2003年発売のクリーミーなフレグランス。発売当初は、酸味が独特でミルキーな香りと相まって好き嫌いがはっきり分かれていましたよね。

まず、トップから独特の酸味があります。クリーミーっぽさはそれほど強くはないのですが、爽快感も、透き通った感じもなくいのでクリーミーと言われるとそんな感じがしますね。白濁したイメージの香りではあります。ミドルから次第に強く香りだしてきたのは少しフルーティーな香り。えっと、ソイミルクとは豆乳であり、ソイビーンとは大豆のことなんです。香水に使われるのはとても珍しいですよね。この香りなのかはわかりませんが、酸味とこの香りがプラスされてどことなく「梅」なんですよ、梅。

すっきりとはしていませんから爽やかな梅の花とはいきませんが、梅ガムのような、いやもっと和風な柔らかい感じ。湯葉に包まれた梅?

(2006)

久しぶりに画像を撮影し、キャップを手にして驚きました。それは瓜系の香りがしていたから。あれ? この香りは豆乳だったような気が・・・。肌に乗せてみても瓜系の香りだけがある意味悪目立ちし、その後に続くはずのラクトニックなウッディノートを邪魔しています。なんと、こんなスタートになってしまったのか、と経年劣化なのか変化なのかわかりませんが、特有の酸味は消えて瓜の香りが続きます。

時間と共にゆっくりとウッディムスクへとつながっていくのですが、特有の豆乳の香りはそこにはなく、ラストノートもパワフルな瓜に完全に支配されたまま。豆乳自体は青臭く、そのままではとても良い香りではないし、随分とデフォルメされたアコードであったとしても、このラクトニックな瓜系ウッディなラストノートはあまり心地良いものではありません。

今でもオークションなのでは見ることができる香りではありますが、ヒットしないまま消えていったのは、この香りがあまり受け入れられなかったことが要因だと思います。久しぶりに試すと新たな発見があることが楽しいのですが、この香りは少し残念さが際立ってしまいました。

(17/10/2023)