*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Le Roi Santal / ル・ロワ・サンタル


<香 調> パウダリーウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 150ml
<濃 度> EDT

トップ
アイリス、カブリューバウッド
ラスト
シダーウッド、サンダルウッド



1988年発売のすっきりとしたウッディな香りです。タイトルは英語で言うと「The King Sandalwood」。「王のサンダルウッド」というよりは、「サンダルウッドの王」という方が正しいニュアンスかもしれません。カブリューバウッドとは、南米原産のマメ科の樹木のようです。調香を見てもわかる通りにわりと分かりやすい香りで、ミドルノートがない2ノートで構成されており、アイリスのよく香るウッディです。

簡単に言うと、アイリスにおがくずを混ぜた感じ。

アイリスの精油を香ったことのある方はイメージしやすいと思うのですが、アイリスは少しパウダリーでオイリーな薬品香です。華やかさとか、甘さのあるフローラルではなくて、品のあるパウダリーノートに、オイリー調が重なった感じなんです。そこに、おがくずが加わるわけです。

サンタルですから、サンダルウッドがメインなのに、シダーウッドの方が強く、残り香の中にサンダルウッドが感じられるようになります。メンズのウッディだとトップにシトラスがあるし、ハーブもいろいろ入っていたりしますが、これはウッディ特有の強さをアイリスが抑え、ユニセックスな香りへと持っていっています。シトラスもなく、ハーブもなく、スパイスも、バニラもなく、アイリスだけだなんて。このシンプルさは他にはなかなかないのかもしれません。

(29/10/2008)

 

潔いほどのシンプルさで勝負した香り。上記のレヴュー時よりも印象が良いのは、ウッディノートやアイリスに対する知識が増えたことが要因だと思いますが、シンプルながらとても繊細なウッディノートが薄く肌に広がります。サンダルウッドの精油は不使用だと思われますが、合成香料でサンダルウッドのアコードを作り、そのウッディノートを本物らしく感じさせるためにシダーウッドやカブリューバが加わり、さらに滑らかな柔らかさ、パウダリートーンを出すためにアイリスが役割を担った、というのが全体像で、上記のようにアイリスにおが屑を混ぜた感じ、というのが今も変わらない印象です。ただ、サンダルウッドらしさは以前より強く感じられ、とても繊細な調香になっています。シンプルだけど繊細で美しい。余計なものを排除したミニマムな良さ。香りはとても静かで、漂うように薄く広がるのですが、きちんと持続をてしおり、アイリスより長くサンダルウッドが楽しめます。それでもムスクが多いわけではなく、EdTらしい持続となっています。

シダーウッドもサンダルウッドも精油を希釈してそのまま肌に乗せると、精油ならではのクセが感じられます。それは酸味であったり、苦味であったりするのですが、合成香料でアコードとして再現するにあたり、そうしたクセに感じられる部分は排除することが出来ます。だから、より美しい部分を強調した形にまとめることが出来るわけです。この香りはそうした良い部分だけを楽しむことが出来るのです。残念ながら廃番となってしまいましたが、スモーキーなタールを入れたり、フランキンセンスを足したりするとCdG辺りにあってもおかしくないスタイルだと思います。

(25/08/2021)

 

<Comptoir Sud Pacifique Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜