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Sampleレヴュー (Synthetics)




■Hybridised Flower (2020年)

ハイブリッドフラワーと名付けられたのはRhodinol(ロジノール)という香料。1891年にゼラニウムオイルの中から見出された成分で、自然界の様々な植物が有している成分です。特にローズの香気成分として重要で、Citronellolにとても良く似たグリーンなローズノート香り。だからローズアコードに使用されることが多い。オフィシャルではCaptured AldehydeとBlended Bigaradeの重ね付けを提唱していますが、もちろんDistilled GeraniumやTranscended Roseにも合います。(30/10/2020)


■Enchanted Air (2020年)

魅惑の風と名付けられたのはPino acetaldehyde(ピノアセトアルデヒド)という香料。Pinoと言う名の通り、ピネン類からの誘導体で、フレッシュなアロマティックノートだけでなく、オゾン、マリン系のフレッシュノートも有している香料で、ハーブ類を合わせたメンズのフレッシュノートに使用されます。オフィシャルではRevealed SandalwoodとExtracted Jasmineへの重ね付けが提唱されていますが、比較的どの香水にも合いそうな成分です。(30/10/2020)


■Blessed Fruit (2020年)

聖なるフルーツと名付けられたのはVerdox(ヴェルドックス)という香料。会社によってAgrumexとかYlanat-orthoとも呼ばれる成分で、IFFにより1991年に生成された自然界には存在しない成分です。グリーンなフルーティーノートで、特にアップル調の部分が多く、D&GのLight Blueのトップにも使用されている香りです。微かにウッディノートのベースを持っていて、ウッディベースとの相性も良く、オフィシャルではTranscended RoseとDistilled Geraniumへの重ね付けを提唱しています。ゼラニウムやローズとの相性が抜群ですからね。(30/10/2020)


■Altered Leather (2020年)

変貌したレザーと名付けられたのはSuederal LT(スウェーデラル)という香料。スエードと言えば必ずコレと言う、現代では頻出の香料です。大ヒットしている香料で、本当に良く使われているのですが、他のものは違うのはこれが調合香料であること。つまり、単一の成分や異性体ではなく、スエードの香りとして作られた香料なのです。柔らかな手触りのレザーノートはスエードそのもののニュアンスを感じさせ、とても長く香ります。スモーキーなタール系ではなく、とてもソフトなレザーの香り。オフィシャルではMagnified NarcissusとEnriched Lavandinの重ね付けを提唱しています。(30/10/2020)



■Overdosed Cologne (2020年)

過剰投入されたコロンと名付けられたのは、フレッシュなメンズフレグランスに欠かせないDihydromyrcenol(ジヒドロミルセノール)という合成香料。とても安価でありつつ、フゼアにぴったりで簡単にフレッシュ感を出してくれるため、70〜90年代のメンズフレグランスのフレッシュフゼアの多くはこの成分が大量に配合されていました。そのため、今では使わないという調香師もいるほど。1966年に見いだされたこの成分はもちろん、Distilled GeraniumとEnriched Lavandinの重ね付けが提唱されています。一気にメンズ香になる不思議を体験できますよ。(29/10/2020)


■Synthetised Citrus (2020年)

合成されたシトラスと名付けられたのは、Nootkatone(ヌートカトン)という成分で、グレープフルーツの香りにダイエット効果があると話題になった際に、取り上げられていた芳香成分で、グレープフルーツの精油中に1〜2%含有されています。皮の苦味を含んだムスクのように伸びやかなオイリーなシトラスノートで、最初はグレープフルーツではなくアラスカシダーウッドの中から見出された成分でした。オフィシャルではExtracted JasmineとEnhanced Pepperの重ね付けを提唱しています。(29/10/2020)


■Expanded Carbon (2020年)

拡張されたカーボンと名付けられたTimbersilk(ティンバーシルク)という合成香料。IFFによる商品名であり、成分としては Iso E Superと同じです。ただ、Timbersilkの方が異性体の量が多く、Iso E Superの少し強化版と言ったところ。香りは典型的なアンバーウッディノートです。そのものではなかなか香りが分かりづらい、インパクトの薄い香料ですが、大量に使用することで威力を発揮し、じわじわとムスクのように広がっていきます。オフィシャルではBlended BigaradeとFragmented Vetiverの重ね付けを提唱していますが、基本的にどのような香りとも合う、全く他を邪魔しない仄かな香りです。(29/10/2020)


■Supercharded Musk (2020年)

スーパーチャージされたムスクと名付けられたのは、Musk Z7という合成香料。ソフトでクリーミーな大環状ムスクで、ホワイトムスク系の中では少しアニマリックさがあり、とてもパワフルに香るムスクの1つです。フローラル、フルーティーノートを豊かにリフトアップするムスクで、1998年にIFFによって見出されたムスク。でも、これがFirmenichになるとExaltenoneという名前の香料になるのです。香料名は各社自由のため、化学式を見ると同じものなのに、たくさん名前があるという香料がたくさんあります。ムスクですから基本的にどのような香りとも相性が良いのですが、オフィシャルではMagnified NarcissusとFractioned Patchouliが挙げられています。でも僕はTranscended Roseがいかにムスクで変化するのかをお楽しみいただきたい。(29/10/2020)


■Cloned Ambergris (2020年)

アンバーグリスのクローンと名付けられたのはGrisalva(グリサルヴァ)という合成香料。アンバーグリスノートのAmbroxのエチル類似物として60年代に発見された香りで、IFFとしては宝石のような商品だとしています。このブランドはIFFの広報のよう。典型的なアンバーグリスノートで、微かにレザーのニュアンスやウッディノートを有していて、広くベースノートに使用されています。オフィシャルではCaptured AldehydeとLiquified Amberの重ね付けを提唱していますが、やはりこれもどの香りにも合うベースノートです。アンバーグリスというよりもアンバーに近いのですが、希釈率が高くとても仄かでつかみ取りにくい濃度になっています。合成香料の中ではとても高価な成分ですからね。(28/10/2020)


■Crystallised Sugar (2020年)

クリスタルシュガーとな付けられたのはEthyl maltol (エチルマルトール)という粉末香料。マルトールは天然だとココアや枯れた桂の葉などに含まれるカラメル香です。エチルマルトールも同じで、グルマンには欠かせない香料などですが、ストロベリーなどのフルーツの香りを表現する際にも微量が必須な香りで、大量に使うべき香料ではありませんが、広く使われる頻出香料の1つです。バニラの甘い香りもバニリンだけでなくマルトールを微量に加えることで深みのあるバニラへと変化するのです。とてもパワフルな香料ですので、1%程度に希釈されているのではないでしょうか。それが、単品で楽しめる最適な濃度なのです。オフィシャルではFractioned PatchouliとTranscended Roseへの重ね付けを提唱しています。(28/10/2020)


■Encapsulated Sun (2020年)

カプセル化された太陽と名付けられたのはBicyclononalactone(バイシクロノナラクトン)という香料。夏にぴったりと説明があるのは、この成分がココナッツ調のクマリンの香りだから。トンカビーンにも似た少しスモーキーなトップから、すぐにココナッツ調のクマリンに変ります。クマリンは1868年と合成香料の中でも古くからある香料で、フゼアロワイヤルにも使用されましたが、Bicyclononalactoneもクマリンから作られます。オフィシャルではRevealed SandalwoodとLiquified Amberへの重ね付けを提唱。確かにベースノートに甘味を足すものなだし、サンダルウッドとの相性は抜群です。(28/10/2020)


■Replicated Wood (2020年)

複製させたウッドと名付けられたのはCedramber(セドランバー)という香料。1966年にシダーウッドオイルの中のセドロールから作られた合成香料で、アンバーウッディと呼ばれるアンバーグリスのニュアンスを持ったウッディノートの中の1つ。多種多様なアンバーウッディでおが屑のようなウッディノートとパチョリのニュアンスを併せ持つのが特徴。オフィシャルではFragmented VetiverとEnhanced Pepperへの重ね付けを提唱していますが、全ての香りに重ねて使えるマルチなアンバーウッディノートです。(28/10/2020)

 

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