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Sampleレヴュー

 

■No.11 (2018年)

Nanako OgiさんというGivaudanの女性調香師による調香で、プラハをイメージした香りに。だからオーナーのElodie Polletさんはチェコに住まわれているわけです。

 

 

トップ:イエローマンダリン、ベルガモット、ピンクペッパー
ミドル:ライラック、マグノリア、ローズ
ベース:シダーウッド、ソフトアンバー、ムスク

 

 

とてもピール感の強い質の良いシトラスがジューシーに弾けて始まります。シトラスノートがとても印象的に弾けたため、奥にあるフローラルはライラックよりマグノリアが先で、マグノリアローズ系のシトラスフローラルとなって広がっていくのです。おかしい、ムエットではライラックのコンパウンドのように典型的なライラック香に感じていたような気がするのに・・・。明るくて綺麗なフローラルではありますが、これではシトラスが強すぎてライラックではない。結局、シトラスがぐいぐいとフローラルをけん引し、最後まで明るいフローラルのまま終わりました。とても売れ筋を意識した明るくポップなテイストですが、ユニークなポイントがないため、ニッチなフレグランス市場では少し霞んでしまいそうです。なんとなく、GuerlainのAqua Allegoriaにありそうな雰囲気と言えば伝わるでしょうか。(22/06/2018)


■No.10 (2016年)

Jordi Fernandezによる調香で、テーマはシルクロード。その中でもサマルカンドを取り上げ、ブラックボトルにゴールドのロゴがあしらわれました。

 

 

トップ:フランキンセンス、ゼラニウム、サフラン、ナツメグ
ミドル:シプリオール、ローズウォーター、アンバー、ミルラ、アミリスウッド
ベース:サンダルウッド、パチョリ、ムスク、バニラ、ラブダナム、レザー

ムエットではとても好印象だったのですが、肌に乗せると意外にもパワフルなアンバーグリスノートが弾け、またこの香りか・・・と正直うんざりしてしまいました。良くあるタイプのアンバーグリスにスパイスとレザーウッディ、パチョリを重ねたような香りで、後半はガイヤックウッドへと切り替わっていきます。ガイヤックウッドの中でも薬品香のあるスモーキーな合成香料が軸となって残りますので、後半は個性的で楽しくなるのです。それは、Atelier des OrsのLune Felineのベースにも通じる香りで、バニリンやスモーキーノートと相性の良い香りです。とてもセクシーに香るんですよ。(22/06/2018)


■No.9 (2015年)

Sonia Constantの調香で、精油のクラリセージを軸に、ハーブがたくさんあるヴェルサイユのガーデンをイメージしたアロマティックフゼアウッディに。ボトルもモスグリーンとなりました。

トップ:ベルガモット、ナツメグ、セージ
ミドル:ヴァイオレットリーフ、ジャスミン
ベース:ベチバー、モス、ムスク、シダーウッド

しっかりとクラリセージを軸にしていると明記してあるのに、クラリセージを感じないまま始まり、クラリセージを見つけられないまま終わってしまいました。香りはナツメグとヴァイオレットウッディが軸にあり、その他はアロマティックウッディといったところでしょうか。間違えたのかと思い、何度か試しているうちに、トップに少しだけ香り、瞬間で消えていたことがわかりました。捕まえづらいです、セージ。香り全体はユニセックスで、メンズのフゼアとなっているわけではありませんので、広く楽しめるのではないかと思います。ただ、ベースのウッディノートは少しメンズっぽく感じられますが。(22/06/2018)


■No.7 (2015年)

Thomas Fontaineによる調香で、テーマはパリのガーデン。ボトルはイメージに合わせてピンクとなりました。この香りが発売された当時、オーナーのElodie Polletさんはパリに住んでらしたんですよ。

 

 

トップ:マリーゴールド、ブラックカラント、ガルバナム、ピンクペッパー
ミドル:フリージア、ウォータージャスミン、ミモザ、アイリス
ベース:シダーウッド、ホワイトムスク、ピーチ、アンバーグリス

懐かしい、あまりにも懐かしいテイストのフレッシュフローラルブーケです。日本でも大ヒットをしたLanvinのEclat d'Arpegeを彷彿とさせる香りで、もっとさっぱり、あっさりとしています。花盛りの春のパリの雰囲気にはぴったりで、テーマそのもののイメージだとは思うのですが、あまりにも良くあったタイプの香りで、目新しさとなると手を止めてしまう人も多いのではないでしょうか。ただ、一般的にはとても売れ筋だと思います。少しアクアティックなシアーフローラルブーケですから。(21/06/2018)

 




■No.6 (2013年)

Nadege le Garlantezecによる調香で、ロシアに住んでいた経験から、ボトルは赤の広場をモチーフに真っ赤となりました。

 

 

トップ:フランキンセンス、ナガルモタ
ミドル:ゼラニウム、ラブダナム、レザー
ベース:パチョリ、シダーウッド、ムスク、ペッパー

展示会でロシアのジャーナリストに誘われてロシアの香りだから…と紹介されて初めて香りました。そこで今まで期待していなかったこのブランドの香りにハッとしたのがこのNo.6だったのです。なんだ、こんな香りもあったのか、と。香りはゼラニウムで始まるレザーで、とてもクールでシックなのです。スモーキーではなく柔らかくまとめられたユニセックスなレザーで、時間と共にオリエンタルへと変化していきます。赤の広場をレザーにしたら、そこを象徴するような軍事パレードが思い出されます。国民の一致団結、決意などを感じるオリエンタルレザリーな香り。(21/06/2018)


■No.4 (2013年)

Charles Carusoによる調香で、テーマをアラブから地中海に移しました。イタリアのベルガモットとスペインのラブダナムというコンビネーションに。

 

 

トップ:パチョリ、ベルガモット、ラブダナム
ミドル:ローズ、ヴァイオレット、サンダルウッド
ベース:アンバー、ムスク、バニラ、スモーキーノート

シトラスアンバーの変型版といったところでしょうか。トップでは清々しいベルガモットが広がりましたが、あっという間にたっぷりのアンバーノートに多い尽くされてしまうのです。このアンバーノートも少しパウダリーで甘く、言わば教科書にありそうな典型的なアンバーノートとなっていますので、それ以上でもそれ以下でもなく、比較的ありがちなテイストだと言わざるを得ません。地中海はもっとアロマティックなイメージがあるのですが、こんなにオリエンタルにするなんて、やはり感じ方は人それぞれだなぁ。(21/06/2018)


■No.2 (2011年)

Prakash Narayananによる調香で、テーマはアラブ。有名なインセンスのバフールとスパイスマーケットをモチーフとしたようです。

 

 

トップ:スパイス、タバコ
ミドル:ローズ、サフラン
ベース:ウード、フランキンセンス

No.1と比べると明らかに中東を意識した香りだということがわかります。こちらは楽しい。ローズがスパイスとサフランと共に香るのです。中東感ばっちりで、水タバコっぽいイスラムの雰囲気や、サフラン調の部分がローズをユニセックスにして香り続けます。カタールのマーケットでは確かにウードの香りが広がっていましたが、ウードが強すぎないのです。そこに頼ってばかりでは市場の製品が同じものばかりになってしまいますよね。水タバコを体験したものとしては、中東だけでなく、トルコ風にも感じられるオリエンタルな香り。(20/06/2018)


■No.1 (2011年)

Charles Carusoによる調香で、テーマはフランスとアラブのフローラルウッディ。

トップ:ジャスミン、ローズ、スターアニス
ミドル:サンダルウッド、シダーウッド、タバコ、ペッパー
ベース:アンバー、ムスク、バニラ

あれ? ちょっとハニーなフロリエンタルかなと、ほとんどトップノートがないままフローラルウッディへと坂を下るように変化していきます。ウッディノートというよりも軸にあるのはアンバーウッディノートで、ジャスミン、オレンジブロッサム系の香料とハニーノートがアンバーウッディに重なり、ほの甘くシックな香りへと落ち着いているのです。タバコは感じられず、中東らしさも強くはないのですが、ひょっとしたら想像している中東のイメージが違っているのかもしれません。まだまだ謎の多い地域ですから。印象としては、ユニセックスで使える、そして誰もが使いやすそうなフローラルウッディムスクです。(20/06/2018)

 

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