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Sampleレヴュー (White Collection)

2018年、春の展示会にてWhite Collectionの3つの香りが公開されました。調香は全てMarie Salamagneで、グスタフクリムトの有名な壁画Beethoven Frieze(ベートーベン・フリーズ)にインスパイアされたもの。白という色は、新たなアイデアを形にしていくための始まりの色、つまり真っ白なキャンバスということですね。

 

 

Beethoven Frieze(ベートーベン・フリーズ)はベートーベンに捧げられたもので、1902年のウィーン分離派の展覧会に向けて描かれたものです。幅34メートル、高さ2メートルの3面の壁画で、第九と、ワーグナーによる第九解釈を表現したものだとされています。

クリムトは当時、女性の裸体や骸骨などをモチーフとした作品を発表していたことで保守派から孤立し、分離派となります。ベートーベンも第九を発表した際、器楽曲でありながら歌曲にもなっていたことが物議を醸し、孤立した経緯があるため、似たような境遇を感じたのではないかとされています。クリムトは第九を「幸福の追求」がテーマだとして3面の壁画を描きました。この壁画も含めてクリムトの作品にはゴールドが多用されています。またAtelier Des Orsもゴールドをテーマとてしいるので、ゴールド繋がりでテーマとしたことも納得ですよね。Black Collectionは225ユーロですが、White Collectionは195ユーロで発売に。(07/05/2018)

 

 

■Nuda Veritas (2018年)

第一の壁に描かれているのは、「幸福の天使」で、テーマは「幸福への憧れ」。人々が黄金の騎士に、哀願している様子が描かれています。幸福になるために、弱者が強者に哀願しているのです。タイトルは裸の真実という意味。

 

 

トップ:ベルガモット、キャローン、オレンジブロッサム
ミドル:サンバックジャスミン、チャイニーズジャスミン、オスマンサス、ティアラフラワー
ベース:パチョリ、タジェット、アンブロキサン、オークモス、アンブレットシード

香りは強いマリーンシトラスで幕開けです。あぁ、懐かしい。2000年代はこうした香りが市場に溢れていました。キャローンはまさにマリンフレグランスを象徴するような、とても力強く伸びやかに持続するマリンノートです。そのパワフルさに押されてフローラルノートが見えづらいのですが、ミドルのフローラルよりもパチョリやオークモスのシプレ感の方が感じやすく、マリンシプレという変化球で楽しませてくれます。天使のイメージで調香をするとしたら、僕もホワイトフローラルにオレンジブロッサムを重ね、浮き上がるようなキラキラとした軽やかな香料を使うだろうなぁ・・・なんて。(07/05/2018)


■Crepuscule Des Ames (2018年)

第二の壁に描かれたのは「敵対する勢力」。キリストの7つの大罪にも似た雰囲気で、怪物テュフォンを挟み、病気、狂気、死の3つ、反対側に好色、淫乱、不運の3つが表現されています。これらを克服しなければ幸せにはなれないということです。

 

 

トップ:マンダリン、カルダモン、クラリセージ
ミドル:ヒソップ、フランキンセンス、オールスパイス
ベース:ハイラックス、パチョリ

黄金の騎士が戦うということで、3つの中では一番力強さを感じる香りです。トップではスパイスとハーブがアロマティックに弾け、やがて微かにフランキンセンスを感じるアロマティックウッディへと変化していきます。怪物が描かれているからか、ベースにはアニマルノートのハイラックスを配置しているようですが、ほとんど感じられませんのでご安心を。ラベンダーやゼラニウムもなく、トンカビーンもないため、メンズのフゼアではないのですが、どことなくメンズフレグランスにありがちなテイストが感じられますので、購入される際は必ず試香してからにしましょう。調香から判断すると、アロマティックでスパイシーなフランキンセンスだと思ってしまいますから。タイトルは英語にしたらトワイライトソウル。薄明りなのか黄昏れ時なのか、どちらにしても香りの印象にはとてもマッチしていますよ。(07/05/2018)


■Choeur Des Anges (2018年)

第三の壁に描かれているのは「歓喜、接吻」。第九の中の詩「抱き合おう、幾百万の人々よ、この口づけを全世界に」というフレーズに基づき、合唱する女性たちと戦いから戻った黄金の騎士が、愛する女性を抱きしめてキスする様子が描かれています。そこから、天使の合唱というタイトルになりました。

 

 

トップ:ブラッドオレンジ、ブラックカラント、ペア
ミドル:オレンジブロッサム、キャロットシード、オスマンサス
ベース:シダーウッド、アンバー、ハニー

喜びのキスですから、香りの軸はハニーとなりました。たっぷりのオレンジがハニーと共にトップで溶け出し広がっていきます。とろりとしたハチミツが、肌の上でこぼれてゆっくり広がっていくようなイメージで、静かに変化していくのですが、トップでは微かに土っぽいキャロットシードの香りがアクセントとなって香り、グルマンではないユニークさを感じさせてくれます。ミドル以降はハニーとオレンジブロッサムが重なったシトラスハニーとなって消えていくのですが、そこまでオリエンタルではなく、ウッディ調でもありません。トップこそ少し個性的でしたが、以降は使いやすいユニセックスな香りです。(07/05/2018)

 

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