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Sampleレヴュー

 

 

 

■Cuir d’Eden (2022年)

2013年3月、彼はブラジルのPorto Seguroという街を訪れたそう。海辺の街ながら、すぐそこに国立公園があり、生命力にあふれた豊かな自然に魅了されました。記憶に刻まれたアマゾンの風景をレザーに合わせて表現した香り。

 

 

 

トップ:メキシカンライム、タヒチアンライム、オークモス、モヒートアコード
ミドル:フレッシュカットグラス、イランイラン、スモーキーノート、ブラウブランコレジン、シーウィード
ベース:ベチバー、サンダルウッド、オークモス、ツリーモス、アンバーグリス、ムスク

ムエットで香った際にはかなりグリーンが強い印象だったのですが、肌の上ではしっかりとレザーが広がります。それも滑らかなのにドライなレザーで、全体として1つのレザーノートのように感じられるのです。イランイランやレジンはそれらしさを潜め、感じられるのはモス調の部分くらいで、クラシカルなレザーととてもモダンなレザーが重なり、それをモスとムスクが柔らかくまとめているというニュアンスで、グリーンノートは少し土っぽくレザーに良きアクセントを添えて広がっていきます。スモーキーではなく、アニマリックでもなく、フローラルが強いわけでもなく、とてもユニセックスなグリーンレザーシプレとなっています。ムエットより肌の方が断然良いので、是非肌でお試しを。(20/07/2022)


■Cuir Venetien (2016年)

ここ数年、毎年新作をリリースしている彼ですが、7作目はフェミニンなレザーとなりました。今回のテーマはヴェネツィア。夕刻、美しいピンクに染まるヴェネツィアを、サーモンピンクのレザーで包み込んだのですが、香りはプラムを効かせたフルーティーなレザーとなりました。サブタイトルはNuit blanche dan palais roseとあるのですが、ピンクに染まる宮殿と、「白夜」ではなく「眠れない夜」という意味です。

 

 

トップ:ベルガモット、ビターオレンジ、アクアノート
ミドル:プラム、プルノール、パッションフルーツ、ローズドゥメイ、フレンチジャスミン
ベース:アトラスシダーウッド、レザー、ホワイトムスク

ムエットではパウダリーでフェミニンなレザーという印象だったのですが、肌の上ではそれほどパウダリーさが強く出てきません。レザーを包み込むのは、おそらくハニーを使用したプラム調のスイートノートで、それがローズと共にレザームスクと共に香るのです。実にフェミニン。でも、全く力強さやメンズテイストを感じない、女性が安心して使えるレザーというニュアンスで、レザーがしっかりと香っているのが彼の香水の特徴です。テーマはしっかりキープしているわけです。レザーの香料には様々な種類がありますが、こちらはどちらかというと柔らかなラム、スエード系のレザーノートで、プラム調のスイートノートととてもよくマッチしていますよ。肌馴染みも良いので、香水本来の服のようにヴェールとなって香る印象です。他のラインはすべてEdPですが、こちらの香りは先行してExtrait de Parfumがお披露目となりました。このレヴューはパルファムのレヴューとなります。9月の展示会でEdPバージョンがお披露目されるそう。(30/05/2016)

 

 

■Cuir Caraibes (2015年)

子どもの頃、親族が集まって過ごしたビーチ、それがグアドループ島だったそう。ドミニカに近い小さな島のようですが、そんな生活憧れますよね。サマーバケーションの香りとしてこれを作ったようです。

トップ:ベルガモット、シトラスノート、ジンジャー、ペッパー
ミドル:マンゴー、ホワイトフローラル、ベチバー
ベース:レザー、アンバー、パチョリ、ガイヤックウッド

クリスタルブルーの空と海、モヒートのカクテルとラムにビーチパーティー・・・などカリブ海のイメージは様々ですが、やはりシトラスは大切で、トップから溢れんばかりのシトラスノートが香ります。特にグレープフルーツなどのビターさと、絞ったばかりのジューシー感を感じる精油らしいシトラスが弾け、その奥からスパイスが現れます。スパイスが先ではないんですね。このスパイシーな部分はひょっとしたらウッディノートのものなのかもしれませんが、どことなくシナモンっぽいスパイシーさが出ており、シトラスの残り香に重なる形で香り続けます。ミドル以降はマンゴーの名残なのか少しクリーミーな部分が感じられるようになり、やがてアンバーなどのオリエンタルノートへい変化して甘く肌に残ります。レザー感はありませんが、しっかりと香りの変化がありますから、サマーコロンでは終わらない香りです。(12/11/2015)


■Cuir Solaire (2015年)

Cuir Caraibesと共に発売された香りで、テーマは舞踏会です。ヴェネツィアの仮面舞踏会ではなく、イメージはスペインのアンダルシアでフラメンコダンサー。情熱的で美しい、女性ダンサー。

トップ:オレンジ、ベティグレン、ベルガモット
ミドル:ジャスミン、クローヴ、オレンジブロッサム、アクアノート
ベース:レザー、アンバーグリス、ヘリオトロープ、バニラ、パチョリ

今までにないほど明るくフレッシュな香りで、トップからシトラスが弾けます。サマーフレグランスとして発売されたのがとても良くわかる調香で、この明るいシトラスノートはやはりバレンシアやスペインらしさを物語っています。シトラスの後はそれを引きずりながらオレンジブロッサムへとキーノートが移ります。アクアノートはほとんど気にならない程度のもので、シトラスフローラルに包まれて薄らとレザーが香るようになります。シトラスレザーというよりもベティグレンにオレンジブロッサムを加えたような少し渋めなウッディノートがベースにあるという程度ですから、レザーの香りがお好きな方には少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。逆に、さっぱりとした明るいシトラスウッディ系のものをお探しであれば、ユニセックスで使えて良いのではないでしょうか。特にラストノートはパチョリが感じられるようになり、カラメルのような甘さを含んだ少しオリエンタル調となって消えていきます。(11/11/2015)


■Cuir Altesse (2014年)

Cuir de R'Eve (Day Version)と共にリリースされた香り。Cuir de R'Eveが昼間の香りだったのに対し、こちらはジャズを聴きながらカクテルを楽しむ夜の香り。

トップ:オレンジ、カルダモン、ピンクペッパー
ミドル:ローズペタル、ジャスミン、パチョリ、クミン、クローヴ
ベース:バニラ、クマリン、レザー、ベンゾイン、オークモス

この2種はレディースとして発売されたものですが、香りはレディースというよりもユニセックスです。香りの軸はベンゾインで、トップからスパイスと共に香るベンゾインがとてもセクシーで、ローズやジャスミンのフローラルノートは全く感じられないほどオリエンタル一色。クマリンやオークモスは欠片として感じられますが、クミンもさほど強くはありません。パチョリとベンゾインにスパイスを加え、セクシーなオリエンタルとしてまとめた、という香りですね。後半はパチョリが主役となってくるのですが、甘さが加わっているおかげでとてもまろやかなパチョリが楽しめます。(11/11/2015)

 

 

■Cuir Mandarine (2011年)

Jour pour Homme(午後の香り)というサブタイトルが付いています。レザーとタバコにマンダリンという組み合わせは、まずレザーが母が着ていたレザージャケットから(仕事に出かける前にレザーコートを着た母に抱きしめられていたそうです)、タバコは、葉巻を愛用していた父のイメージから、そしてマンダリンはソファのクッションにコロンで香り付けしていた祖母のイメージを投影しているようです。そして、パチョリは彼自身が安心できる香りなのだと。ルーツは明らかにはされていませんが、彼自身ひょっとしたらキューバ等カリブ海方面の血なのかもしれませんよね。(彼はカリブ海に多く植民地を持っていたスペイン系の苗字です)

トップ:フレンチラベンダー
ミドル:レザー、マンダリン、ブラックペッパー、ヴァージニアタバコ
ベース:5種のインディアンパチョリ

トップではラベンダーとマンダリンが爽やかに香りますが、その時点ですでにパチョリもタバコも香っています。なんだかとても懐かしさを覚えるメンズ香で、クラシカルなそれこそ70年代のメンズフレグランスのベースにありそうな印象を受けました。あの頃は今よりもっと天然香料率も高く、ベースにはどっしりとこうした精油感が漂う渋いレザータバコ系の香りが多かったような気がします。香りは次第に甘さをなくし、比較的ドライなパチョリへと変化していきます。甘さはアンバー風で、Frapinのような少しリキュール風葉巻系の香りが漂うのです。レザーは決して強くはなく、アンバーパチョリとなって消えていきます。比較的渋めなメンズ香ですが、時代に左右されない良さを感じさせてくれますよ。(26/06/2013)


■Cuir Tabac (2011年)

Soir pour Homme(夜の香り)というサブタイトルが付いています。幼い頃、カリブ海のフランス領、小アンティル諸島のPointe-a-Pitre(ポワンタピートル)という街のマーケットを訪れた時の記憶が香りとなったようです。活気に溢れたカリブ海地域特有の雰囲気が力強い男性的な香りを生み出したのですね。

 

 

トップ:フレンチラベンダー
ミドル:ブラウンタバコ、シガーアコード、ムスク
ベース:5種のインディアンパチョリ

夜の香りのわりにはダークではない、というのが第一印象でした。タバコ感が午後の方が強く、夜の方がどちらかというと柔らかくて滑らかなんですね。午後は軽やか、夜は重く・・・という違いではなく、午後はしっかり、夜はセクシーという風に分けたのでしょう。ムスクがあることもあり、香り方がとてもまろやかで優しく、パチョリとタバコが溶け合ってセクシーに広がって消えていきます。こちらもどっしりとしたパチョリが好印象なのですが、きちんとある程度の甘さを加味していることでパチョリがとても深みをもってゆったりと香っています。香りの広がりとしては午後のCuir Mandarineの方が強く、こちらの方が密やかな感じですので、筋骨隆々な男性像ではなく、どこか少しインテリ風なイメージを抱いてしまう繊細さも併せ持っています。(26/06/2013)

 

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