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Sampleレヴュー

■Coeur de Safron (2020年)

11月発売ということで、発売に合わせてのレヴューとなりました。前回と違い、今回の香りは丸いキャップで、キャップの上部にサフランが描かれています。でもそれはプリントではなく金属で、メダルとなって付いているのです。彼は自動車メーカーの開発チームですから、塗装板金業者は身近なのでしょう。

 

 

トップ:ベルガモット、オレンジブロッサム
ミドル:サフラン、トルーバルサム
ベース:サフラン、サンダルウッド、ベンゾイン、アンバー、ムスク

香りはとてもフルーティーなサフランで始まります。オリエンタルな樹脂系サフランにフルーティーノートが重なり、サフランだけどレザーではないし、とてもユニセックスなまとまりで広がっていくのです。それも、少し可愛らしさを感じるほどのトップで、微かに感じられるのはアーモンドやピーチ系のフルーティーさで、それらをオリエンタルな要素がまとめているのですが、時間と共にアンバーグリスノートが強く前に出てくるようになり、アンバーグリスムスクとなって終わります。サフランにはいくつかの合成香料があり、とても本物そっくりだったりするのですが、中にはアレルゲン成分で微量しか使えないものもあります。サフランにはレザーを合わせるのが定番ですが、これは敢えてレザーを外すことでサフランの柔らかさを楽しむものになりました。(10/11/2020)


■Lune Noire (2020年)

月をテーマとしたタイトルはとても多くありますし、その神秘的な作用を香りにしたブランドもたくさんあります。それでも人々が作り出すというのは、それだけ月が人々を魅了するものなのだということですよね。

 

 

トップ:スターアニス、クレメンタイン、ラブダナム、ヒヤシンス
ミドル:チェリーブロッサム、アイリス、ガーデニア、ジャスミン
ベース:ベンゾイン、バニラ、レザー、トルーバルサム

トップにラブダナムが香るというのは、かなり強めに配合する必要があるのですが、トップからはそれほど香らず、微かに青いヒヤシンスがクマリン調のフローラルノートと共に香り始めます。チェリーブロッサムの香りにはアニスの香りも必要なため、アニスはチェリーブロッサムアコード(Mimosa + Rose + Coumarin)に含まれている感じです。そのフローラルノートたちは前に出て香ることはなく、ベースにあるアンバーオリエンタルな香りに包まれ、ゆっくりと香るのです。このベースノートはパチョリやムスクが感じられず、レザーも強くはなくトータルとしてベンゾインの効いたアンバーノートな印象です。ガルバナムとアイリスがもう少し主張していて、クラシカルなオリエンタルベースにシベットが少しあったらVol de Nuitを彷彿とさせるものになっていたかもしれません。そうすると、こちらはとてもモダンなスタイルに感じられるのです。ちょっと月というテーマが平凡過ぎたかな、とは思うものの月光ではなく黒い月ですので、新月のいわゆる見えない月から発せられたエネルギーが香りになったとしたら神秘的ですよね。

(17/08/2020)

 

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