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Sampleレヴュー
■Gucci Nobile (1988年)

Gucci No.3のペアフレグランスとして発売された香りで、ボトルもペアというか似たつくりになっています。まだこの頃はグッチの香水が安価なファッションフレグランスの代名詞になる前のもので、ターゲットも今ほど若くなかったような気がします。

トップ:ローズマリー、ラベンダー、タラゴン、ナツメグ、ベルガモット、レモン
ミドル:シクラメン、カーネーション、グリーンノート、ファーバルサム、ジャスミン、ローズ、ゼラニウム
ベース:サンダルウッド、トンカビーン、アンバー、パチョリ、ムスク、オークモス、ベチバー、シダーウッド

香りはもう典型的なクラシカルなメンズのフゼアトニック香です。フゼアなトニック香なのですが、とても軽やかにしているのが特徴と言えば特徴なのかなぁ。ローズマリー、ラベンダーとシトラスにゼラニウムとオークモス、トンカビーンが重なり、そこにアンバーが加わったことで男性の中でも30代後半とか40代(ロマンスグレー系)の方に似合いそうな香りとなっています。クラシカルすぎるということはなくて、トニック的フゼアな部分よりもラベンダーが残るところや、コロン並みに軽いというところに使いやすさを感じますね。グッチの香りはあまり大人が使わなくなったのか、大人向きの香りは全て廃番となってしまったのが残念です。(05/07/2010)


■Rush 2 (2001年)

Rushのスマッシュヒットを受けてつくられた2作目で、調香は売れ筋系が得意なMichel Almairacが担当。

トップ:ローズ、フリージア、スズラン
ミドル:ガーデニア、ナルシス、リリー
ベース:ムスク、オークモス、ブラックカラント

肌の上で強く主張して残る元祖のRushと比べてすっきりさっぱりとした香りで大ヒットしました。香りはケミカルノートが強くてツンとしたスズラン系のフローラルノートがムスクと重なっていきます。ムスクも結構強く入っていて、ミドル以降はどっしりと香り出しますよ。ですからミドルからは石鹸香に包まれたフローラル・・・という雰囲気となります。ただ、どうしても気になる洗剤っぽいケミカル感・・・。これはアルデヒドとムスクの組み合わせなのか、少しクセが出ています。天然香料っぽさがあまり感じられないからか、ひとつひとつの調香のフローラルはスズランとムスク以外全くわかりません・・・。わからないというよりもムスクに包まれてしまっていてはっきりわかりらないという感じで、今思うとこんなムスクが強かったんだ・・・と改めて感じさせられます。廃番となってしまいましたが、とても可愛らしくてヒットした香りということで日本の1つの時代を象徴する香りだったと言えそうです。ムスクが強いということで、石鹸のような残り香を求めた若い世代にヒットしたのではないでしょうか。(18/08/2009)


■Accenti (1995年)

アクセントという意味合いのイタリア語をタイトルとした香りで調香はDominique Ropionが担当です。すでに廃番となってしまっている香り。

ジャスミン、ローズ、スズラン、タンジェリン、バニラ、トンカビーン、ピーチ、ラズベリー、サンダルウッド

香りはまさにこの時代を象徴するもの。バブル全盛期にヒットしたトレゾアのようなアプリコット、ピーチ系の香りをオリエンタルにまとめた香りです。まさにバブル期の流行を引きずったという感じで、2000年辺りのトロピカルフルーツの流行へと繋がる香りです。この頃の香りはピーチ系の甘いフルーツながらどこかまだ渋さが残っており、モダンクラシカルと言える香水らしさを漂わせていたのが特徴です。以降は良くも悪くも「香水らしさ」を感じさせない自然派なものが流行となっていきます。調香だけを見るととても可愛らしいフルーティフローラルではあるのですが、どこかベースにオークモスやパチョリが潜んでいそうな、そんな大人っぷりを感じさせてくれる香りです。(18/08/2009)


■Gucci by Gucci (2007年)

グッチの85周年を祝ってシグネイチャーフレグランスが発売されました。日本では今月ですが、海外では昨年秋の発売でした。タイトルもそのままグッチ。香りはソウルフルシプレ(フルーティーシプレ)だそうで、ボトルは少しクラシカルテイストでターゲット層を引き上げた印象です。David Lynchをイメージフィルムの監督に起用した辺りにも力の入れ具合を感じますよね。ボトルネックにはグッチのデザインではよく使われているhorse bitをかたどったチャームが付いているのですが、これを付けたのはクリエイティブディレクターのFrida Gianniniだそうです・・・。調香はFirmenich社のIlias Ermenidis

トップ:グアヴァアコード、ペア、カモミール
ミドル:スズラン、タヒチアンティアラフラワー、オレンジブロッサム
ベース:パチョリ、ムスク、ハニー

シプレがどれくらい出ているのかどうかがキーポイントで、それが出ていなかったらオリエンタルフルーティーフローラルに埋もれると感じていました。実際に肌に乗せてみるとクラシカル回帰なのが理解出来ます。思いっきりパチョリの強いものではありませんが、しっかりとパチョリが主張しています。トップは一瞬フルーツが香りますが、タヒチアンティアラフラワーの持つガーデニアっぽい香りにパチョリが絡んでいるのが核となっている香りかも。アンバー調にハニーノートとパチョリ、ティアラフラワーを加えたというのが分かり安いのかな。今までのグッチのラインの中では一番セクシーで大人の印象なのですが、決して使いにくい香りではありません。ゲランのランスタンを少しダークなイメージにした感じかも。というよりもラストノートはパチョリはどこへやらステラマッカートニーのような感じになるので使い安いですよ。

日本の現状としてグッチの香水を愛用している年代はティーンから20代がダントツですが、これはその上を狙った香りです。今まで、グッチの香りが可愛らしくて使いづらいと感じていた人には良いと思います。ようやくグッチらしい(ブランドに見合った)香りが出てきた気がします。個人的にはもっとパチョリが強くてどっしりとしていて欲しいのですが、そうするとマニア好みになりすぎますもんね。


■Gucci Pour Homme II (2006年)

カラーはアンバー色から一転、ブルーとなります。あまり甘さがなく、どちらかというとドライなスパイシーウッディなのかもしれませんが、この調香だと何故ブルーにしたのか気になります。空や海の青さを感じさせる香りではない気がしますし。前作よりは少しターゲットを下げた気もします。

トップ:ベルガモット、ヴァイオレットリーブス
ミドル:ピメント、ブラックティー、シナモン
ベース:オリーブウッド、タバコリーブス、ミルラ

トップからヴァイオレットリーブスの中の瓜っぽい香りが強く出ていて全体的にカジュアルですっきりとした香りです。メンズらしいメンズの香りで、タバコとウッディをベースに、アニスのような甘さとクセを混ぜ込みつつミドル以降は少し甘く香ります。シナモンも出ていますが、ペッパーやジンジャーのようなスパイシーさは見当たらないことと、アニスのような甘さがあることですっきりとしつつも柔らかな甘さを感じる香りになっています。とてもオーソドックスな香りなので目新しい感覚はしませんが、1本はあると重宝しそうな香りだと思います。


■Gucci Pour Homme (2003年)

2003年発売のグッチのメンズの香り。しっかりとしたメンズらしいメンズだった印象があるのですが、ボトルを持っていないので印象が曖昧でした。香りはウッディオリエンタルスパイシーで調香はMichel Almairacが担当。

トップ:ホワイトペッパー、ピンクベイ、ユンナンジンジャー
ミドル:パピルスウッド、アイリス
ベース:ベチバー、アンバー、ホワイトオリバナム、レザー

サンプルを付けた瞬間に香ったのはスパイスとオリバナム。あ、結構樹脂系の香りが強いのかもー。スパイスが効いているので一般的なメンズになっていますが、スパイスってトップであっという間に消えていきます。付けた瞬間に強く感じたオリバナムも、落ち着いてしまって弱くなったままミドルになります。ウッディとベチバーにやはりオリバナムだなぁ、印象としては。もっともっとコテコテにレザーっぽさがあるのかと思ったら、そうでもなくて。これは若い世代では似合わないだろうけど、オリバナムをお香っぽく感じていたら好きな人いるだろうなぁ。食わず嫌いのようなグッチですが、以外にこれは好きな香りでした。そう言えば2004年まではトムフォードがクリエイティブディレクターでしたもんね。

 

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