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Sampleレヴュー

■Wode 「Scent」 (2008年)

タイトルは樹木のウッドという意味の方に「気が狂ったように興奮する」という意味を持っており、シェークスピアの真夏の夜の夢の中にフレーズとして登場するものです。調香を行ったのはEscentric Moleculesを手がけたGeza Schoenで、IFFの香料を使用しています。タイプはEDT(Paint)とEDP(Scent) があり、Paintの方はブルーの液体です。昔、伝説の女王ボウディッカが戦闘時に身体に塗っていたと言われるブルーの色素を組み込んでいて、スプレーすると衣服がブルーに染まってしまうのです。でも、しばらくで無色になる・・・というのが遊び心なのだとか。ちなみにScentの方は無色のバージョンです。

ジュニパー、カルダモン、ナツメグ、クラリセージ、コリアンダー、アンジェリカルート、サフラン、トンカビーン、スティラックス、アンバー、ツリーモス、ムスク、レザー

スプレーしたらブルーのインクでびっくり!!
というのが狙いなのかもしれませんが、昔からこういう製品ってありましたよね。探してみたらこれです、これ。こういう昭和のいたずら商品(しかも500円)と全く同じ発想なのです。あり得ないほどチープでがっかりです(さすがに辛口にならざるを得ない)・・・こういうジョーク製品を良い大人が遊ぶとは思えませんし、1度楽しんだらおしまいでしょう、きっと。しかも、服に付けるということは色素が落ちても物質は残るわけで、後日シミになる可能性も高く、香りも肌より残ります。更に、ムスクは香りづらいという難点も生まれます。

7年の歳月をかけてつくられたという香りはメンズのウッディムスクな香りで、トップからスパイスが気持ちよく香ります。組み込まれているというアヘンとかヘムロックの香りは全く分からずにアパレル系らしいメンズテイストのスパイシーウッディムスクの香りでスタートします。甘さはあまりなくてスティラックスや合成のレザーノートがあるのですが、レザーというよりもカストリウムアコードなのかもしれません。ものの5分でカストリウム系ウッディムスクの香りに落ち着いてしまうのでこの香りがお好きな方でないと難しいと思います。カストリウムっぽさはそこからどんどんと抜けて行き、ラストには合成のウッディノートとムスクの香りとなって終わります。そもそも、Wodeというタイルからウッド系の香りに・・・という流れはわかるのですが、この商品がウッディノートである理由が理解出来ません。何故なら、「気が狂ったように興奮する(Wode)」香りではないからです、ウッディノート自体が。150mlのEDTが98ユーロ、EDPは83ユーロで、国内でも楽天で取り扱いがあります。(19,000円と17,000円)ちょっとその価格でこの香りはないなぁ・・・という気がしますが、飽くまでも「アートフレグランス」だということなので、このペイントの遊び心がお好きな方向け、ということで。(29/12/2009)


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