*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー

■Io (2011年)

私という意味のタイトルで、このシリーズの中では1番フェミニンな香り。

チュベローズ、ピンクペッパー、アイリス

全ての女性に捧げる母親の愛に包まれるような香り、ということでフェミニンなパウダリーフローラルです。チュベローズはアブソリュートではなくコンパウンドですので、ナチュラルなワイルドさは全く感じられない上に、探さないとチュベローズらしさを感じられないほどささやかな組み込みです。彼女自身がクリーミーなパウダリーノート(アーモンドミルクやヘリオトロープ、アイリス等)がお好きなようで、そういったスイートパウダリーノートの中にチュベローズを少し隠した、というのが全体像
。スパイスはピンクペッパーだけではなく、少し鼻腔をくすぐるマスタードのようなスパイシーさをも感じます。このシリーズの中では女性的な香りですが、ファッションフレグランスとは別のベクトルをもった変化球的な香りですよ。(25/10/2012)


■Bambolina (2011年)

小さな人形を意味するタイトル。6月半ばの土曜の午後、散歩をしていると突然の豪雨に見舞われました。走って見つけた雨宿りの場所は桜の木の下。その時、桜の葉がふわりと香り、彼女が子どもの頃、サクランボを摘んでいたときのことを思い出したそうです。

ベルガモット、レモン、チェリー、アプリコット、チェリーブロッサム、ムスク、ウォーターフルーツ

彼女はアーモンドが好きなのかもしれません。桜の花もサクランボも共にアーモンドの芳香成分をもっているのですが、そこがとても際立ったアーモンドフローラルとなっているのです。通常のアーモンドはミルキーな香りを重ねることで美味しい杏仁風となるのですが、この香りにはクリーミーな香りが底まで強くはないため、フローラルノートが勝っているのです。アーモンド特有のツンとした香りが過ぎ去ると、柔らかなフローラルノートとなって肌に残るのですが、日本人がイメージする桜よりもすっきりとしており、Coumarinのあの桜の葉のような香りは強くはありません。それでも全体的な柔らかさはとても日本人好みで、少し可愛らしさを残したGuerlainで言えばLovely Cherry Blossomというところ。(24/10/2012)


■Vagabondo (2011年)

2011年の12月に発売された新たなGli Invisibili collectionというシリーズの香り。目には見えない、見かけない、姿を見せない・・・というような意味のシリーズタイトルで、ヴァガボンドは放浪者、流浪の民のこと。香りの濃度は14%。

バーチ、ウォルナッツ、オーク、ポプラ、ローズ、フィグ

フィグ? ローズ? とそれらしさはほとんど感じないユニセックスなウッディノートが主体です。とても柔らかくてウッディらしいウッディノートになっており、バーチはタールでもリーフでもなくウッディノートなんですよね。ボディクリームにした方が良いのではないかと思うほど肌馴染みが良く、ムスクらしさは感じないものの肌と一体化して消えていきます。香り自体、軽いわけではないのですが重くなく、1枚薄い上着を羽織ったようなヴェールに包まれるような香り方をしています。どっしりとしたウッディノート、レジン系は苦手だけど、軽いウッディノートがお好きな方には良いのではないでしょうか。間もなくLacrimaとRosa d'Invernoという2つの香りが発売となるそうです。(23/10/2012)


■CiocoSpesizissIMO (2009年)

3つのチョコレートの香りを使った香りで、彼女の祖母の使っていたチョコレートリキュールが基だとか。そこにブラジリアンカカオとイタリアの象徴であるバジルを足した香りに。

スパイス、バジル、ホワイトッパー、チョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ウッディノート

2009年の12月、クリスマスを意識して作られた2つのスパイシーチョコレートが発売されたのですが、こちらはその中の片方でもう1つはローズとチョコレートのコンビネーションでした。スパイスとチョコのこの香りは、カカオアブソリュートを使用したものではなく、甘く美味しいチョコレートというよりもスパイシーでカッコいいチョコレートで始まります。どことなくアブソリュートっぽいダークなニュアンスを感じるのはやはりダークチョコレートをイメージしたものだからなのでしょうか。全体的にはきちんとグルマン系となっていて、甘く美味しい香りとなって落ち着きます。良質なグルマン系というところ。ボトルのラベルはCiocoSpezissIMOなのに、正式タイトルは上記という違いが気になります・・・。(22/10/2012)


■Conaffetto

Profumo_e_gusto_in_liberta?ラインの中では遊んでいないタイトルです。

オレンジブロッサム、アーモンド、シュガー

ボトルの液体は透明なのに、サンプルは驚くほどビビッドなオレンジ色で、オレンジブロッサムとアーモンドを軸とした香り。確かにシュガーアーモンドの甘さが柔らかく出てきますが、それよりもオレンジブロッサムの方が遥かに強く、前半はスイートなオレンジブロッサムを楽しめます。後半はオレンジブロッサムが薄れてシュガーアーモンドの甘い香りが肌に残るのですが、物凄くシンプルで、香料も3つしか使っていないのでは?と思えるほど。グルマン系というほど甘さは強くありませんので、さっぱりと使える香りですよ。(22/10/2012)


■Doolciiisssimo (2009年)

ミラノのレストランで見つけたドルチェにインスパイアされた香り。価格は100mlが175ドルと高価です。

バニラ、チェリータバコ、パチョリ

チェリータバコとはチェリーフレーバーのパイプタバコの香りのこと。パイプタバコっていろいろなフレーバー商品が発売されているんです。タバコ風味の中にハニーノート、ブラウンシュガー、干草、トンカビーンが香っているそうです。うーん、香りは甘くて美味しいチェリーというよりもパウダリーで少しスモーキーなアーモンドという印象です。強調する語尾「〜ssimo」(ピアニッシモとかフォルテッシモとかもそう)を付けて造語にしたタイトルなのですが、意味合い的には「とっても甘い」ということなんでしょうけど、トップではそこまでグルマン系な香りではないですよ。トンカビーン、バニラ、アイリスにアーモンドというのが前に出ていて、強い主張はありません。でも、じっくり香っているといろいろな要素を感じる・・・という香り。全体的にはとてもシンプルに感じるのですが、アーモンドを柔らかく包み込んだ香りと思えば良いのかも。スモーキーだというほどスモーキーでもないですし。175ドルの価値があるかというと微妙ですが、アーモンド香のクレープみたいな香りがお好きな方には良いのではないかと思います。チェリーを期待するとダメですけど。(11/09/2009)


■Bell'Antonio (2008年)

Teatro Olfattivo Di Parmaとして発売された5つの香りのうちの1つ。Teatro Olfattivo Di Parmaはグルマン系のシリーズで全てがテアトロ(劇場)と縁のあるものとなっています。

美しきアントニオ(イケメンのアントニオ)の香りの核となっているのはコーヒーとタバコです。イタリア人にとって欠く事の出来ないエスプレッソにダンディなタバコを組み合わせることで、劇場の主役を表現したのでしょうか。実際には父親(アントニオ)の香りの思い出なのだそうですが、劇場に父親と足を運んでいたのかもしれませんね。香りはコーヒーを核とするとどうしても劣化っぽい雰囲気になりそうなのですが、これはコーヒーが強すぎずに香料というよりも漂うような自然な雰囲気です。少し苦味を感じるコーヒーっぽい香りにタバコなのですが、ハーブやウッディノートも感じます。コーヒー系のオリエンタルな香りなのですが、ミュグレーのA*Menをもっともっと品良くした感じです。タバコの香りもニコチンというかタールのエッセンスっぽさを感じますが、決して強くはないのでコーヒーと交じり合って甘やかに香ります。ラストノートはオークのような香りになるので、系統的にはアニックグタールのSableとかルタンスのCheneの苦味にも似ています。(22/04/2009)

 

<Hilde Soliani Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜