フレーバーの代表であるバニラをドライなスパイスと共に使用した人々を魅了して止まない甘い誘惑。子どもの頃、オーブンから漂ってくる甘い香りを彷彿させるとのことですが、香った印象では甘く美味しいグルマン系ではなくきちんと香水としてまとめられた香りです。ウッディノートとバニラがスパイスと共に香るのですが、ムエットで最初に香った瞬間、ウードかと思いました。それは、ガイヤックウッドのスモーキーな部分とバニラのアブソリュートの持つスモーキーでリキュールのような部分が強く出ていたからです。バニラのアブソリュートらしさをここまで感じられるのは、高価なアブソリュートの含有量がそれだけ多いということに他なりません。ヘーゼルナッツもココアもスパイスのような感じ方で、香りの軸は飽くまでもバニラアブソリュートとウッディノートなのです。

GuelainのSpiritueuse Double Vanilleがお好きな方には是非、お試し頂きたいところ。大人のための高級バニラとはこういう香りだと思います。

(11/04/2012)

シャワークリームのレヴューを追記します。この香りのバスバブル&シャワージェルとなるバスクリームを使ってみたのですが、とんでもなく素敵で困ってしまいました。いつぞやに発売されたロクシタンのバニラのボディパフェを最高級にした雰囲気で、バニラビーンズのカスタードクリームのようなふわふわの泡と美味しそうな香りに身体が包まれてとても幸せな気持ちになります。香水よりもグルマンテイストが強く、ウッディノートやスモーキーノートは少し控えめです。お菓子にはバニラポッドを使用することも多いかと思いますが、本当にあのリアルな香りに高級感を加えた(もう少し深みを足した)感じなのです。この香りであれば、更にボディクリームを重ねてシャワー後には甘い香りを楽しみたいと思う方がいても不思議はないでしょう。とにかく、幸せこの上ない香り。シャワークリームは一般的にはまだ流通していないようですが、価格は200mlで60ユーロくらいだと思います。

(16/05/2013)