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Vintage Parfum / ヴィンテージパルファム




 

いつ発売されたものなのか定かではない5種のセットです。ミニ香水ではなくて各30mlずつですのでパルファムなのだと思います。(フラゴナールのパルファムは軽めですし)どこをいくら調べても情報のないものがあったので、本国の方に問い合わせたところ、とても丁寧に教えて下さいました。オンラインで集めた発売年はことごとく間違っていたことにショックを感じましたが、やはり資料の残るオフィシャルが正しいということで、以下に記します。正しい年代までは特定出来なかったようですが、年代まではわかりました、とのことでした。普通に考えると、30年代と50年代の香りですから、50年代の香りが発売された際に過去の製品と組み合わせてセットにした、と考えられます。ということは50年代の製品なのでしょうか?いや、でもシールがわりと綺麗ですから1970年代くらいかもしれません・・・。どちらにしても、全ての製品が今のフラゴナールには全く感じられない古き良き香りたちであることは間違いないです。

1、Moment Vole (1929年)

パルファムとは思えない軽やかさを持った香りで少し表現のし辛い香りです。ジャスミン、ナルシス、ハニーサックルにイランイランが混じったような少しグリーン調のフローラルで、時間と共にアイリスが顔を出して柔らかなフローラルとなって肌に残ります。トップでは精油感が強く出ましたが、次第にパウダリーなムスクに包まれて消えていきます。タイトルとなっている「盗まれた時間」はこんなに穏やかで甘美だったのですね。

2、Jolly (1930年代)

これだけが英語のタイトルです。陽気で楽しいJollyはローズの香り一色で、ローズアブソリュートがメインに香ります。ローズアブソリュートにローズオットーも加わっているのか、少しローズオットー寄りのアブソリュートと言う雰囲気の香りです。本当はもっともっとDamascone-αの香りが強く出ていたのかもしれませんね。ハーバルなGeraniolにローズアブソリュートをどっさりと乗せた・・・という豪華でワイルドなバラの香り。ラストノートはムスクが少し香りだし、ワイルドさが薄れて柔らかに香ります。

3、Le Rendez-vous (1930年代)

これはフローラルアルデヒドです。No.5のヒットでアルデヒド文化が開花した時代だったのでしょう。アルデヒドはヘリオトロープとジャスミンに包まれてパウダリーにしっとりと香るのですが、シャネルほどベースが重くなく、ヴァンクリーフ&アーペルズのFirstほど軽やかではありません。ライトパウダリーなジャスミン調のフローラルアルデヒド。この中だと1番フローラルテイストが出ている香りですね。特にアルデヒドがなくなるとフローラルが前に出てきます。

4、Chale indien (1950年代)

インドのショールと名づけられたこの香りは唯一のオリエンタルで、ウッディノート、レジンノート(バルサム系)にバニラ、トンカビーンなどが重なっています。シダーウッドやサンダルウッドだけではなく少し香ばしい部分もあるのでラブダナムやベチバーもあるのかもしれません。甘く重いオリエンタルではなく、タイトル通りにふわっと肩の上に乗っているような柔らかさを持ったオリエンタルウッディです。ラストノートは全てがアンバーの中に包み込まれて香ります。というか、全体としてアンバーをイメージした雰囲気なのかもしれませんね。

5、5 (1950年代)

5だけだと分かり辛いのですが、正式には5 de Fragonardと呼ばれて居たりします。この香りは中身がなくなっていたのですが、雰囲気からするとシャネルのNo.5風です。ジャスミンにアルデヒドですから。オフィシャルからのメールにも、消費者が混同するから記載しない方が・・・とありました。模倣品と思われる香りを発売してしまい、慌てて廃番にした、という過去があったのかもしれませんね。

(14/07/2010)

 

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