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Emeraude / エメロード


<香 調> ライトパウダリーオリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 59ml、23mlなど
<濃 度> EDC、PdT、Parfum

トップ
レモン、ベルガモット、オレンジ
ミドル
ジャスミン、ローズ、イランイラン
ラスト
バニラ、サンダルウッド、パチョリ



1921年発売のクラシックな名香ですよね。もともとのボトルのタイプは現在のようなものではなくて、やはり今で言うパルファムの入っているような、豪華な瓶でした。エメロードとはエメラルドのことで、液体自体に色がついています。

付けた瞬間はレモン等のシトラスが香りますが、すぐにクラシック香が出てきます。フローラルにパチョリ、でもそれだけではないこの香り。ミドル以降はパウダリーさが出てきます。でも、アルデヒドとかガルバナムとかのクラシック要素はないんですよ。少し樹脂系のすーっとした香りがあって、それがクラシックさを出してるような気がします。ほの甘い感じはサンダルウッドとバニラでしょうね。強いクセはなく、落ち着いたライトパウダリーオリエンタルな香りで、これなら現代でも人気な理由がわかります。全然古くは感じません。古くないのですが、この香りの流れを汲んだものはなかなか最近は出てきてくれないですよね・・・。コロンなのですが、この時代のコロンはわりと持続の長いものがあります。持続は長いのですが、香り自体深くないので、さらっとした感じなのが特徴かもしれません。パルファムだったらもう少し違う香り方をすると思います。

(08/12/2006)

 

 

9年を経ての再レヴューです。今でも発売され続けている名香ですから、取りあえず試したいという気持ちで手にしたコロンでしたが、9年の間にヴィンテージな香りたちが次々と集まってきました。それらを並べて比較をしてみて気づいたこと。それは、やはり時代と共に香りが変わったのだということでした。そして、時代の流れもその中にあったのです。

上記の調香の中にはありませんが、ヴィンテージのパルファムを香った瞬間、香りの軸がラベンダーであることに驚かされました。その後、現行品を香ってみると確かにラベンダーがトップに存在するのです。この香りが発売される30年前にGuerlainのジッキーが発売され、ラベンダーにクマリンとバニリンを足していく、オリエンタルなラベンダーという香りが広く認知され、それが広く流行していたであろう1921年。4年前にはChypresを発売し、大ヒットをしていたCotyは、シプレの要素をジッキーに取り入れたわけです。オークモスはあまりないものの、パチョリはしっかりと存在し、ラベンダーをまろやかなパウダリーオリエンタルで包み込んだという香りで、Guerlainのオポポナックスベースを彷彿とさせる香りに仕上がっているのです。

 

 

時は1921年、ChanelがNo.5を発売した年です。同じようにアルデヒドを微かに加えて完成させています。ただ、大量投入して成功したNo.5に比べると使用量がごくわずかです。タルカムパウダーなども発売されていたことが広告から読み取れますが、もともとパウダリーなオリエンタルですから、相性は抜群です。

年代の違う香りを比較してみると、パルファムを含め昔のものはラベンダーがとても多く感じられます。しかし、現行品のコロンはそれが随分合成香料に置き換わり、あっさりとしているのです。昔、精油を使用していた部分の処方を全て単品香料に置き換えたら現行品になる、という感じで、実際に試して確認してしまいました。そう、模倣にチャレンジしてみたのです。

昔のものと今のものを比較しながら、何がどのようになったのか、レシピを見ながら楽しんでいただけますよう、10月4日の赤坂調香体験セミナーでは、こちらの模倣レシピでセミナーを開催致します。クラシカルでシックな香りがお好きな方向きの香りです。

(21/08/2015)

 

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