*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Iris Fauve / イリス・フォーヴ


<香 調> パウダリーウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 100ml
<濃 度> EDP

トップ
ベルガモット、シナモン、アイリス
ミドル
パチョリ、ベチバー、シプリオール
ラスト
ミルラ、シスタス、ムスク、リアトリス



6作目の香りとして公開されたのは、野獣派のアイリス。荒々しい画風の中に鮮やかな色彩の対比を特徴とした画家の派なのですが、香りを香るとどうもそうではない気がしてきます。言葉をよく調べてみると、Fauveには黄褐色という意味もあるんですね。そちらの方がイメージにはぴったりです。調香は引き続きMarie Salamagneが担当。

 

 

2016年秋の展示会の中で、一番エレガントに感じた香りです。香りは濃厚ではなく、グイグイと前にくる主張もないのですが、始終とても柔らかくしとやかに包み込むシナモン調のアイリスが続くのです。このシナモンには甘さがあり、スパイシーなシナモンではなく、花の中にあるような柔らかなシナモン香で(シナモン調の香料は様々な種類があります)、それがアイリスとサンダルウッドの中に溶け込んでいるのです。トップのシトラスも強すぎるものではなく、パッとシナモン共に弾けて消え、後はただただ穏やかな、ほの甘く肌ざわりの良さそうなアイリスウッディが肌に残るのです。ミルラやラブダナム、パチョリなどはそれとわかるような香り方をしておらず、アイリス、サンダルウッド、ムスクを軸にシナモン調の香りでアクセントをつけたという雰囲気です。とてもエレガントでシックですよ。どことなく、L'Heure Bleueを洗練されたモダンクラシカルにしたニュアンスです。

(08/11/2016)

公開は早かったのですが、正式なリリースは2017年1月となりました。

(07/12/2016)

 

 

フルボトルのレヴューに切り替えです。香りの印象は大きく変わっていないのですが、ミニボトルの時よりもシトラスが鮮やかに広がりスタートしました。そこから香りはシナモンをアクセントとしたサンダルウッドアイリスへと切り替わっていくのですが、ウッディノートがとても繊細なレイヤリングを感じさせ、全体として1つのウッディオリエンタルでありながら、幾重にも重なったヴェールのように広がっていきます。ミルラやラブダナムのオリエンタルノートは最初から感じるほど強くはなく、忘れた頃(2時間後)のラストノートに登場します。全体としては精油ではない軽めなシナモン調の香りを軸に組まれているようです。

程よい甘さ、程よいスパイシーさ、程よい香り方。前述でL'Heure Bleueに言及していますが、同じベクトルにある香りであって、同じ香りではありません。こちらはウッディベースのシナモンですからね。ただ、L'Heure Bleueを思い起こさせるのはこの香りが時代を感じさせないからでしょう。ウードを使うこともなく、サフランを使うこともなく、レザーにすることもなく、流行とは無縁に作られた印象を受けるのです。流行と無縁な香りは10年後もどこか新しく、懐かしく感じられ、きっと愛されていることと思います。

(25/05/2022年)

 

 

<Atelier Des Ors Topへ戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜