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Exit The King / イグジット・ザ・キング


<香 調> フローラルシプレムスク
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 100ml
<濃 度> EDP

トップ
ティムールペッパー、ソープアコード(ムスキーアルデヒド)、ピンクペッパー
ミドル
ジャスミン、ローズ、スズランアコード
ラスト
パチョリ、モス、サンダルウッドアコード、オルカノックス



2020年発売。瀕死の王と訳され、ドラマや演劇になった劇作家ウジェーヌ・イヨネスコの作品がタイトルとなりました。1時間40分後の終演時に死ぬと宣告された王を取り巻くストーリーです。それは、主人公であるベランジェ王が骨が痛み、肝臓は衰え、ひどい頭痛で目覚める場面で始まります。彼を取り巻く人々は誰も彼の命令には従わない。それは彼の治世が散々なものだったから。そこで死というものに向き合わなくてはならなくなるのですが、それでも死にたくないと願う王。彼は自分自身をこの世から解放することが出来るだろうか。という死に向き合った戯曲です。

 

 

ムエットではなかなか分かりづらかったのですが、肌に乗せたら世界観が一気につかめました。それは男性のシェービング系の匂いで始まったから。トップでこそスパイスが香りますが、香りはそこよりもソープアコードの方が強く、アルデヒドよりもたっぷりなムスクの方が印象的だったのです。ムスクにごく少量のアルデヒドを加えると石鹸風になるんですよね。そこにジャスミンを軸としたホワイトフローラルノートを重ね、というかムスクで包み込み、ベースにシプレノートを配した、というものです。シプレ感がとてもしっかりとしているのは時代を感じさせるクラシカルなテイストを出したかったからでしょう。

 

 

 

シーツの匂いに、肌の匂い、シェービングの匂いにフローラルノート。死に向かう悲壮感はなく、イメージされるのはベッドの上で死を待つ静かな時。ムスキーなシプレがゆっくりと香り続けます。

 

 

全部、落ちろ。

何もかもを全てを投げ出し、死にゆくという自由。

(25/07/2022)

 

 


 

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