全FILE 2007 (2006年)
インデックスコミュニケーションズ/790円

サンタマリアノヴェッラやラルチザンが加わり、画像も内容もグレードアップした感じです。やはり「美しく飾る」という感じでないと見ていて楽しくないですもん。2002、3年頃から雨後の竹の子のように安価な国内ブランドが生まれましたが、この年には少し自然淘汰されたみたいですね。倒産した会社もあったりして、市場が少し高級志向に目を向けてきた時代だと思います。


■幸せな香り (2006年)
インデックスコミュニケーションズ/800円

今までの香水カタログ本と比べてとても上品で高級志向のものを多く取り入れています。スタイルも美しくて伊勢丹が発刊した雑誌と言うような感じです。(わかば、ブルーベル、ラルチザン、ディプテッィク、LV等が多いから)でも、こういう雑誌の中にセルジュルタンスは決して加わりません。アパレル系の香りと同列で扱われることへの嫌悪感なのか、それがブランドイメージを守るということなのか。香りというくくりの雑誌なのでバスラインやルームフレグランス等幅広く掲載されています。


■PARFUM〜香水賛歌 (1994年)
フランス香水委員会監修/ツルモトルーム/1,300円

フランス22都市で開催されたイベントの図録です。思わず涎が・・・というようなヴィンテージボトルや豪華なパルファムの画像のみならず、ヴィンテージな広告、クチュールの画像等とにかく古きよき時代の良き「香水」を収めた図録です。この時代のファッションフレグランスは素晴らしかった、職人が作っていた芸術品だと思わせてくれます。こういうものを見ているといかに現代のファッションフレグランスが陳腐なものになってしまったのか、と肩を落としてしまいます。使い捨て文化は今後どのように変化していくのでしょうか。

■WWD Beauty 創刊号 (2009年)
INFASパブリケーションズ/680円

アメリカのWeb新聞「Womans wear diary」のBeauty版の国内雑誌。国内でも2週、3週遅れな内容が新聞となって販売されています。2年ほどそちらを定期購読していたので、書店ではなく購読にて購入した雑誌です。オーガニックブランド100ということで100種のブランドを解説している内容です。オーガニックコスメがお好きな方にはたまらない雑誌なのでしょうけど、香水に関しては広告出稿のためブルーベル、わかば、フォルテ、GPPと少しだけです。(いわゆる新製品の告知内容)


■WWD Beauty vol2 (2009年)
INFASパブリケーションズ/648円

初回に比べてランクダウンした感じがします。ファッション雑誌やコスメがメインになっていて、ちょっと香水を期待すると微妙です。メイク関係を強化した号ですので、そちらに興味のある方にはとても楽しかったのではないかと思います。僕はこの号を持って2年の定期購読を終了としました。海外ニュースで読んでいる内容が多いことと、国内情報はほぼ出稿の広告だということで興ざめです。


■香り〜世界の香水ベストセレクション (1989年)
日本テレビ/2,000円

古き良きパルファムがずらりと揃った、これぞ見て楽しむ本です。日本テレビの書籍ということでどうなのだ、と疑問だったのですが、さすがに内容は良いです。前半はグラースに焦点をあてており、画像と簡単な文章で楽しむもの。後半は今やヴィンテージとなってしまった香水たちをため息ながらに眺める内容。「あぁ、あの頃にお金があったなら・・・」という感じです。この本の1番凄いところは巻末にあります。巻末になんと全ての香水の価格が記載してあるのですが、資生堂のホワイトローズナチュラルは20年前から価格が同じだという事実に驚いたり、キャロンはカネボウが代理店だった当時からかなり高価なものだったのだとか、シャネルのNo.5に56mlのパルファムがあった(55,000円)とか、価格やサイズに驚かされます。ディオリッシモも20mlがゲランのミツコも60mlのパルファムがあったとか。いやぁ、こういうものは文献的な意味合いで保管したいです。後半にあるエドモン・ルドニツカさんへのロングインタヴューも素晴らしくて、自分に合った良い香水を選ぶには?という質問に対して

「それは絶えず自分自身を磨き、高めていくこと。自分を深く知れば自然に分かってくること」

と答えています。絵画、彫刻、音楽、文学に通じることで、多くに接し、心を開いて学んでいくことで初めて良いものがわかるようになるわけで、良いものを理解出来るようになってくると自然と知識も豊富になっています。その頃には自分自身の欲しているものを理解出来るようになっているんだよ、ということ。深く知れば知るほど良いものが見えてくるというのはどの世界でも同じで、上辺だけでは理解出来ない裏側のストーリーがあるわけですよ。そこにたどり着いて理解することは自分を磨くということに他ならないわけです。深いなぁ・・・。でもその通りだと感銘です。

■香りのカタログ (1998年)
新星出版社/1,400円

「香り」というくくりで、ハーブの活用(ドライハーブ、ハーブティー、ハーブオイル、ペースト・・・)やスパイス、お香、ルームスプレー、コロン、キャンドル、アロマオイルに精油・・・ととにかく幅広く全て詰め込んでしまったような1冊。掲載されているのは高級品ではなくて香りに興味を持ったビギナーの方がパッと手にしやすいカジュアルな価格の製品ばかりなので、導入編として楽しめるものだと思います。画像も多いので、読むというよりもやっぱり見て楽しむ香り製品のカタログ。


■あそぶかたち 20世紀の香水瓶 (2005年)
ポーラ文化研究所/630円

銀座のポーラビルで開催されていた展示会の図録。久しぶりに見て無料配布のパンフレットだと思っていたのが有料の書籍であることに気づきました。テーマがテーマなだけに内容も良くて、書籍自体はポケットサイズなのですが、往年の素晴らしいパルファムボトルが勢ぞろいしています。ブランドごとにヴィンテージボトルが紹介されており、見ているだけでトリップしそうな陶酔感が。中には液体が残っているものもあったりしてクラクラします。

 

■Fragrance of the World 2007 (2007年)
Michael Edwards編/185ドル

毎年その年に発売された香りたちを追加してどんどん増えていく有名なカタログ書籍。国内での発売はしていないのですが、オフィシャルサイトからドル、オーストラリアドルで購入が出来ます。別に英語が理解出来なくても問題がない書籍で、中身は香りが種類別に掲載されているだけ・・・というものなんです。ただ、その量は膨大ですよ。今は検索で同系列の香りも簡単に探せるようになりましたが、じっくりと目で見て楽しむにはこういう書籍が良いですよね。画像の掲載は少ないので資料本という感じです。

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