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Sampleレヴュー

■1,2,3, Stella! (2019年)

彼女はいつもストーリーで楽しませてくれるのですが、今回テーマとしたのは「だるまさんが転んだ」のイタリア語です。誰もが知っているあの遊びは静止しなくてはならない。その静止が出来ずにバランスが崩れた時、最初に戻らなくてはならない。親の望まない人生を歩むとき、人とは少し違った性格が災いをして、悲しみに暮れる時、いつだってリセットできるじゃないか、と希望を見出してくれるのがこの遊びなんですね。凄い解釈です。

そよ風が潮の香りとジャスミンを運んでくる夏の夜、広場に座っていた男女が無邪気に遊ぶ子どもたちをを見ていた。それぞれ心に傷を負った男女は、「だるまさんが転んだ」をしていた子どもたちを見て、ゲームでは勝つことも負けることも出来るけど、人生は自分のルールに従わなくては生きていけないと悟ったのです。

 

 

トップ:ジンジャー、グリーンマンダリン、ベルガモット、ソルティーノート
ミドル:ジャスミン、チュベローズ、イランイラン、ライラック
ベース:ムスク、サンダルウッド、パチョリ、アンバー、ビターココア、オークモス

子どもの頃、無邪気に遊んでいた子どもたちの風景を描いたような、マリンノートがフローラルノートと共にシャボン玉のように弾けます。でもそこに重なるのがなんとカカオなのです。チョコレートの甘さではなくカカオのスパイシーな部分が一瞬で消え、マリンムスクにジャスミンとモスが重なったような香りへと変化し、肌に馴染んでいきます。なんというか、とてもパラレルな調香で、マリンノートが強いのが特徴です。マリンノートとモスの組み合わせはリアルな海っぽさを、ジャスミン、チュベローズとサンダルウッドは無邪気なフローラルを、そこに大人の甘さを足したような香り。真夏の海辺で使ってみたいのですが、これはリゾート系ではありません。マリンリゾートを思い起こさせないところが良くある香りとは違うからなのです。(22/05/2019)


■Lattedoro (2018年)

ゴールデンミルクというグルマン系をGabriella Chieffoが調香。テーマは母性や子ども、友情などで、包み込むことで抱擁することで親密さを伝える、という香り。展示会では壁に3つの乳房をディスプレーし、強烈なインパクトを与えました。

 

 

トップ:ベルガモット、シナモン、ジンジャー、ナツメグ
ミドル:ラクトニックノート、アイリス、ジャスミン、ココナッツ
ベース:サンダルウッド、バニラ、レザー

ムエットで香った際は、ゴリゴリのグルマン、特にミルク系のバニラというグルマンに感じたのですが、肌ではまずシナモンがナツメグと共に弾け、スパイシーなミルクで始まります。香りはそこからアイリスやライスパウダーのような少し香ばしいパウダリーノートがココナッツやバニラミルクと重なり、個性的なグルマンへと変化していくのです。シナモンをたっぷり入れたミルクに砂糖を溶かし、そこに他のスパイスパウダーを入れて沸騰させた、スパイスミルクのような香りなのですが、もともとこの香りはインドで有名なゴールデンミルクをイメージして作られたのだそう。インドのゴールデンミルクはまさにそれで、牛乳にアーモンドミルク、シナモン、ターメリック、ジンジャーなどのスパイスとハチミツを加え温めて作るものなのだとか。チャイのミルクバージョンという感じですが、香りそのままに感じるので、かなりの再現力なのではないでしょうか。これが家庭の味で、体調が悪い時に母親が子供に作って飲ますそうです。だから母性にもつながっていくのですね。ココナッツと相性の良いサンダルウッドをベースに、美味しいだけではないグルマンへと姿を変えて落ち着きます。少しラストが甘すぎて単調なため、僕だったらスパイシーなウッディノートをベースに入れて、スパイシーさをスライドさせてつなげていたと思います。毎回世界観が独特で楽しませてくれるのですが、こうしたグルマンを打ち出してきたのは新鮮でした。(25/05/2018)


■Quasicielo (2017年)

雨の音・・・それは、全ての物事を結びつけることができるもの。風の音・・・それは祈り。海の音・・・自分の中にある音。それは嵐でもあり、胃を狂わせる。空の音・・・自分の内面にある音。

 

 

トップ:グリーンタンジェリン、レモン、ジンジャー
ミドル:ブラックペッパー、シナモン、カルダモン、ガルバナム
ベース:ミルラ、フランキンセンス、トンカビーン、アンバー、パチョリ、サンダルウッド

彼女の作り出すものは、いつも詩的で捉えるのが難しいものばかり。でも、だからこそ画像が用意されているのです。タイトルの意味は、「まるで空のように」という意味。雨、風、海、空という音でまとめられたエッセンスを、今度は香りに変換して表現した、というもので、スパイスたちの中から微かなマリンノートが感じられます。それはリゾート地の美しい海ではなく、どこか海藻を思わせるモスっぽい海の香り。透明感なんてどこにもなく、スパイスがオリエンタルノートに重なり、深い海の底に沈んでいくかのよう。空とは正反対ですが、4つのキーワードがそれぞれ感じられる不思議でアーティスティックな香りです。音・・・そう、メロディーとか和音という言葉がしっくりくる香りなんですね。(20/09/2017)


■Taersia (2016年)

思いがけなく好きな人に出会ったときの興奮を、微かな狂気をもはらんだ「心の嵐」という言葉で表現したもの。画像のように抱き合う男女の様子を、女性の身体をチュベローズで、それを取り巻くレジン系で男性を表現したそう。調香はLuca Maffeiです。

 

 

トップ:ベルガモット、エレミ、ジンジャー
ミドル:チュベローズ、フランキンセンス、ミルラ、コーヒー
ベース:パチョリ、カシミアウッド、カブリューバ、ホワイトアンバー、ムスク

展示会で、香りの説明を受けた際、理解が早すぎて「あなたに説明は必要ないわね」と言われてしまった香りです。テーマが明確だと受け手としても理解がスムーズだったということ。この香りはしっかりとチュベローズを軸にすえた香りでありながら、トップでは爽やかなベルガモットと共にジンジャーが、ミドル以降ではその中からコーヒーが苦みを伴って登場する、という少し個性的なチュベローズとなっています。チュベローズならば美しいブーケにまとめたいところですが、そのベースに少し変化を付ける要素を入れているのが特徴です。ただ、チュベローズは軸としてぶれることなく香り続け、ベースのパチョリやウッディノートは強く前には出てきませんので、オリエンタルへと変化していくわけではありません。フランキンセンスが少しアロマティックに香っているのが特徴でしょう。(28/10/2016)


■MAISiA (2016年)

今回は少し過激なテーマを掲げてきました。イメージしたのは現代の魔女で、身体に残された汗と血で愛の儀式を行い、自身が燃えあがり不死鳥のように蘇る、というもの。今回もまたLuca Maffeiによる調香です。

 

 

トップ:ベルガモット、レモン、フィグリーフ、フェアリーノート
ミドル:フィグ、エニシダ、ナルシス、イランイラン
ベース:サンダルウッド、ガイヤックウッド、アッシュ、ムスク、ブラックアンバー

香りの軸はフィグです。テーマがテーマなだけにどれだけドロドロとしたものなのかと想像すると、案外あっさりとしていて驚いたのですが、フィグリーフをメインとしたグリーンフローラルが少しガーデニアのニュアンスをともなって香ります。香りは次第にゆっくりとフィグ系のフローラルへと変化していくのですが、知恵の実であるフィグを魔女に合わせたというのがユニークですよね。ベースはフィグと言えば・・・というほど相性の良いサンダルウッドがムスクと共に残るだけで、オリエンタルへと変化していくわけでありません。これも一つのフィグの形、といったところ。(28/04/2016)


■Acquasala (2015年)

3月の展示会でお披露目となった香りで、タイトルはアクアホールの意味。調香はLuca Maffeiが担当です。水の中というのは、進化の最初の過程なわけで、人間も海に入ると自然とリラックスが出来るもの。涙と同じ塩辛い水は、生命の源だという考えから作られたもの。

 

 

トップ:ネロリ、エレミ、キャラウェイ、ブラックペッパー、ナツメグ、シーウィード
ミドル:ミルラ、フランキンセンス、アイリス
ベース:パチョリ、オークモス、ムスク、カシュメラン、アンブロックス

系統としてはマリンノートに分類される香りではあるのですが、トップのアプローチがスパイスがありながらもゆっくりスムーズで、パッと弾けるほどのパワーがありません。急流ではなく、ゆっくりと流れる静かな川という感じです。マリンノートもツンツンと刺激的なほどの透明感だったり、金属的なものではなくどこかヨウ素のような成分を感じるもので、今までにない香料の存在を感じるアクアノートですので、苦手な方の少ないタイプなのかもしれません。ミドルのミルラやフランキンセンスは香りの軸ではなく、ベースノートもあまり響いてきませんので、基本は全てがクリアなマリンノートのアクセントです。リゾート地がぴったりですよね。最後はカシュメランという合成香料を使用したダストっぽいウッディムスクが肌に残ります。(15/12/2015)


■Camaheu (2014年)

カメオを意味する古いフランス語がタイトルとなっています。貝殻を使用したシェルカメオは、彼女の生まれ育ったナポリ近郊の特産品ですから、馴染みのあるものだったのでしょう。

 

 

トップ:ベルガモット、グレープフルーツ、アイビーリーフ
ミドル:ジャスミン、ローズ
ベース:バニラ、アンバー、オークモス

かなりグリーンの強いフローラルで、グリーンノートの中に少し土臭さが含まれています。フローラルブーケとしては決して美しいものではないのですが、このグリーンノートが持続をしていて、香りのキーノートとなっています。キリリとした清々しいタイプのグリーンというよりは少し湿気たような芝生っぽいグリーン香で、上記の画像のようなピンクの花々のイメージは全く感じられません。とてもユニセックスなグリーンフローラルで可愛らしいというよりもクールな印象で、最後は肌にオークモスが残ります。(14/10/2014)


■Hystera (2014年)

子宮という意味のタイトルです。相反するものが溶け合って全く別のものになる、生まれる・・・と。

 

 

トップ:ベルガモット、クラリセージ
ミドル:アイリス
ベース:バニラ、パチョリ、ラブダナム、カシミアウッド

パッと香るとなんとも顔をしかめてしまう香りです。それは、ハーブとバニラが重なっているから。クラリセージをドルチェに使用することはあまりないと思うのですが、パウダリーなバニラの中にスパイシーにも感じられるほどクラリセージがどっしりと居座っているのです。クラリセージがなかったらそれはそれで普通に良い香りだったのではないか、とも思えるのですが、笑ってしまうほどミスマッチでそれがとても楽しいのです。グリーンノートはおそらくスティラリルアセテートを、ベースにはレザーノートのイソブチルキノリンを使用しているのだと思いますが、これらが持続をしてオリエンタルノートに重なっていくのです。ハーブとバニラという一見奇妙な組み合わせは、テーマである相反するものを混ぜてみたという実験的な部分なのかもしれませんね。クラリセージがひと段落するとラブダナム調のオリエンタルノートへと変化して消えていきます。(14/10/2014)


■Lye (2014年)

天使の姿が美しいビジュアルで表現されているのは、祖母のランドリーのイメージ。そう、洗剤です。タイトルのLyeは灰汁の意味で、昔は洗剤として使用されていたのだとか。

 

 

トップ:ベルガモット、レモン
ミドル:アイリス、フランキンセンス
ベース:バニラ、パチョリ、オポポナックス、レザー

洗剤というとクリーンなアルデヒドやムスク、フローラルだとスズラン系を想像してしまうのですが、こちらはバニラの香るほの甘いオリエンタル香としてまとめられています。アイリスだというほどパウダリーでもなく、フランキンセンスだというほど強く主張している香りでもありません。レザーでもなくシプレでもない。全てが微かなニュアンスで交じり合い、1つの布となって肌を温めているような香り方をしています。大きなインパクトはありませんが、仄かな香りや、そっと静かに香っている雰囲気がお好きな方に良さそうです。(13/10/2014)



■Ragu (2014年)

ラグーとはラグーソースのラグーのこと? とお聞きしてみたらその通りだとの答えが。彼女はナポリ出身。ラグーソースと言えばボロネーゼ。いわゆる煮込みのミートソースですが、ナポリ風のものもあり、日曜日の朝というのはラグーソースを作るのが定番だとか。じっくりと煮込むので週末しか時間がないわけです。窓を開けて空気を入れ替えると、部屋中にラグーソースが漂う。そんな家族の時間を香りとして表現したもの。

 

 

トップ:オレンジ、ベルガモット、ピンクペッパー
ミドル:ブラックペッパー、ナツメグ、クローヴ、エレミ、カルダモン、サフラン
ベース:レザー、シダーウッド、カシミアウッド、パチョリ、シプリオール、ムスク

それはもう、びっくりするほどスパイシーな香りで始まります。ラグーソースそのものではトマトの香りがたっぷり・・・になってしまいますが、こちらはスパイスをメインにそれらがウッディノートと共に香っています。とにかく、今までにないほどスパイシー。でもドライすぎるわけではなくメンズになっているわけでもなく、少しアロマティックにも感じるスパイシーウッディとしてまとめられています。レザーはあまりレザーらしくはなく、ウッディノートを柔らかくしているニュアンスで使用されていますので、トップのスパイスにびっくりされるかもしれませんが、女性でも使えるスパイシーウッディですよ。(13/10/2014)

 

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