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Sampleレヴュー

■Fougair (2021年)

2021年の11月に公開された、フゼアをテーマとした香り。50年代に発売されていた香りへのオマージュで、調香は引き続きVeronique Nyberg。

 

 

トップ:ファーン、ベルガモット、ピンクペッパー
ミドル:ボックスウッド、アルテミジア、サイプレス
ベース:パチョリ、ファーバルサム、アンバー

2022年の展示会ではフゼア回帰の流れを感じたのですが、こちらの香りも何だかとても懐かしく感じられるフゼアでした。ラベンダーとゼラニウムにクマリンやパチョリが重なってフゼアアコードを成していくのですが、こちらはフゼアの部分をファーンアコードとし、そこにアロマティックなエッセンスを配することで肉付けした、というものです。ラベンダーは強すぎないし、ゼラニウムもそこまで強く香らないのに確かに全体のトーンはフゼアで、とてもファッションフレグランスに多くあったテイストなのです。こうした昔懐かしいフゼアは市民権がなくなってしまいましたが、昔も今もビジネススーツに合う正統派のメンズ香であり、消えてはならないカテゴリ。たまに使うとホッとする、そんなフゼアです。50、100mlのEdPが139、209ユーロで発売に。昨年は189ユーロだったので20ユーロの値上げです。(05/12/2022)


■Altruist (2017年)

2016年に発売されたEdTが2017年にはEdPとなって新発売。2017年のThe Art and Olfaction AwardsのIndependent CategoryでEdTは優勝となりました。EdTは、Paul DeFlorianというアーティストさんとのコラボで生まれた香りで、彼の絵画の色彩を香りで表現したものとなります。

 


My Mobile is on Vibrate But He Never Calls Me Back cPaul DeFlorian 2015

 

トップ:ベルガモット、レモン、アクオール、ジンジャー
ミドル:ローズ、オレンジブロッサムアブソリュート、ナツメグ、ブラックペッパー
ベース:シダーウッド、ベチバー、パチョリ、アンブラローム

香りはスパイシーなシトラスウッディが軸となっており、それほど個性的な香りではないのですが、時折ふっと香るマリンのアクセントが実に夏らしく、EdTでパシャパシャ使うクールダウン、リフレッシュ系の香りだと印象付けています。ウッディノートの特にベチバーの香ばしさはトップで感じられるのですが、持続することはなく軽やかなベースの中に溶け込んでいきます。ラブダナム調の香りのアンブロラームもそれとわかるほど香らず、全てが微かなアクアノートに彩られたウッディノートを支えている、という感じで、アクアノートのバランスが良いからか、あまりその部分に違和感を感じないのです。これ、アロマティックな部分がもう少し強かったら、Penhaligon'sのOpus 1870を彷彿とさせるものになっていたのかもしれません。 EdTとEdPは全く同じ調香で、濃度による調香の変化はありません。

当初のEdTは1,000本の限定品だったのですが、EdPの発売を機に定番化となりました。優勝したのですから限定品にするなんてもったいないですもんね。価格も当初と同じで200mlは175ユーロ。50mlのEdPは129ユーロです。(03/07/2017)


■Zeitgeist (2013年)

Time Spiritというタイトルの香りです。最初の3つの香りは復刻品でしたが、目まぐるしく変化している眠らない街ベルリンの今を表現したい、ということで生まれた香り。ベルリン市内には川が流れており、郊外には大きな湖もあるということで、マリンノートを使用したセクシーでフレッシュな香り、というものをテーマとしたそうです。

 

 

アンバー、ペルーバルサム、キャローン、シーウィードアブソリュート、ムスク、レザーウッド
(ラベンダー、スズラン、ヴァイオレットリーフ、フラワーアコード、アイリス、ウッディノート、アンバーエクストリーム、アンブリノール95、ネブロン、エデノライド、ガラクソリド、レザーベース)

昨年の展示会で香った際には、とにかくキャローンというマリンノートが弾け、それだけが記憶に残るマリンノートのフレッシュな香り・・・というだけの印象でした。しかし、肌に乗せてみてわかるのは、アンバーグリスノートが意外にも強いということ。そしてフローラルノートはカーネーション系の香りを使用しているということでした。ムスクも3種類を使用し、フレッシュなだけでは終わらないウッディムスキーなベースへと繋がって行くのです。メンズっぽくはないユニセックスなマリンフレグランスを探している方に良さそうですね。このブランドの香りの中では、唯一のサマーフレグランスかもしれません。5つ目の香りFetishもラブダナムが印象的なオリエンタルノートですから。(22/09/2015)



 

■Rausch (2012年)

タイトルはラッシュの意味で、狂乱の1920年代のベルリンと今のベルリンのナイトクラブを重ね合わせたイメージだそうです。

トップ:ピンクペッパー、インディアンサンダルウッド(LMR)
ミドル:シプリオール(LMR)、パチョリハート(LMR)、バニラCO2(LMR)
ベース:アンバー、ウード

肌に乗せて広がった瞬間に驚くほどアニマリックな香りがスパークします。ここはどこ? と思うほどウードがアニマリックに弾けた後、香りはスイートオリエンタルへとゆっくりと変化していきます。このアニマルノートはシベットでもなくアニマルムスクでもなく、またカストリウムでもありません。一瞬びっくりしてしまいましたが、そのアニマルノートは比較的早く馴染んで消えていきますので、全体を揺るがすほどではないのですが、ガツンと強い衝撃を与えるほどの個性であることは間違いありませんよね。ミドル以降はウードがお好きな方、特にアンバーウード系の香りがお好きであれば間違いなくお好みだろうというテイストなのではないでしょうか。持続は抜群ですが、甘さは時間と共に薄れますので、そこまで濃厚でどっしりとした香りではありません。(27/03/2013)


■Trance (1920年代/2013年)

タイトルはそのままトランスの意味で、1920年代に創設者の息子のMax Schwarzloseが手がけた香りだそうです。

トップ:トルコローズ、ローズアブソリュート(LMR)
ミドル:クリスタルペタル、スパイスパウダー
ベース:アブサン、シスタスアブソリュート(LMR)、ラブダナム(LMR)

プッシュした瞬間から美しいローズが開花します。天然香料だけではなく調合香料タイプのローズも使用しているはずなのですが、全体的にとても綺麗なローズですので、アブソリュートのワイルドさを求めると少し違って感じるでしょう。時間と共にパウダリーな香りに包まれ、石鹸のような柔らかさを感じるローズへと変化していきます。その後、ローズの奥に何かがある、という微かなクセを感じられるようになるのですが、その部分を追加したことでこの香りをユニセックスで使用出来るものとしたそうです。ローズが少し薄れ始めるとパウダリーなアンバーノートが広がりますので、女性が使うとフェミニンに、男性が使うと温和な感じになるのではないでしょうか。(27/03/2013)


■Treffpunkt 8 Uhr (1920年代/2012年)


タイトルは「午後8時のランデブー」で1920年代に作られた香りの復刻品で、オフィシャルサイトでは50年代のボトル(発売当時のオリジナルではないそうですが)を見ることが出来ます。

トップ:マンゴーフラワー、ジンジャー
ミドル:クラリセージ(LMR)、サフラン(ネイキッドレディー)
ベース:ベチバー (LMR)

夕暮れ後のランデブーには目に見えない香りで相手を呼び寄せる・・・そんな意味合いも込められているようで、相手を惹き付ける魅力と、個性を表現したものなのでしょう。なんと香りの軸はクラリセージなのです。マンゴーの甘い香りにスパイスとセージが重なり、更にサフランの少しオイリーな柔らかさを伴ってクリーミーアロマティックという少し珍しい調和へと変化します。その後のラストノートは微かなベチバーのウッディノートにムスクが重なり、やがてはヤクルトのような乳酸菌風の香りとなって肌に溶けて消えていくのですが、クラリセージをこんなにフェミニンに表現するのは珍しいことです。肌に残る少しクリーミーなムスクは、1A-33と似ていますので、共通のムスクを使用しているのかもしれませんね。持続も抜群で、パルファム並みに残ります。(26/03/2013)


■1A - 33 (1920年/2012年)

タイトルは古い車のナンバープレートから名づけられたようで、オフィシャルサイトではヴィンテージなボトルやポスターを見ることが出来ます。香りは当時のベルリン、ドルチェヴィータ(甘やかな日々)の雰囲気を閉じ込めた香りで、ベルリン西部のヴァーン湖やシュプレー川をイメージしたアクアティックノートに、ベルリン並木道として有名なリンデンブロッサムを軸とし、オリジナルの香りに使われていたサンバックジャスミンを合わせたもの。

トップ:マンダリン、ピンクペッパー(CO2)、しぶきのアコード、リンデンブロッサム
ミドル:サンバックジャスミン(LMR)、マグノリア
ベース:シダーウッド、アイリス

香りはアロマティックなシトラスフローラルがトップで弾け、リンデンブロッサムがまず花開きます。幾分グリーンで微かにパウダリーな香りをもったリンデンブロッサムが春の陽射しのように、軽やかながら温かさと柔らかさを感じさせたかと思うと、ゆっくりと香りはサンバックジャスミンへと変化していきます。このサンバックジャスミンがとても美しく、往年使われてきたダークなアブソリュートとは違う香りとなって現れるのです。香りの軸はリンデンブロッサムとサンバックジャスミンなのですが、当時よりも絶対綺麗な香りになっているはずです。アクアノートはあるかないか分からない程度のアクセントで、余計なフルーティーノートを全く感じないライトフローラルです。(26/03/2013)

 

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