他の香りは知らないけれど、この地中海の百合はすごい。

百合というともう少しパウダリーっぽいものや、ちょっと年齢の上がってしまう感じのものが多いように感じるのですが、これは比較的さっぱりとしていて、しっかり艶っぽいフローラルさが出ていて、ミドル以降のグリーンフローラルさもとても上品です。

これはボトルで欲しいと感じてみて、なぜこんなに好きな香りなのか調香を調べて理由がわかりました。トップからしっかり香ってたのはジンジャーリリーだったのです。まさしく、ショウガの花なんですよ。

このショウガの花というのは実家に沢山あって、夏の終わりの夜には辺り一面にいい香りが漂うくらいに芳香が強くて、ハワイなんかではレイにも使われるという花なんです。ショウガの花を今香ることはなかなかないけれど、小さい頃からとても好きだったから記憶に直結してたんですね、この香りが。切り花にするのは大きすぎてもっぱら外で香るだけだったのが残念でした。ミドルから出てくるちょっとした苦みもジンジャーとアンジェリカでしょう。逆にムスクとバニラはアクセントですから主張はほとんどありません。ラストノートというよりはミドルのまま消えていく感じです。 生花に一番近い香水と言えばこれ、というジンジャーリリー好きな方にとっての金字塔でしょう。

(08/08/2006)