*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー

 

■Iris Macchiato (2018年)

アイリスを使用したエスプレッソ。アイリスは今まで数限りなくいろいろなブランドに取り上げられてきた香りですが、コーヒーに合わせたのは初めての試みなのではないでしょうか。

エスプレッソ、アイリス、バニラ、トンカビーン、パチョリ、ベンゾイン、サンダルウッド、ムスク

香料の中で、唯一あまり使いたくない、違和感を感じてしまう香料がコーヒーです。コーヒーを効果的に使用した香水は近年のブームで、多くのブランドが使うようになってきました。そうした香りを香っているうちに、以前ほど違和感を感じなくなってきたのは、香料そのものの質が変わったのか、嗅覚が慣れてきたのかわかりません。これは、アイリスとコーヒーという組み合わせですが、アイリスよりもコーヒーの方が強く、コーヒー飴に近い甘さの際立った香りとなっています。そう、イタリアのエスプレッソはシュガーをたっぷり入れますからね。アイリスよりコーヒーが強いことで、香りの印象としてはコーヒー味のキャンディを食べた時の口の中に匂いというか、口から鼻に抜ける香りのイメージに。缶コーヒーを飲んだ後の息にも似ています。それらを美味しいグルマン系にした感じでしょうか。(03/08/2018)


■L'Anima della Rosa (2018年)

イギリス人画家John William Waterhouseと詩人Alfred Tennysonへのオマージュで、タイトルの意味はThe Soul of the Roseです。この絵画はAlfred Tennysonの詩にインスパイアされて描かれたとされているんですね。

 

 

アールグレイ、ラッパ水仙、レッドローズ、ホワイトローズ、リリー、ハニーサックル、カロライナジャスミン、パッションフラワー、アカシア、ウッドバインスパイス、モス、ムスク、アンバーグリス

てっきりローズが主題だと思っていたら、香りはローズに主軸が置かれたわけではなく、ハニーフローラルブーケとなっていました。かなり甘さの強いトロリとした香りで、ハニーフローラルが全体を包み込んでいます。ベースノートも強くはなく、スパイスも強くはなく、グリーンな部分もありません。もう少しトップにフレッシュにシトラスを配置してあれば、フローラルがリフトアップしたのではないかと思うのですが、固まりが溶けていくようにスロースタートな香り。33%ですのでゆっくり香りますよ。(03/08/2018)


■La Lanterne Rouge (2018年)

中国のランタンをテーマとした香りをリリースです。ローズウッドはレッドダルベリアウッドという名前で、中国では家具に使われるのだそう。縁起が良いんでしょうね。

 

 

レッドマンダリン、レッドデーツ、ゴジベリー、サフラン、レッドオスマンサス、クラブアップルブロッサム、レッドピオニー、レッドローズウッド、アンバーグリス

ジューシーなレッドフルーツのコンビネーション、特にトップではシトラスとアップルが弾けた後、その中からサフランを始めとした渋めなエッセンスが香り出します。ベースにパチョリっぽかったり、ウッディだったり、レザーっぽいニュアンスが隠れていて、それらがフルーツを可愛らしくなく、グッとオリエンタルに傾けているのです。少しフルーツの部分がヤンキーキャンドルっぽいかな、とは思いますが、トップの一瞬で過ぎ去りますので、全体的にはフルーティーオリエンタルですね。(02/08/2018)


■Mayura (2018年)

サンスクリット語で孔雀を意味する新作です。ヒンドゥー教では神聖な鳥なのだそう。

 

 

チュベローズ、ジャスミン、イランイラン、ローズ、ダヴァナ、マサラスパイス、オークモス、アンバー、サンダルウッド、ウード、フランキンセンス、ベチバー、スパイクナード、シベット、カストリウム、ハイラックス、アンバーグリス、ムスク

あれ、これは本当にアブソリュートを使用しているのではないか・・・というチュベローズ、ジャスミン、イランイランのコンビネーションでスタートです。トロピカルなフローラルが甘く、生花らしく空気を染めるように香りだし、何とも豪華な雰囲気に。ところが、そのベースにあるのはアニマリックなトリオたち。ですから、美しくトロリとした花々に酔いしれていると、アニマリックに変化していき驚かされるのです。セクシーと感じるか、使いにくいと感じるか、アニマルさの加減がギリギリで、僕はとてもセクシーに感じます。いや、でも結構なアニマリックさだなぁ。(02/08/2018)


■No.15 (2017年)

15個目のリリースだから、とシンプルなタイトルにしたそう。33%のパルファムで、オフィシャルには早くも廃番の文字が・・・。

ネロリ、ヴァイオレットリーフ、ティー、アイリス、アイリスバター、ローズ、レザー、サフラン、オイスター、パチョリ、ベチバー、サンダルウッド、シダーウッド、アンバー、カカオ、アンブレットシード、オークモス、ムスク

高価なアイリスバターを使用したという香りですが、トップのヴァイオレットリーフがとても強く、パウダリーなキュウリで始まります。アニスが強ければミモザに感じていたのかもしれませんが、ウッディノートも同時に強く、ヴァイオレットリーフが消えた後は、ベチバー系のウッディムスクが肌に残ります。美しいエメラルドカラーの液体ですが、どのようにまとめたかったのか、少しインパクトは薄いかなぁ。とてもつかみどころがない、つまりコンセプトが見えてこない香りです。(02/08/2018)


■Les Tresors De Sriwijaya (2017年)

スリウィジャヤはマレー半島とスマトラ島を収めていたシュリーヴィジャヤ王国の名前から。

 

 

トップ:マンダリン、ピーチ、フランジパニ、パッションフルーツ
ミドル:オーキッド、ガーデニア、イランイラン、ジンジャー、ガランガ、スターアニス、ブラックペッパー
ベース:サンダルウッド、ウード、パチョリ、オークモス、スモーク、シベット、タバコ、ベチバー、アイリス、ベンゾイン、フランキンセンス、スティラックス、トルーバルサム、カカオ、バニラ、アンバーグリス、ムスク

これは、マレーシアのような南国のイメージにぴったりなのかもしれません。パッションフルーツの完熟した酸味と南国調のフローラルが溶け合い、こってりとしつこいくらいに香るのですが、その香りが次第にバルサム調のオリエンタルへと変化していくのです。フルーツが消えてからのオリエンタルさがスマトラらしく、パチョリの効いた香りが肌に残ります。でも、僕が調香をするのであればベチバーを軸にしただろうなぁ。スマトラ島はベチバーの産地だし、昔のイメージはもう少しスパイシーで土っぽい感じだったかもしれない、と。(14/06/2017)


■L'histoire Oubliee De Dunhuang (2017年)

シルクロードの分岐点として栄えた中国の中の砂漠のオアシス都市、敦煌をテーマとした香り。スパイス、お茶、花々と、当時の交易品を組み込んだ香りに。

 

 

マンダリン、オレンジブロッサム、アイリス、ローズ、ジャスミンティー、ロータス、クミン、シナモン、スターアニス、クローヴ、サンダルウッド、パチョリ、アーモンド、ヘイ、アンバー、バニラ、カシミア、ムスク

香りは、たっぷりシトラスのフロリエンタルといったところ。アイリスやスイートノートに様々なエッセンスが溶け込んで1つの香りとなっているのですが、濃厚にも感じられるこってり系のフローラルブーケです。中国のイメージと言っても人それぞれでしょうが、このイメージは僕の中の中国にはなかったかな、という感じに。もう少しトロピカルな国の方がイメージには合いそうです。ただ、時間と共にトロピカルさは控えめになりますし、ベースノートのパチョリやアンバーは強くはありませんので、Les Tresors De Sriwijayaよりはあっさりとしています。持続も長くはなく、2、3時間のEdPの感覚です。(14/06/2017)


■Binturong (2016年)

ベアキャットとも呼ばれるビントロングは、マラッカで初めて見つかったジャコウネコ科の動物で、シベットコーヒーで有名な動物とはまた違った近縁種のよう。尻尾を器用に使って樹木にしがみつくとても可愛らしい動物だそうですよ。

 

 

フランキンセンス、キャノンボールフラワー、ミックススパイス、アンバー、ラブダナム、ラオスウード、ホワイトサンダルウッド、シダーウッド、パチョリ、カラメル、ブラックコーヒー、シベット、カストリウム、ムスク、アンバーグリス

東南アジアらしさを出すために、スパイスをたっぷり使ったそうですが、香りの第一印象はクラシカルでした。トップは、とにかく往年のヴィンテージを彷彿させるクラシックなまとまりで、少しパウダリーなオリエンタルが微かなシベットを伴って香るあたり、グリーンノートのない、夜間飛行の終わりかけの香りにも似た雰囲気。なんとこれを40%のパルファムにしてしまったようです。アニマリック過ぎず、濃厚過ぎず、柔らかく静かに肌の上で香る、ヴィンテージの装い。いやぁ、とてもシックですよ。若い世代がこのような香りを作り出したことに驚かされました。40%はさすがに安全性も気になる濃度ではありますが、感覚としては20%程度です。(13/06/2017)


■Eau de Nyonya (2016年)

プラナカンと呼ばれる、東南アジアに移住してきた中華系の人々の末裔による伝統と文化をテーマとしたもので、ニョニャというのは、中華系の人々と他の民族の混血を表す現地の言葉です。

 

 

タパイプル(マレーシアのデザート)、パンダンリーフ、ヴァイオレット、アイリス、サンバックジャスミン、シナモン、チョコレート、サンダルウッド、ココナッツミルク、ココナッツシュガー、ベンゾイン、スエード、スモーク、アンバーグリス、ムスク

とてもユニークな香りです。タパイプルというお米のデザートをイメージした香りがトップから強く香るのですが、それはタイでもメジャーなココナッツをかけたスティッキーライスにそっくり。ジャスミンライスにライススチームを加え、ナッツとココナッツの香ばしくて甘い部分を足したら完成するような、こってりと甘いグルマンとなっています。その後はグルマン香が薄れ、スイートオリエンタルとなって消えていきます。トップのグルマンさは、マレーシアを知る旅行者を楽しませる香りだと思います。でも、148ドルでこの香りのパルファムを使いたいと思うかどうかはまた別だと思いますが。(13/06/2017)


■Miyako (2015年)

とても親日な彼らが京都を旅した時のイメージをまとめたようです。キンモクセイの香る季節は10月、そう秋。だから、秋の桂の葉の香りも取り入れたのです。桂の落ち葉はカラメルの香りがするんですよ。芸者のいる京都ということから少しだけパウダリーノートを、お茶屋さんがあったことからグリーンティーノート入れたというストーリーにぴったりマッチした理由のある調香です。The Art and Olfaction Awards 2016のアルチザンカテゴリーで、優勝した商品のたちの1つとして話題となりました。

 

 

トップ:アプリコット、ユズ、ピーチ
ミドル:ジャパニーズゴールデンオスマンサス、ジャスミングリーンティー、レザー
ベース:ヒノキ、シダーウッド、サンダルウッド、カツラリーフ、ムスク

とても評判が良かったため、オスマンサスアブソリュートをしっかりと使っているのではないかと思っていたのですが、やはりその通り。トップでこそピーチやアプリコットがジューシーに香りますが、その後からジワジワと香り始めるのがオスマンサスアブソリュートです。これは豪華ですよ、かなり香りますから。でも、アブソリュートというのは生花そのものではありません。たくさんの花から得られた濃縮された香りのため、とてもワイルドなのです。そのワイルドな中にレザーのニュアンスがあるのが特徴なのですが、彼はその部分を誇張し、レザーを追加することでとてもセクシーなフロリエンタルとしてまとめました。桂の葉の香りはマルトールという成分なのですが、良いアクセントとなってフロリエンタルの中に溶けていますよ。ウッディノートもオスマンサスアブソリュートを邪魔せずに香り続け、ミドル以降はオスマンサスが満開となります。とても贅沢で妖艶なオスマンサスですよ。ちょっと都というか雅さとはかけ離れてしまっているかと思いますが、それはそれ、これはこれ。高価なアブソリュートを惜しげなく投入している時点で価値ありです。(27/07/2016)


■Shambhala (2015/2016年)

チベットをテーマとした香りです。Shambhalaはチベットの奥地にあると言われる仏教徒のユートピアのこと。2015年にリリースされていた香りではあるのですが、2016年の夏に再リリースされましたので、調香を変更したのかもしれません。

 

 

トップ:ヒマラヤンアップル、スノーロータス、チベットティー
ミドル:ローズ、ナイトブルーミングジャスミン
ベース:チベットインセンス、タバコ、ヒマラヤンアンバー、スモーク、シベット、カストリウム、ムスク

調香からするとかなりユニークなタバコ系オリエンタルな香りを想像していたのですが、トップからミドルはそっちのけで最初から最後までハニーオリエンタルが続きます。詳細に書くと、ハニータバコっぽいオリエンタルで、アニマルノートやフルーツ、フローラルは全くわかりません。逆にスモーキーなニュアンスは感じられますので、インセンスっぽい雰囲気を重視したのかもしれませんね。ミステリアスなユートピアを表現するのにハニーノートを全面に出したというのは何故なのでしょうか。グルマンなハニーではなく、とても渋いオリエンタルなハニーなのですから。先にMiyakoを香ってしまったがために、インパクトに欠けてしまいましたが、秋冬向けの暖かなハニーオリエンタルとしては良香だと思います。(27/07/2016)

 

 

■Eternal Voyage (2016年)

昔、東方にあっというアンバーキャッスルという架空の王国がテーマ。空を船が横切り、お城の上には大きなアンバーが鎮座するというイラストです。

トップ:ミックススパイス、ラブダナム、ローズ、ブラウンシュガー、アンバー
ミドル:アンバー
ベース:シベット、カストリウム、サンダルウッド、バニラ、トンカビーン、スモーキーノート

テーマにアンバーとあるように、軸をアンバーにした香りです。トップから小気味良いほどスパイスが弾け、スパイシーオリエンタルで始まります。なるほどブラウンシュガーね・・・というカラメル香の欠片を感じたりしながら香りはゆっくりとオリエンタルなアンバーウッディへと沈んでいきます。でも、全体的には軽やかなほどであまり濃厚感はなく、案外あっさりとしているのが特徴でしょうか。こちらはユニセックスのカテゴリとなっています。(23/02/2016)


■Elfen Spring (2016年)

昔あっというエルフの王国がテーマ。船に乗ってその国を旅するというもの。

トップ:マスクメロン、マンダリン、ロータス、フレッシュウォーター
ミドル:ガーデニア、ウォーターリリー、チュベローズ、スズラン
ベース:プレシャスウッド、アンバー、フレッシュムスク

これはこれは、なんともフレッシュなフルーティーフローラルです。トップのメロンが瓜系でありながらもっと美味しいメロンとなっており、ジューシーに感じるほど。そのフルーツのトップを抜けると、甘すぎないさっぱりとしたフルーティーフローラルへと変化します。とても可愛らしいテイストですが、ガーデニアやチュベローズが主張することなくあっさりとしていますので、日本人向きなテイストだと思います。ただやはりアクアティックな部分がありますので、そこが気になる方は難しいでしょうね。こちらはレディースの香りです。(23/02/2016)


■Regal Secret (2016年)

Fantaisie Impromptuと名づけられたファンタジーな世界を香りにしたシリーズの1つ。昔、大陸にあっという一世紀以上支配をしていた王朝・・・その語られることのなかったストーリーというのを香りとしたもの。全て架空ですが。

トップ:ベルガモット、パイナップル、フィグ、カシス、オレンジブロッサム
ミドル:ホワイトスエード、ジャスミン、ラベンダー、ローズ
ベース:オークモス、アンバーグリス、バニラ、ヘリオトロープ、ムスク

画像がないのが残念なのですが、山奥に突然現れた秘境の王朝という感じのイラストがあります。いわゆる中国系の王朝で、かなりファンタジーなテイストで描かれています。香りはカシスが効いた少しアクアティックなフルーティーフローラルなのですが、調香の中で感じられるのがカシスしかないという全てが平坦なアコードとなっています。全体的にとても仄かで儚げなのですが、インパクトには欠ける香り。ラストノートはアクアティックなメンズフレグランスにありそうなテイストとなるのですが、一応カテゴリ的にはメンズとなっています。基材のIPMは少しオイリーなテイストですが、肌で伸びるとさらりとしたテクスチャーになりますので、ドライオイルの感覚です。(22/02/2016)

 

<Auphorie Topへ戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜