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Sampleレヴュー (Le Parfume Esotique)

2019年に発売された新たなシリーズLe Parfume Esotique。これは、ボードレールのParfum Exotiqueという詩をテーマとした香りです。ボードレールは情景を語感をフルに使って創造させるような詩を残していますが、これもその一つで、黒人とのハーフであった恋人ジャンヌの肌の香りから、南国の風景が思い出される、というもの。翻訳はこちらから。

AFMのMaurizio Cerizzaが手がけた3つの香りは、エキゾチックな香りではなく全てグルマンとなりました。でも、ただのグルマンではなく、エキゾチックなエッセンス、つまりウードが組み込まれているのです。100mlのEdPが190ユーロで発売に。(30/08/2019)

 




■Gourmand 1 (2019年)

3種の中では一番グルマンではないオリエンタルなウード。

ピスタチオ、サフラン、カラムス、カルダモン、ウード

確かに甘さもありますし、カルダモンやサフランのテイストも感じられるのですが、これはこれで1つのウードを形成しているようで、期待していたほどピスタチオはわかりませんでした。それでもウードの中に組み込む、しかもグルマンとして使用するというのは、シチリア島がピスタチオの産地であり、様々なスイーツに使用されているからなのでしょう。後半はとても穏やかなウードとなっていくのですが、アニマリックでレザーっぽい野獣系ではなく、3つの中では一番メンズっぽいニュアンスが感じられるウードとなって終わります。(30/08/2019)


■Gourmand 2 (2019年)

2つ目はなんと、イタリアらしいティラミスにウードが重なりました。本国のティラミスはリキュール感が強く、とても大人のテイストとなっています。

トップ:コーヒー、ビターカカオ
ミドル:ティラミス
ベース:パチョリ、アンバー、ウード

ムエットで試した時はリアルなティラミスらしさが香っていたのですが、肌ではまずパチョリの波が押し寄せます。パチョリとカカオを合わせたのはSerge LutensBorneo 1834であり、Van Cleef & ArpelsMoonlight Patchouliでもあり、Semll BentHungry Hungry Hippies!でもあるのですが、この香りはウードとを加えたバージョンで、その上カカオとコーヒーがティラミスっぽいニュアンスを添えているのです。基本的にはパチョリカカオでありながら、他のブランドとは少し違うテイストにひねり、イタリアらしさを感じさせてくれます。(30/08/2019)


■Gourmand 3 (2019年)

エキゾチックという詩の世界を一番打ち出した香りは、なんとイタリアのライスプディングの香りがウードに重なりました。

トップ:グレープフルーツ、フジりんご、ルバーブ
ミドル:ライスケーキ、ジンジャーリリー
ベース:ウード、ブラックティー

フルーツが一瞬軽やかに香り、グルマンさを忘れて始まるのですが、その中からすぐにお米の香りが飛び出しました。それはタイのジャスミンライスの香りよりももう少し軽やかで、フルーツの残り香にけん引されてオリエンタルなウードベースへと導かれます。お米の香りのイメージは、日本人からするとお米の炊き上がりのスチームの香りなわけですが、まさかそれがウードに重なっているなんて。それでも香りは次第にオリエンタルなアンバーウードへと変化していきますので、変化をそっと楽しむような香りです。お米がアクセントとなって香っていることなんて、誰も気づかないだろうけど、他人に伝わらなくても良いのですから。とてもユニークなまとまりです。(30/08/2019)

 

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