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Sampleレヴュー

 

■Majestic Oud (2014年)

壮大な、堂々としたウードとはいかに? このシリーズのBlack Amberという香りもトップにドライフィグとスパイスがあり、そちらも楽しそうです。

トップ:ドライフィグ、カルダモン、クローヴ
ミドル:ジャスミン、ローズアブソリュート
ベース:ムスク、ラブダナム、ガイヤックウッド、インドネシアンウード

タイトルに忠実というか、トップもミドルも押しのけて最初からベースノートが香ります。ラブダナム、ガイヤックウッド、ウードをムスクが包み込み、オリエンタルなアンバーウッディが広がるのですが、そうだよね、ジャスミンもローズもアブソリュートを使用してしまうと香りが沈んでしまって浮かび上がらないよね、と納得です。ミドル以降は少しナッツ様の香ばしさを感じたり、酸味の中にローズアブソリュートの欠片を感じたり、これ見よがしではない豪華な香りが広がるのですが、最後に肌に残るのはウードではなくキャラメルバニラウードなんですよね。(19/01/2017)


■Rosewood (2014年)

ローズウッドはそのほとんどがリナロールなわけで、決してローズではないし、ベースで香るようなものでもないのですが・・・という不思議なタイトルです。

トップ:センティフォリアローズアブソリュート、ゼラニウム
ミドル:マレーシアンウード
ベース:ムスク、ローズウッド

それでもやはりタイトルに忠実なのです。なんとトップから登場したのは紛れもないローズとゼラニウムのコンビで、それらがリナロールと共にパッと散るのです。うわぁ、フレッシュなローズだ・・・と感動していると、そこから次第に香りはウードへと舵を切るのです。こんなに明るいローズからゆっくりウードへ切り替わるなんて楽しいの一言。ローズ、ローズウッド、ウード、ムスクが香りの軸で、最後はウードムスクが肌に柔らかく残ります。決してワイルドではない肌馴染みのよい、軽めなフレッシュローズウードが好印象で、Tonka OudとMajestic Oudよりも明らかにムスクが強い、ソーピーなミドルを経て、最後はアンバーウッディムスクとなって消えていきます。この最後の最後、肌に残るアンバーグリスノートが近年の流行で、とにかく頻繁に使用されています。(19/01/2017)


■Tonka Oud (2014年)

トンカビーンのアブソリュートを本当に使用しているの? というところがポイントでしょう。

トップ:ゼラニウム、ローズドゥメイアブソリュート
ミドル:バレリアンルート、ベチバー、パチョリ
ベース:トンカビーンアブソリュート、カンボジアンウード

リミテッドエディション4種、いえ試した3種の中では一番豪華な香りです。それは、トップから精油感の強いゼラニウムとローズアブソリュートがこぼれるように広がるから。ウードとしながらもウードは強すぎず、結構な割合がトップに割り当てられており、時間と共にオリエンタルさを増すローズアブソリュートをしっかりと楽しむことが出来るのです。ゼラニウムも強く入っていることで、余計にローズアブソリュートが浮き上がるというか、精油感を持ち上げているような印象です。しばらく質の良いローズを楽しんだ後に登場するのはレザー調のウードです。トンカビーンは主成分のクマリンだけだとそれほどでもないのですが、アブソリュートになるとレザーっぽいスモーキーな香りとなるのですが、そこがウードと重なっているからなのでしょう。トップからラストまで豪華な仕上がりですので、400ポンドに相応しいのではないでしょうか。(19/01/2017)


■White Oud (2011年)

もともとウードブームに乗って様々なウードをリリースしたのですが、かなり整理されてもホワイト、ブラック、ローズが残りました。

トップ:コリアンダー、クミン
ミドル:ベチバー
ベース:ムスク、オークモス、ウード

ウードを白いイメージで作りなさいと言われたらどうしようと悩んでしまいます。もともとのウードがブラウンのイメージだし、ウッディノート自体がどちらかというと褐色系だから。でも、なるほど・・・という調香です。調香の通りに軸はベチバーにあり、精油だけではなく合成香料がメインのベチバーなのですが、トップではクミンがアクセントとなって香り、オークモスが渋くベチバーを支えているのです。全体として、とても柔らかで少しスモーキーなオリエンタルウッディ系ベチバーとなっていますので、ホワイト・・・とまではいかなくとも、優し気なベチバーウードには感じられるはず。特にラストノートはベチバー系の香り、Vetiveryl acetateが残り、全くウードではなくなってしまうのですが、甘さが少なくドライな点もホワイトに近づけた理由だと思います。(18/01/2017)


■Black Oud (2012年)

ラオスとカンボジアという二つの産地のものを入れたウードということに。ポイントは精油を本当に使用しているのかどうかですよね。

トップ:パチョリ、クローヴ、シトラスノート
ミドル:ラオスウード、カンボジアンウード
ベース:シベット

これは、ど直球なウードの香水です。でも、素晴らしいパワーを秘めた精油のウード香ではありませんね。微かに配合されている可能性もありますが、ほとんどは合成のウードで、シベットは強くなく、時折ローズっぽいニュアンスも感じられるほどダークでセクシーなウードとなっています。この上にさらにローズアブソリュートを重ねると豪華になるでしようね。精油のウードはもっとアニマリックで酸味が強いのですが、昨今、産地で精油を巡って殺人も起きてしまっていますので、精油ではなく合成で十分だと思って欲しいです。手軽に楽しめる、本格風ウードのフレグランス。(18/01/2017)


■Ginger Pear (2011年)

グルマン系以外でジンジャーをタイトルにする、というかメインに据えた香りはあまり多くはないような気がします。

トップ:ベルガモット、ペア
ミドル:ワイルドジンジャー、ルバーブ、フェンネル
ベース:サンダルウッド、ムスク

香りは、なるほどなぁ・・・というフレッシュなフルーティーフローラルムスクで、ジンジャーはどこにあるのか全くわかりません。それどころかペアもわからないほどで、ほぼ全て全体が合成香料のフレッシュノートで埋め尽くされているのです。少しアロマティックでメンズっぽいマリンにも感じられるそれは、香水には頻繁に使用されるフレッシュノートで、香り全体を明るくしてくれる役割があるのですが、これはタイトルを打ち消してしまうほどのオーバードーズ。確かに初心者には良さそうですが、これでなくともこういった香りはそこら中にあると思えてしまいます。悪くはないけど、個性はない香り。(17/01/2017)


■White Gardenia Petals (2011年)

このブランドが一躍有名になったのは、キャサリン妃がこの香りを愛用していると公言したから。リスタート時にもきちんと残されたわけです。

トップ:ベルガモット、カシス、リリー
ミドル:ガーデニア、イランイラン、ジャスミン
ベース:プレシャスウッド

この香りが彼女に支持されたのは、この香りがガーデニアではないからだと思います。生花っぽいガーデニアであれば、もっとグリーンでもっとこってりとココナッツが香るものなのですが、こちらはガーデニアとジャスミンを軸としたホワイトフローラルブーケであり、ココナッツではなくムスクで包み込んでいるのです。とてもあっさりとしたホワイトフローラルですから、日本と同じく雨の多いイギリスでは好まれるタイプなのでしょう。カシスの可愛らしいフルーティーさはほとんど感じられず、ウッディノートよりもジャスミンが強く香りますので、ウエディングにはぴったりな香りだと思います。(17/01/2017)


■Wild Tabacco (2011年)

紳士クラブの香りというのを表現したもの。イギリスには昔からたくさんのクラブが存在し、古いものでは1700年代から続いているというところも。wikiにリストがありますのでご興味のある方はこちらをどうぞ。紳士の社交場なんですね、こういうところが。奥さんの目を逃れてホッと一息ついて話に花を咲かせていたのでしょう。

トップ:クラリセージ、クローヴ
ミドル:タバコリーフ、ヴァージニアシダーウッド
ベース:カストリウム、ラブダナム、トンカビーン

プッシュした瞬間ナツメグが飛び出しました。瞬間でそれはふわっと消えて、リアルなまでのタバコの香りへと変化していきます。タバコというよりも葉巻ですよね。葉巻のフレーバーかと思うほど喉にひっかかる苦味があり、好きな方にはたまらない、でも苦手な方は近寄りたくないほどの嫌悪感を感じてしまう香りだと思います。カッコいいと思うのですが、タバコを吸っていないのに全身から禁煙者であると表現しているようなリスクの高さを感じてしまいます。トップの一瞬意外は香りがあまり大きく変化しませんので、長く葉巻のスモーキーな香りが続きます。(06/02/2014)

 

 

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