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Sampleレヴュー

 

■Canto Libero (2023年)

草原に寝そべり、肌を撫でる風を感じながら朝の香りを楽しむ。朝日に響く自由の歌。そう、タイトルは自由の歌。草原で見上げた朝日が上る広大な空間に自由を感じたのでしょう。ハシシは幻覚作用のある大麻製品のこと。

トップ:ビターオレンジ、カットグラス、パイナップルリーフ、ローマンカモミール
ミドル:カルダモン、クミン、ハシシ、ジュニパーベリー
ベース:ウイスキー、アトラスシダーウッド、サンダルウッド、エレミ、アンバー

ムエットでは結構グリーンノートが強かったのですが、肌ではクミンがパイナップルと共に広がりました。それでも男性的なクミンではなくアロマティックなハーブとフルーツに重なる心地良いアクセントとしてのクミンで、香っているうちにハッと気づきました。これはHomoelegansのSong For a Rising Sunであることに。オリジナルに感じた干し草調のクマリンココナッツな部分は少し控えめとなり、双子の兄弟のようなそっくりテイストで終わります。わずかにマイナーチェンジしたのか、とても好転して感じられます。(02/08/2023)

 

 

■Ikigai (2021年)

生き甲斐って何かと問われたら、人それぞれが持っている大切にしている人生の張り合い、生きる価値を感じるものだと答えると思いますが、充実した人生を送るための概念が、ヨーロッパで広く知られるようになってきたそうです。そして、2016年にはスペイン人が生き甲斐をテーマとした書籍を発売し、それが各国で翻訳されていたことを知りました。ラベルにはイチョウがデザインされています。

トップ:ライム、カルダモン、クミン、ナツメグ
ミドル:イチョウ、ローズマリー、ゼラニウム、マスティック、エレミ、フランキンセンス
ベース:シダーウッド、ファーバルサム、ベチバー、サンダルウッド、ムスク

トップにカルダモンとクミンがあるならば、スパイシーで少しユニークなアロマティックウッディかな、と肌に乗せると、香りの軸はフランキンセンスにありました。マスティックはギリシアなどで取れる樹脂ですっきりとしたクセの少ないアロマティックなフランキンセンス調の香りだし、エレミはペッパーとレモンにフランキンセンスを足したニュアンスのため、フランキンセンスと共にそれらしさが強く前に出て広がったのです。そこにアクセントとして配されたカルダモンとクミンは強すぎて個性的になりすぎることなく、全体としてスパイシーアロマティックなフランキンセンスとなっていて、ウッディムスクに落ち着くあたりが教会から神社仏閣につながっていくようなスタイルです。(13/12/2022)


■Shibumi (2021年)

渋味とラベルに書かれた日本をテーマとした香りの1つ。谷中を歩いていた時に感じた日常の中の美しさを表現したもの。花のように開花する詩の世界。ラベルにはガーデニアがデザインされています。

トップ:イエローマンダリン、ピンクグレープフルーツ、アジアンペア、プラム
ミドル:フリージア、ピオニー、マグノリア、ガーデニア
ベース:抹茶、バンブー、プレシャスウッド、サンダルウッド

ガーデニアのシングルノートとしてまとめられた香りではなく、ガーデニア調のラクトニックなフローラルとしてまとめられたフルーティーフローラルで始まります。トップは随分可愛らしいフルーティーさですが、一瞬でガーデニアに切り替わり、静かに支えるベースのウッディノートを超えることなく広がっていきます。渋味という言葉本来の意味とは全く違う香りですが、そこはご愛敬ということで許してあげて〜。(13/12/2022)


■Nuvola d'Oriente (2021年)

見果てぬ夢。変色していく願い。黄金の炎は思いもよらない感覚に変化する。エキゾチックなメロディーに抱かれて、本能が目覚める。

トップ:ホワイトローズ、ピンクペッパー、シナモン、ラブダナム
ミドル:アイリス、ブロンドタバコ、カシュメラン、アンバー、ベンゾイン
ベース:バニラ、トンカビーン、ペルーバルサム、ムスク

ラブダナムにタバコやバルサムとなると想像にたやすいオリエンタルなのですが、ノンシトラスなこともあり、ゆっくりとした香りの展開です。トップではオリエンタルノートの中にどこか透明感を感じる合成香料を感じたのですが、しばらくでその部分は消えて、タバコとオリエンタルノートという愛称の良いアコードへと変化していきます。ハニーノートあり、バニラの甘さに樹脂の甘さ、シナモンのアクセントにパウダリーなクマリンとアイリス。フローラルノートは強くありませんが、好きな人には外れのないオリエンタルなのではないでしょうか。15、100mlのEdPが30、120ユーロという価格も嬉しい香り1本です。(12/12/2022)

 

 

■Soavemente (2019年)

音楽用語にもなっているイタリア語で、その意味は優しく、柔らかく、滑らかに。彼はブドウ畑が広がる丘に潮風が吹き抜ける春の日をイメージしたようです。エルダーフラワーはシロップにしてジュースにしたりもしますが、お酒の香りづけにも使われますので、そうした発想から組み込まれたのでしょう。

トップ:レモン、ベルガモット、カシス、キウイ、ピーチ、マリンノート
ミドル:エルダーフラワー、ジャスミン、オレンジブロッサム、ミント、タイム
ベース:シダーウッド、ガイヤックウッド、パチョリ、ムスク

ボックスの中で漏れていた香りなのですが、その部分はマリンノートが際立っていました。これはマリンノートのフレグランスなのだと肌に乗せると、今度はカラメルが香り、そこからフルーツとミントが現れたのです。美味しいフルーツではないですし、カラメル調のウッディベースにミントが重なる辺り、とても違和感を感じます。でも、この違和感は不思議なもので、2度3度と使うと全く違和感を感じなくなってしまうのです。決して美しい香りではなく、ユニークな部類です。(23/08/2019)


■Rosso Oscuro (2019年)

オスクーロとは言わばダークな意味あいで、タイトルはダークレッド。そう真っ赤なフルーツをテーマとした香りなのです。

トップ:森のフルーツ、ブラックベリー、ピンクペッパー
ミドル:ダヴァナ、ウォルナッツ、ローズリキュール
ベース:バーチ、パチョリ、ガイヤックウッド、オークモス、ムスク

これは斬新。なんとベリー系のレッドフルーツが燃えているのです。スモーキーなバーチにスパイシーでスモーキーなガイヤックウッド、そしてパチョリというダークなコンビネーションにローズとベリーが重なっているのです。可愛らしくはなくとてもカッコいい系のフルーティーローズで、スモーキーさが薄れると、シプレウッディのベースが前に出てきて、さらにカッコよくなっていきます。(23/08/2019)


■Dolce Far Niente (2019年)

「何もしないことの喜び」という意味のイタリアのことわざがタイトルとなりました。日々の詰め込みスケジュールを全て白紙にし、何もしない一日が過ごせますか? それはとてもスイートな時間だよ、ということです。そう、リラクゼーションなのです。

トップ:レモン、サフラン、オレンジキャンディー、オーキッド
ミドル:イランイラン、オレンジブロッサム、ジャスミン
ベース:バニラ、ミルラ、アンブロキサン、プレシャスウッド、カシミアウッド

オフィシャルではグルマン風とあったため、グルマンだと思って香ると結構なオリエンタルで始まりました。これは決して美味しいタイプではないぞ、と思っていたら、時間と共にどんどんハニーとバニラが強くなり、こってりと肌の上で溶け始めました。香りとして感じられるのはサフラン、フローラルノートとアンバーウッディノートで、それらがハニーバニラに包まれているというのが全体像です。どの国も、人々は甘い香りに癒されるのだということですね。(22/08/2019)


■Dancing On My Own (2019年)

心の奥底に意識を集中する、本当の自分を見つめる時間。魂は自分のリズムで踊りだす、鼓動をダンスと捉えた香り。

トップ:スイートオレンジ、マンダリン、コリアンダー、ルバーブ
ミドル:マリファナアコード、ダヴァナ、マグノリア、オールスパイス
ベース:パチョリ、スティラックス、フランキンセンス、オポポナックス、ラブダナム

鼓動のリズムを表現するとしたら、きっと赤を感じさせるエッセンスが入ってくるものだと思うのですが、この香りはラブダナムで始まります。それもダークなラブダナムではなく、酸味の効いたレジン系の香りにパチョリが重なり、さらにそこにスパイスたちがアロマティックな彩を添えているのです。鼻に抜ける湿布のような香りがマリファナなのだろうと香っていると、ゆっくりとオリエンタルなフランキンセンスへと変化し、昇天するようにラストを迎えます。(22/08/2019)

 

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