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Sampleレヴュー

 

■Blask (2011年)

ポーランド語でブリリアントを意味するタイトルで、ビジュアルは上半身裸の若い男性と荒廃した台地、そして青空・・・。清々しさと荒々しさでしょうか?

ベイリーフ、レッドワイン、ウォルナッツ、フローラルノート、ウード

このブランド初のウードはどのようなものかと楽しみにしていたのですが、これはまた個性的な香りを打ち出してきましたね。付けた瞬間からグリーンノートがスパークし、その後からワインノート(という香料もあります)が香りだすのです。肌に馴染むまでの瞬間にくるくると表情を変えて驚きますが、そのアンバランスな組み合わせは調香師の挑戦というか遊び心なのではないかと感じます。5分ほどですっかり香りは落ち着いてフルーティーウッディな香りとなるのですが、ウードだと語るほどウードらしさは感じられず、またビジュアルのような男性的な側面も感じられません。かといって女性的なわけでもなくてユニセックスなウッディムスクとなっており、薄いヴェールのように肌に馴染んで消えていきます。個性的な配色のカラフルカーディガンと言ったところ。(16/05/2012)


■Bosque (2010年)

スペイン語でGroveを意味する新作が発売に。古代の神話の中の情景をモチーフとした香りで、

プリムローズ、ナルシスアブソリュート、バッファローグラス、ムスク、グレープフルーツ、ベチバー、サフラン

ビジュアルは裸で眠る男女で、それぞれが別の画像となっています。幸せそうに眠る姿をイメージしたのでしょう。香りはシーツやこういった裸のスキンムスクをイメージする際に良く使用される典型的な香りで軸はムスクです。グリーンノートもありますし、少しベチバーらしさも感じますから、香ばしいグリーンクリーミームスクといったところ。でも、この香りを調香を見て判断すると高価なナルシスアブソリュートがあるんですよね。それならば、入っているのかどうかもわからない程度の残念な使い方ではなく、もっと存在感を与えて欲しかったというのが本音です。高価な香料は、使ったことが素晴らしいのではなく、感じさせてくれるところにあるわけで。グリーンノートが消えるとタイのジャスミンライス風の少しナッツっぽいココナッツムスクに変わって消えていきます。(16/05/2012)


■Clemency (2009年)

温和を意味する柔らかな香りです。母親の腕の中だったり、しなやかな女性のシルエットをイメージしたそうで、ミルキーな優しくてほの甘い香りとしたそうです。

リンデンブロッサム、カシーアブソリュート、ミモザ、スパニッシュレザー、サンダルウッド、ミルク

もっともっとイメージではクリーミーで甘いものだと思っていたのですが、思いの他リンデンブロッサムが強く、パウダリーなリンデンブロッサムをソフトなレザーノートが包み込んだ優しい香りとなっています。フェミニンさは持っていますが、決して可愛らしい部類ではなく、始終シックで大人な佇まいで、グリーンノートとウッディノートのバランスが母親の芯の強さを感じさせてくれます。レザーノートがサンダルウッドとアイリスと共にとても柔らかく香りますから、メンズらしいメンズの香水が苦手だけど、レディースは使いづらい・・・という方に良さそうです。品のあるレザーの香り。(14/05/2012)


■Multiple Rouge (2008年)

気楽な心と相反する狂気をテーマとした最初の感情シリーズの1つ。自分を取り巻く世界、周囲をハッと忘れてしまう瞬間と、それを取り戻す瞬間。

シナモンバーク、フローズンオレンジノート、グリーンパイナップル、イモーテルアブソリュート、ベトナムコリアンダー、グリーンヴァイオレット、桃の種、オゾニックレッドベリー

狂気という言葉がひったりな美味しくないパイナップルで始まります。こういうグリーンパイナップル系の合成香料が存在するのですが、いまいち使い勝手が良くなく、使用するとしてもごくごく僅かに留まることが多いのですが、こちらの香りはそういった日の当たらない香料にスポットを当てたような香りになっています。キュウリのグリーン、アクアノート、コリアンダーに腐敗する寸前のパイナップルが重なり、とても個性的です。ベリーがあろうともレディースにはならず、かといって男性が好むような香りでもありません。売れる売れないを全く気にせずに調香師が遊んで作ったという雰囲気がひしひしと伝わるのですが、果たしてこれを「良い香り」と言えるかどうか・・・。(14/05/2012)


■Geste (2008年)

テーマは若い男性と恋をする成熟した女性。取りようにとっては若い愛人を捕まえたご婦人とも・・・。香料濃度はパルファム並みの25%。(その香り以外は20%です)

ソフトアンバー、ムスク、ソフトヴァイオレットペタル、ソフトファーレジン

香りはとても穏やかで柔らかなアンバームスクです。アンバーウッディかな? とも思ったのですが、典型的なアンバー香の方が強くてファーバルサムの香りはわからず、です。そこにパウダリーさがぐぐっと加わっているのですが、僕はそこまでヴァイオレットを感じません。アンバー半分、残りの半分をムスク3、ヴァイオレット2、レジン1くらいの割合で重ねたという印象です。こういう肌にしっとりと残るようなソフトな香りはツンと香らずトップから柔らかく香っているので日本人にも好まれそうです。ただ、香水に慣れてしまっている方には少しインパクトが少なくて物足りないかな、とも思いますが。ムスクがもう少し強くて肌にどっしりと残ってくれるとセクシーだったのになぁ、と思います。少しソフトすぎて物足りない、というのがサンプルでの感想です。(10/09/2009)


■Askew (2008年)

憤怒をテーマとした力強いメンズの香り。香料からしてレザーノートが強そうです。

バーチタール、グアテマラカルダモン、ソフトレザー、ジンジャー、グレープフルーツ、ベチバー、エジプシャンミモザ

付けた瞬間はあれ? と思うほど涼しげに感じたのですが、甘さが少ないレザーノートです。トップではレザー以外のスパイシーでドライな香りが広がりますがものの1分ほどで完全にレザーに切り替わります。グレープフルーツやジンジャー等のシトラススパイスにレザーが組み込まれたというのがぴったりですね。思ったよりも重くなく(力強くもなく)、比較的礼儀正しそうなレザーの香りです。カジュアルに使えるかというとカジュアルではない価格なのですが香り自体は普段使い出来ます。皮製品を本当に持っているような香りなのでレザージャケット等はぴったりなのかも。下の2種と比べると香りの持続は劣りますが、それでも8時間は香りますから凄いです。(26/01/2009)


■Eau Radieuse (2008年)

欲望をテーマとした香り。さっぱりとした青さを求めてサンプルを取り寄せてみたもの。

グリーンバナナ、マンダリンピール、フレッシュレモン、イタリアンフレッシュミント、ルバーブ、バンブーサップアコード

香りは思いっきりさっぱりとしていて、マンダリンピールが青さを伴って香ります。グリーンなバナナを期待していたのですが、これはメンズの濃いコロンという印象かもしれません。ミントは香りますけど。ミントの香り具合は微妙でとても好きなのですが、このシトラスであればこの価格の製品でなくとも・・・と思ってしまいます。ただ、オレンジを手で剥いた時のあの香りは抜群に再現されているので精油感たっぷりなのですが、「食べた?」と聞かれてしまうかもしれませんよね。ともすれば歯磨き粉っぽくなりがちなミントをとても良いバランスでシトラスと組み合わせた香りなのでシトラスミントがお好きな方にはばっちりだと思います。イメージ画像のように緩やかで優しい風に包まれるというよりも、プールの後の方が似合いそうです。ラストノートはアクアノートが強く残るので好き嫌いは別れるところですが、スポーツコロン風でありながら持続がかなり長いのがポイントです。6時間は香るかも。(23/01/2009)

なんとなんと手を2度も洗ったのに12時間マリンノートが続きました・・・。(26/01/2009)

女性の横顔から現在のしぶきのものへ画像を差し替えました。上記で、「優しい風に包まれるというよりも、プールの後の方が似合いそう」とコメントしたそのままの画像となりました。この画像ならばイメージぴったりだと思います。(14/05/2012)


■Skarb (2007年)

Christophe Laudamielが香りを手がけた最初の香りでタイトルのSkarbは、ポーランド語で「宝」を意味しています。この香りを作るに当たってChristophe Laudamielに伝えられたイメージは「男性の涙する姿」だったそうです。スラブ人の心の深さにインスパイアされたのだそうです。

ラヴィッジ、センシュアルムスク、大麦エキス、フランキンセンス、ミルラ、ローマンカモミール、アブサン(マートル、キャットシード、パチョリ、アイリス、プルーン、ウォータリーアコード)

付けた瞬間から香りがくるくると変わって面白いのですが、しばらくしてからの印象はアクアノートにハーブスパイスと香ばしい樹脂香が層になって香ります。すごく珍しい雰囲気でまとまっているというよりも「層」になっているように感じるんです。分裂しているというか馴染んでいないというか。ラヴィッジというのはセリ科のハーブなのでセリっぽい香り、そこにフランキンセンスとミルラ、アクアノートというのが印象かなぁ。ハーブというよりも野菜ですよ、野菜。調理していない野菜にフランキンセンスとミルラを加えた感じです。(ちょっと苦味があるし)このアクアノートは塩っぽさがあれば涙なのでしょうけど、きっと苦味で涙っぽさを表現したんだろうなぁ。付けて楽しいかというと微妙ですが、アーティスティックな感じを受けます。でも、うーん、どこかで香ったことがある感はするんですよ。パルファム並みの持続をしますが、最後はやはりアクアノートが強めに残ります。(23/01/2009)

イメージは「メランコリー」だったのだそうです。メランコリーというキーワードを端的に表現するものこそが、男性の涙だったのだと。是非、この香りを香られる場合は哀愁を感じるかどうかご確認を。(14/05/2012)

 

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