*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Eau De Biarritz / オー・デ・ビアリッツ


<香 調> マリンウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 150ml
<濃 度> EDT

トップ
ヨウ素
ミドル
シーウィード、イランイラン
ラスト
サンダルウッド、シャムベンゾイン



1995年発売の香りで、ビアリッツとは南仏の高級リゾート地で、スペインとの国境に広がるバスク地方に位置しています。19世紀にナポレオン3世が王妃ウージェニーのために豪華な宮殿をこの地に建設したことがきっかけで、ヨーロッパ中の王侯貴族たちが集まり、今でも高級リゾート地として人気があります。

そんな「ビアリッツの水」はもちろん高級リゾート地らしく海の香りとなりました。トップノートにはヨウ素が、そしてミドルにはシーウィード(海藻)があります。ヨウ素はイソジンの香り、シーウィードの香料自体は香ると昆布そっくりです。イソジンと昆布?と思うと勇気がいるのですが、肌に乗せてみると、ヨウ素も昆布もなかなか顔を出しません。微妙なレジン系(ベンゾイン)がトップから香り、これは何系なの?と気難しい顔になりましたが、しばらくすると明確にマリン系になっていきました。

ミドル以降はもう微動だにしないマリンで、透き通ったマリンノートというよりは、イランイランの効果なのか少しフローラルで和らいだ感じがします。プールの塩素とはまた少し違いますが、マリンノートとヨウ素は相性が良いのでしょう。

(24/08/2007)

 

 

マリンノートというのは、美しいマリンリゾートを思い起こさせる爽快な香りと、少し荒れた海から香る磯臭い香りと2つあります。海の美しい街にオフィスを構えた後、海辺を犬たちと散歩する日々が始まったのですが、そこで改めて海の匂いについて考えさせられました。海辺を歩いているのに海の香りがしない日が多いのです。それは、爽快ですっきりとした透明感のあるマリンノートに近いのですが、少し荒れた日の後の海は、記憶の中にある海らしい海の香りでした。それは磯の香りであり、打ち上げられた海藻の香りであり、漁港のような少し生臭さを感じる香りでもありました。

マリンノートをよりリアルに表現するのであれば、ヴァイオレットリーフabsやオークモスabsなどを使用して、磯臭い感じを出すと良いのですが、近年では海藻を模したリアルな香料も開発され、使用されています。ヨウ素はうがい薬の中に使われていますので、比較的日常にある香りですが、その70%は海底資源から得られています。また、海藻に多く含まれている成分でもあるのです。だから海藻もヨウ素もマリンノートとして活用されるわけです。

香りは確かにヨウ素や海藻を感じさせつつも、それがメインではなくフローラルノートのアクセントとなった形で始まり、マリンフローラルとしてまとまっています。マリンフローラルが予想以上に馴染みやすく感じられるのは、海辺の街に暮らすようになったからなのかもしれませんが、以前ほどマリンノートのパワーを感じないばかりか、とても優し気に広がっていく感覚を覚えました。それを支えるベースもオリエンタルというほどしっかりとしたものではなく、そっと支えるパーツに徹しています。トロピカルなココナッツを使用することなくまとめられた、美しい海をイメージさせる香りです。

 

トップ:ベルガモット、イランイラン、ローズ
ミドル:オーシャンアコード、ブラウンシーウィード、マグノリア、トンカビーン
ベース:ベンゾイン、サンド、バニラ、サンダルウッド

 

未だに廃番となってはいない香りの1つなのですが、調香が上記のように変更となっています。もともとの調香もオフィシャルサイトからの引用のはずですので、オフィシャルの記載が変わったということなのですが、リフォーミュラではなく調香を詳しく表記した、ということなのだと思います。

(24/08/2021)

 

<Comptoir Sud Pacifique Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜