*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Samsara / サムサラ


<香 調> ウッディフロリエンタル
<仕 様> レディース
<容 量> 30ml、7.5ml
<濃 度> EDT、P

トップ
ベルガモット、レモン、タラゴン、グリーンノート
ミドル
ジャスミン、ナルシス、ローズ、イランイラン
ラスト
サンダルウッド、アイリス、トンカビーン、バニラ



1989年発売。輪廻転生を表すサンスクリット語のタイトルが紡ぎ出す香りは、サンダルウッドとジャスミンの香り。80年代後半は、海外旅行がステータスとなり、人々が世界各国に興味を抱き始めた時代。その中で、香料発祥の地である東南アジアにスポットをあて、「エキゾチックで好奇心をかきたてる香り」として作られたのがサムサラです。赤は仏教における聖なるカラーであり、サフラン色は僧侶の衣のカラーであり、幸運を記す色。ボトルデザインはなんとカンボジアの踊り手を模した古い偶像をモチーフにしたそうです。

ジャンポールゲランは香りを作る際に身近な女性に意見を聞き、捧げるために作り出しています。サムサラはデシア・ドゥ・ポウェルという女性だったそうで、彼女に尋ねたところサンダルウッドとジャスミンを使った香りが欲しいと言われたそうなのです。もともとサムサラを作る前に彼が決めていたテーマは重過ぎないエキゾチックな香りです。彼女は正式に発売される4年前からサムサラを使っていたのだそうです。彼女に捧げた香りを手直しして2年の月日をかけて調整したサムサラは結果として彼女に捧げたオリジナルに近いものとなっていたそうです。回りまわって元に戻ったという感じなのですね。彼女のためにひらめきで作り出した香りというだけあって、比較的調香はシンプルな様子です。

「神殿と神の香り」として創られたサムサラは、30パーセントものサンダルウッドを使用した香りです。サンダルウッドはヒンドゥー教における聖油です。付けた瞬間はオリエンタルなフローラルが広がりますが、トップが落ち着くとサンダルウッドとジャスミンがメインとなって広がり始めます。パルファムで試しているのですが、ゆっくりゆっくりと花開く感じです。花弁が1枚ずつ開くような緩やかなイメージで、ジャスミンが少し弱まってくるとサンダルウッドが前面に出てきます。このサンダルウッドはとってもクリーミーで肌触りの良いシルクのようです。スパイスが多くないからこれほどまでに柔らかいのでしょう。(パルファムのレヴューです)

 



EDTではやはり時間の流れが速く、トップからすぐにフローラルが落ち着いてオリエンタルで少しクリーミーな香りになっていきます。ものの5分でサンダルウッドも出てくるのですが、さすがにEDTだとサンダルウッドも軽やかに感じます。ベターっと貼り付く様に香っているのではなく、肌のすぐ上に薄いヴェールをかけているような少しふわふわとした感触を受けるのです。10分後に肌に残っているのはほぼジャスミンとサンダルウッド、バニラだけ。そこに少しニュアンスとして入っているのがイランイランとアイリスですね。全体の中でベースノートが占めている割合がかなり高い香りだと思います。サンダルウッドがお好きな方はまず試される香りだと思います。

(15/01/2009)

 

レヴューの元となっている手元にあるボトルたちは、PMFのGuerlainの年代特定法でチェックしてみると、1989年、1990年、1994年の3種であることがわかりました。その中で模倣レシピ用に・・・と手にしたのは1989年のもの。そう、この香りは1989年発売ですので、模倣レシピのお手本となったのはGuerlainの初回生産分のパルファムなのです。

こちらの香りはサンダルウッドとジャスミンがキーノートであることが有名ですが、ジャスミンアブソリュートに関しては2008年のIFRAの使用規制により、処方が変更となりました。ところが、オリジナルはやはりジャスミンアブソリュートを豪華に使用しないと完成しなかったのです。オリジナルの香りを香りながら、古き良き香り作りをお楽しみいただければと思います。

(28/07/2014)


Un Air De Samsara (1995年)

Jean-Paul Guerlainが手がけたサムサラのライトフレグランス。

トップ:ミント、ベルガモット
ミドル:ジャスミン、ナルシス、ローズ、イランイラン
ベース:サンダルウッド、アイリス、トンカビーン、バニラ

ベースノートはほぼサムサラのままなのですが、トップにミントとを、シトラスも量を増やしてグリーンフローラルのナルシスを加えた香りです。すでにサマーフレグランスですから廃番なのですが、すっきりと付けた瞬間から温かみのある中にもミントが香ります。ハーバフレスカとかミントフォーリアのようにさっぱりとしていせんが、十分にサムサラをライトに感じられます。というよりもサムサラのトワレはそこまで重くないですしね。メンズの香りと比較してしまうととてもフェミニンだということがわかりますが、これくらいだったら男性でも使えるかな、と思わせてくれる香りで、時間と共にフローラルがサンダルウッドと交じり合って柔らかく、優しく香ります。ミントの香りがひと段落するあたりで少し香りのニュアンスが変わります。ラストノートはやはりゲランらしいサンダルウッドが見え隠れしていますよ。

 


 

<Guerlain Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜