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Amor Amor / アムールアムール


<香 調> フルーティーフローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 50ml
<濃 度> EDT

トップ
ピンクグレープフルーツ、ブラッドオレンジ、マンダリン
ミドル
スズラン、ジャスミン
ラスト
ホワイトムスク、アンバーグリス、バニラ



ジャンパトゥから「Amour Amour」という香水が出ていましたが、少しつづりが違います。こちらはAmor Amor。意味は同じですけど。香りを手がけたのはLaurent BruyereとDominique Ropion。

発売は2003年ですから記憶に新しいのですが、ポスターのイメージしかなかったのです。オフィシャルサイトをしっかり確認するまでに至らなかったため、商品があること自体しか認識してなかったんですが、これはコンセプトが結構面白く、ボトルをしっかり見るとキャップ自体がありません。キャップの部分が、引き抜きのいわゆる手榴弾みたいになっているんですね。付けるときは引き抜くわけではなく、そのままプッシュできるのですが、その出っ張りがあるから不用意に押してしまうことがない、というスタイルです。

 

 

このような形になった理由は、手榴弾のようにイメージで、愛の爆弾をお目当ての女性に投げつける、というものだったから。女性に当たったこのボトルは砕け散って愛が芽生える、みたいな。これは、自分で買うのではなくプレゼントで・・・、ということなのでしょうか。いや、男性側の視点から見ると、意中の女性を射止めるためにこれをプレゼントしよう、ということなのでしょうか。サイトでは、砕け散った後にバラの花がわんさか出てくるので、香りもローズ系なのかと思うとそこはあくまでイメージであり、香りはフルーティーフローラルです。付けた瞬間はみずみずしいフルーツが香ります。少しベリーっぽい感じもしますが、しばらくするとグレープフルーツの苦味が出てきますね。グレープフルーツの苦味の中にホワイトフローラルが香っている感じで、ラストはホワイトムスクのほんわかした感じの香りと相まって消えていく感じ。最後まで比較的フルーティーさが残ります。バニラはそこまで際立っていませんので、真夏でなければいつでも平気かな、という感じです。

2006年、このアムールアムールのメンズが発売になります。ボトルはそのままにカラーはダークブルー。今度は女性が投げつける番なのでしょうか。

(26/05/2006)

 

手榴弾形のボトルはGianfranco Ferreにもありましたが、未だにフランカーが発売されるロングセラーとなりました。ボトルの背面に一輪のローズが描かれており、タイトルから透かして見ると背後にあるというデザインとなっています。

まぎれもなく、あの頃の香りに感じられるのですが、この当時はフルーティーフローラル、特にトロピカル系が一世を風靡する直前のことでした。スズランやジャスミンというよりも、ざっくりとホワイトフローラルという合成香料のフローラルブーケが軸にあり、それを取り巻くフレッシュノート、トップにはシトラス、ベースにはたっぷりのムスクというのが全体像です。トップのシトラスは後年であればグレープフルーツだけではなくカシスを入れてもう少し華やかにしたのではないかと思えるほどシンプルで、少し物足りなさを感じる香りだからこそ、フランカーが多いのかもしれません。ミドルのフローラルも、どのように変えても使えそうなシンプルさで、ベースがまたスイートムスクというシンプルさ。突出したユニークさ、クセになるポイントがないからこそ誰もが使いやすい香りなのであり、いかようにも姿を変えることが出来るわけですが、これほどミニマムでクセのない香りだったのかと、作り手視点から見ると学びのある1本です。

(08/10/2021)

 

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