*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Chamade / シャマード


<香 調> グリーンフローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 7.5ml、30ml
<濃 度> P

トップ
ヒヤシンス、ガルバナム
ミドル
イランイラン、ローズ、ジャスミン、ブラックカラントバッド
ラスト
バニラ、ウッディ



1969年発売。4代目調香師ジャンポール・ゲランのレディース初香水です。ジャンポール・ゲランはミツコやシャリマー等100を超える香りを作り出してきたジャック・ゲランの孫で、幼少の頃から才能を祖父に見出されて、ムエットで香料テストなんかをしていたそうです。しかも、この香りを創った時点では競合他社の製品含めて3000種の香りを再現したりして覚えこんでいたようです。とにかく、香って記憶することの繰り返しだったんですね。 このシャマードは、フランス人作家のフランソワーズ・サガンのパリ社交界を舞台に、奔放に刹那的に生きるひとりの女性を描いた小説にインスパイアされて作られました。シャマードとはもともとナポレオン時代の軍隊が打ち鳴らした降伏を告げる太鼓の音のこと。恋をして、心臓がどきどきする時のその鼓動を「シャマードのハート」と呼ぶのだそうです。聞こえそうなくらいに鼓動が大きいからだって ! 女性からこの香りが放たれると、その香りを香った男性はトツゼン鼓動が高まり、頭に血が上るのだそうです。というか、そういうイメージで作られているんですねー。制作にも7年かけたそうですよ。 また、フルーティーでフレッシュな香りのブラックカラントバッドを香料として初めて使用した香水なのだそうです。Hedoine(ジャスミンに含まれている微量成分)を使った最初の香水としてディオールのオーソバージュが有名ですが、同時期にHedoineの商業許可を得る前にこの香りにも使用していたそうです。この2つがこの香りのキーノート。合成香料を使用するのは、天然香料を補うことが目的であって、代用ではないのだとジャンポール・ゲランは語っています。 次にボトルですが、これはデザイナーのレイモンド・ゲランがボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」にヒントを得て、創り出したボトルです。たまねぎっぽいのですが、貝殻なんですよ。もともとはハートを模してデザインしていたのですが、ハートよりも「ヴィーナスの誕生」の意味の方が強くて、ハートという可愛らしい観念は嫌っていたようです。そして、このボトルがレイモンド・ゲランの遺作となります。

 



付けた瞬間に突き刺すように香るガルバナムがふっと緩むと、そこから少しパウダリーで柔らかな香りが出てきます。グリーンフローラルにパウダリーノートとホワイトフローラルが重なる感じです。もう少しするとバニラが強く出てくるかなぁ。ゲランの中では、この時期のものにしてはわりとモダンな香りだと思います。アルデヒドとかシプレではないし。バニラにガルバナムという組み合わせに少しクラシックさを感じますが、それが逆にゲランらしさを出している気がします。グリーンさを少しだけ残しながら、パウダリーでほんのりと甘いフローラルへと変わって落ち着きます。シャマードのもともとの意味の「軍隊が打ち鳴らした降伏を告げる太鼓の音」という、悲壮感と新しい時代の幕開けという期待感を含めたその時代の空気感を香りにしていたなら、それはメンズっぽい香りになっていたのかもしれないです。

(12/12/2006)

グリーンフローラルにパウダリーな香りが加わってクラシカルにまとまる、というのはありそうでないと思っていたのに、ゲランにはあったんですよね。他にはMona di OrioのAmyitisなんかを思い出しますが、ゲランの方がクラシカルな佇まいです。香料の中だとあまりクラシカルさは感じないのですが、以前に試した時よりもシプレっぽい香りを感じ、ミドル以降はグリーンノートもひと段落してグリーンな欠片のフローラルが絨毯のような少し湿気た雰囲気となって香ります。パチョリではないのですが、グリーンシプレな雰囲気になるんですよ。7.5mlのボトルは小さくもとても可愛らしくて素敵です。

(15/01/2009)

模倣をしようとして判明です。このベースノートはベチバーです。ベチバーにローズとパウダリーノート、グリーンノートが重なっているというのが全体の核です。オークモスはないと思うのですが、パチョリが少しあるために以前は肌でシプレっぽく感じたのかもしれません。でも、ムエットではウッディノートが残ります。

(13/01/2011)

 

<Guerlain Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜