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Sampleレヴュー

■Gilded Lily (2010年)

金メッキした百合というタイトルですが、この花のテーマはなんと日本の山百合だそうです。ABCDシリーズのGで、「ユリに金メッキする」という言葉はシェークスピアのKing Johnに登場する台詞です。「(そのままですでに美しいものに)余計な装飾をしてしまうとかえって本来の良さがなくなる」という意味だそうです。山百合に手を加えて残念な山百合になってしまうという意味になってしまうんじゃないですか?

トップ:パイナップル、ルバーブ、グレープフルーツ、エレミ
ミドル:山百合
ベース:パチョリ、オークモス、ラブダナム

パイナップルと苦手な人の多いルバーブがポイントだと思っていたのですが、肌に乗せてみてびっくりです。山百合がどこにも見当たりません。フルーティーなシトラスシプレという感じで、強いて言えばスズラン調とかジャスミン調の部分があるのかな、という感じです。パイナップルもルバーブも強くはありませんよ。単一のホワイトフローラルは感じられず百合らしき部分は微塵もありません。でも、このシプレ感は日本的なのです。奥座敷というか畳みに正座してお茶をいただくような日本家屋が似合いそうなシプレになっていますので、百合を求める残念ですが、日本をこのように表現してくれるとちょっと嬉しい・・・と感じた香りです。(25/03/2011)


Field notes from Paris (2009年)

アルファベットをテーマに作られている6つ目の香りはもちろんFです。香りのテーマは彼女がパリのISIPCAの調香スクールで学んでいた1990年代のヴェルサイユ付近(スクールの付近)の街の雰囲気。だからボトルにはParisのMapが描かれています。(4区のマレ地区)

トップ:コリアンダー、オレンジブロッサム、ベルガモット
ミドル:タバコフラワー、タバコリーフ、パチョリ、シダーウッド
ベース:トンカビーン、レザー、ビーワックス、バニラ

パリのカフェで午後のお茶を・・・そんな感じの豊かな時間を表現しているようなのですが、香りはアパレル系のメンズにありそうなオリエンタルウッディです。うわぁ、ありがちな香り・・・というちょっとがっかりなトップノートを過ぎ去ると、あれよあれよとレザーノートがトンカビーンと共に現れて肌に馴染んでいきます。ウッディ系のレザーノートでしかも少しドライ気味なのです。バニラも香っているのに。これはレザーノートがお好きな方には良いのではないでしょうか。もうミドルからはレザーノート一色で、レザーノートの周りにいろいろな香りがわずかながらアクセントとして添えられている、という感じの香りになり、更にさこを過ぎるとアンバー系のウッディノートが残り消えていきます。トップノートはほぼメンズなのですが、ラストノートはユニセックスですね。全体的なトーンはやはり都会的でパリというよりもアメリカテイストです。(18/03/2010)


E「Evening Edged in Gold」


今回はEなのでタイトルはちゃんとEから始まっているわけですね。調香はもちろんご本人Ineke Ruhlandで、テーマは夜に咲く花。

トップ:プラム、ゴールドオスマンサス
ミドル:ダチュラ(エンジェルトランペット)、サフラン、シナモン
ベース:ミッドナイトキャンディー、ダークウッド、レザー

オスマンサスをフルーティーにするためにプラムを、そしてスパイスとレザーを加えた香りということは、少しスパイスティー系の香りになっているのかもしれないと思ったのですが、香りはフルーティーな金木犀系の香りがトップにちゃんとあってスパイスは強すぎません。トップのオスマンサスっぽさはどことなく昔懐かしい芳香剤系の香りにも感じますが、次第にレザーが出てきて大人の渋さを醸し出してきます。確かに甘さはあるもののキャンディーというほどのグルマン系ではなくてバニラの代わりに安定感を出しているというニュアンスです。少し間違えるとフルーティーフローラルになってしまいそうな香りなのですが、きちんとベースのレザーが出ているあたりにブランドらしさを感じます。特にラストノートは甘さも薄れてレザーだけが残りますから。このレザーっぽさはバーチウッドのタールを使用したスモーキーなレザーではなくて、合成香料のレザーっぽいのですが、レザー系の香りとして楽しむのであればエルメスのケリーカレーシュより僕は好きかも。 (28/07/2007)


■A 「After My Own Heart」

夜風に乗って香る、ライラックの香り。

トップ:ベルガモット、ラズベリー、クリスプグリーンリーフ
ミドル:ライラック
ベース:サンダルウッド、ヘリオトロープ、ムスク

とっても清々しいグリーンフローラルが広がります。クラシックさとか、精油の複雑さはなくて、比較的わかりやすい香り。でも、ミドル以降にパウダリーさが出てきて、グリーンフローラルに絡んでいきます。フルーツが多くなるとわりとありきたりな香りになりがちな雰囲気があるのですが、ラズベリーはほとんどわからないので、新しさを感じる香りになっています。これは日本人にぴったりですね。もっと可愛らしい香りを想像していたのですが、夜というよりも早春を感じさせてくれる香りです。メインはやはりライラックですから。 グリーン香がスパークしてひと段落するとライラックっぽいグリーンフローラルが広がるのですが、基本的には清々しいライラックです。 (28/07/2007)


■B「Balmy Days & Sundays」

芝生に寝そべってリラックスする日曜の午後。

トップ:フリージア、リーフグリーンズ、グラス
ミドル:ハニーサックル、ローズ、ミモザ
ベース:シプレノート、ムスク

これは思いっきりグリーンノート満載です。すっきりくっきりとしたグリーンですが突き刺すような青さをフローラルがうまくカバーしている感じの香りです。グリーンティーのような青さにシトラスを加えるのではなくて、フローラルを加えたという香りで、次第にムスクの効いたふんわりとしたグリーンフローラルになっていきます。シプレも少しだけ出ていますが、クラシカルさは全く感じません。青さを存分に楽しめる香りですね。楽しくなるくらいに青いです! (28/07/2007)


■C 「Chemical Bonding」

男性と女性の、人間と人間の、シトラスカクテルとパウダリームスクの相反する化学結合。

トップ:スムーズシトラスカクテル、ティー、ブラックベリー
ミドル:ピオニー
ベース:ベチバー、アンバー、パウダリームスク

基本はシトラスノートが強いのですが、パウダリーなシトラスって想像できますか ? というのがテーマな感じで、不思議な印象です。ただ、時間と共に温州みかんの香りが強くなり、甘さをもったみかんが広がります。ウッディも少しだけ出てきますが、パウダリームスクがやはり柔らかな印象をラストに印象付けてきます。それでもやはりカジュアルさをしっかり出しているあたりがこのブランドの特徴なのでしょうね。 (28/07/2007)


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