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Sampleレヴュー

■Maitre Jardinier (2019年)

5人目の職人はガーデナーとなりました。花の咲く庭をつくるガーデナーではなく、イタリアらしいというか、ヨーロッパらしい感覚だなぁと感じたのは、それが植栽迷路だったから。調香はBertrand Duchaufourが担当です。匠の技であり天賦の才である、みたいな意味合いのSavoir faire(サヴォアフェール)というフランス語から派生した外国語があるのですが、ここ数年多くのブランドが、クチュールたちがその言葉を使うようになってきました。これはまさにこのブランドの職人たちを意味する言葉であり、それを香りに翻訳したのがこの香りなわけです。

 

 

トップ:マンダリン、スイートオレンジ、ベルガモット、ジュニパー
ミドル:ローレル、松林の葉の香り、ピオニー
ベース:シダーウッド、フランキンセンス、ファーバルサム、ブロンドウッド、ムスク、アンバー

調香を見ると、その植栽迷路がどのような植物で構成させているのか、想像したのかが読み取れます。コーナーにはシトラス果樹が、迷路の部分にはジュニパーやローレル、松が使われているわけです。わざわざパインニードル(松葉)ではなく、松林の葉の香りとしたのか、それはきっとそれだけ空気感というものを表現したかったからなのでしょう。香りは誰もが好きなのではないかと思うほど清々しいシトラスアロマティックで始まります。レモンが効いたアロマティックグリーンで、パインニードルの精油感は強くはなく、フローラルノートやフレッシュノートを多めにして軽やかにしていることが読み取れます。またベースも感じられるのはムスクくらいで、他の成分たちはそれとわかるほど強くはありません。飽くまでも主体はアロマティックな部分であり、他のアクセントがないため、とても分かりやすくて使いやすい香りとなっています。彼の調香だという気があまりしないのは、普段多用されるスパイスがほとんど使われていないからなのかもしれません。植栽にスパイスは必要がなかったということでしょう。(15/05/2019)


■Maitre Ceramiste (2018年)

陶芸家が4つ目の香りとなりました。調香はMaurizio CerizzaとLuca Maffeiが担当です。陶磁器だからか、ボトルキャップは白からホワイトになりました。彼らは、同じボトルの大きなサイズを制作し、ディフューザーも発売していくそうですよ。

 

 

トップ:シソ、ガルバナム、ピンクペッパー、アンジェリカ、メタリックアコード
ミドル:オールスパイス、クレイ、スモーキーインセンス、アイリス
ベース:ミネラルアコード、ベチバー、パチョリ、ガイヤックウッド、オークモス、アンバー

トップではスパイスとハーブが弾け、キラキラと火花を散らした後、ゆっくりとアンバーウッディな残り香へと導かれていきます。ムエットではそれほどグリーンやアロマティックなスパイスを感じなかったのですが、肌に乗せるとグリーンノートが効果的に使用されていたことがわかりました。セラミックの白さ、冷たさをメタリックな香りやアイリスで表現したのでしょう。メタリック過ぎず、冷たすぎず、それでも全体として白い陶磁器を思い起こさせるから不思議。全体が1つにまとまって香り、突出した香りはないのですが、最後はベチバーを主体としたウッディノートとなって消えていきます。とても繊細な調香で、最後は温かみをもった土に還るような、陶磁器製造の逆再生を見ているような香りです。(16/05/2018)


■Maitre Chausseur (2015年)

靴職人がテーマということで、レザーを使用し、ゴムや接着剤、コルク、布・・・様々なアトリエの要素を組み込んだようです。

 

 

ミドル:エレミ、フランキンセンス、シスタス、コリアンダー、カラムス、ジンジャー、ベルフラワー、オーキッド、コーヒー
ベース:ベチバー、サンダルウッド、レザー、アンバーグリス、バニラ

トップを配置しない調香ですが、実際にはコーヒーがトップで香っています。オリエンタルなのでトップのシトラスはなくとも良いと言えばそれまでなのですが、コーヒーの苦みが強すぎるなぁ・・・と感じていたら潮が引くように薄れてカラムスの効いたオリエンタルノートとなって落ち着きました。ちょっとトップのコーヒーが邪魔でしたが、持続せずに消えてしまいます。シトラスがトップにあったら劣化香にも思えていたかもしれません。でも、そこを排除したのがそう思わせないための工夫なのでしょう。肝心なレザーノートがあまり良くわからずに、薄っすらとしたオリエンタルムスクとなってしまう点が少し残念です。まだ最初の3作ですから、今後の展開に期待したいですよね。(24/05/2016)

■Maitre Couturier (2015年)

イメージしたのはスチームアイロン、窓から差し込む日差しとファブリックの香り・・・つまり、リネン系ですね。

 

 

トップ:オゾン、アルデヒドアコード
ミドル:ラベンダー、ヴァイオレット
ベース:ホワイトムスク、バーチウッド、ローレル、ガイヤックウッド

オゾンとアルデヒドはMaitre Joaillierのトップと同じですが、こちらはそこがとても控えめで、結構甘いパウダリーフローラルが軸となっています。ヴァイオレットよりアイリスに近いテイストで、ラベンダーがもう少し強い方が香りとしてはユニークだったかな、というところ。ホワイトムスクもかなり強く入っていますので、清潔感のあるムスクがお好きな方に良さそうです。真夏でも使えそうな甘さですよ。この中になんだかフレッシュだけど少しファッションフレグランスにありがちな残り香があるなぁ・・・と感じていたのですが、おそらくメンズのフレッシュフゼアに良く使われているジヒドロミルセノールだと思います。(24/05/2016)

■Maitre Joaillier (2015年)

硬いダイヤモンドを、カラフルな宝石をカットしていく宝飾職人をテーマとした香り。宝石の色にはあれば、フルーツのイメージはなかったのかノンシトラスでまとめられています。

 

 

トップ:アルデヒド、オゾンノート
ミドル:ヴァイオレットリーフ、フランキンセンス、バルサムファー
ベース:ベチバー、シダーウッド、ホワイトムスク

硬質な印象を与える香料の多くはメタリック感に通じるアルデヒドやオゾン系の香料だったりするのですが、こちらもそうした香料をトップに配置することで硬質感を出しています。このトップにシトラスノートがあったら比較的ありがちなファッションフレグランスになっていたかもしれません。でも、フローラルノートも強くはなくどちらかというとアロマティックな香りで、仄かなウッディノートが微かなバルサムノートと共にホワイトムスク包まれて香りというのが全体像です。トップがアルデヒドとオゾンだけのため、つけた瞬間の爽やかさがあまりなく、じわりじわりと香りだす感じで、ヴァイオレットリーフもフランキンセンスも決して強くはありません。清潔感を感じる、リネン系のほの甘いアルデヒドムスクです。オリエンタルノートが軽やかに香っていますので、季節を気にせず使えそうですよ。(23/05/2016)

 

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