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Inoui / インウイ

 

<香 調> シプレフローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 100ml
<濃 度> LDP、P

トップ
ローズ、オークモス・・・等
ミドル
ラスト



Nombre Noir と匹敵するほど人気のあった資生堂のインウイ。これもSerge Lutensプロデュースの作品でした。(リニューアル後のみ)インウイとはフランス語で「驚くべき、前代未聞の、並外れた」というような意味でフランス語発音では「イヌイ」となります。

1977年(昭和52年)発売のようです。その後、リニューアルを繰り返し、香水は廃番となりました。ルタンスのCMを覚えている方も多いのではないでしょうか。1981年〜85年にかけてのルタンスのCMはものすごく「耽美」でしたよね。

インウイは世界中の女性をリードする女性、新しい女性たちのために日本・アメリカ・イタリアの資生堂スタッフが共同で研究をすすめた国際商品だったのだそうです。テーマを「New Working Woman」とし、女性の生きかたそのものをコンセプトにしたのは当時としては新しかったんでしょうね。今でこそ新鮮さは感じませんが。発売に関しては世界を意識し、パッケージには資生堂の花椿マークがなく、「INOUI」というアウトオブ資生堂ブランドとしての展開を図っています。最近ではアジエンスが「花王」のマークをはずして発売したのと同じです。

1981年〜85年のオードパルファムのキャッチコピーは、
「風は光になりました。香りは粉になりました、インウイ」
「嘘を言ってははいけませんわたくしの目を見て、インウイ」
「女性の美しさは都市の一部です、インウイ」
「彼女には影の演出者がついています、インウイ」
「カガミの隅まで染めてしまいそう、インウイ」
「なにかに向かって燃えていますか、インウイ」
「人生は選択、インウイ」

商品に、幻想的なイメージを付加して商品価値、ブランド価値をアップさせていたようです。情熱的で女性であることを謳歌する感じがしますよね。

ボトルにはローション・ド・パルファムと記載されています。通常のオードパルファムとは違うの? ボトルもリニューアル後のものとか以前のものとかあるようですが、これはリニューアル後のもののようです。香りはリニューアルで変わってしまったようですが、シプレフローラルという点では同じようですよ。Nombre Noirと同じで香料の入手が不可能となり廃番となってしまったようです。

香りはそのままシプレフローラルで、Nombre Noir を彷彿させます。Nombre Noir からムスクを抜いていった感じです。トップからグリーンも香っていますので、シプレグリーンフローラルですか。これはいい香りだなぁ。資生堂の優しい香りは独特ですよね。現在でもふんわりとした香りを沢山出していますけど、これもしっかりシプレですがふんわりと優しく香ります。このイメージを海外版にしたらジャコモのサイレンスのように「濃厚」になっていくのでしょう。Lutensプロデュースということですが、彼はこれを下地にしてNombre Noir を作ったのではないかと思います。

(05/07/2006)

 

リニューアル後のパルファムを追記です。リニューアル前のグリーンシプレで、リニューアル後はローズシプレになっています。ルタンスがプロデュースしたのはリニューアル後で、リニューアル前のグリーンシプレは彼が関与していません。彼が関与をすることになったかせために、彼は自身の好きな香りにリニューアルをしたのでしょうか?
そして、それが下地となってNombre Noir が生まれたのではないでしょうか?
などと流れを考えてしまうほど方向性が似ています。ただ、ローション・ドゥ・パルファムとパルファムの香りは違っており、パルファムの方は付けた瞬間にフルーティーなローズが全面に出ています。Nombre Noirよりも遥かにムスクが薄く、ローズを強くして全体的にシンプルにシンプルにしていった・・・という印象なのですが、ローション・ドゥ・パルファムの方が肌に残るシプレ感が強いです。パルファムの方がシプレ調の部分が薄くて軽やかなムスクでまとめている・・・という感じですね。

調香体験セミナーにて模倣レシピを・・・と考えているのですが、こちらのリニューアル後だとNombre Noirと重なっていきますからリニューアル前のグリーンな方が良いのかな、とも思います。でもリニューアル前だとSerge Lutensとは無関係な香りですので、それはそれで寂しい気もします。とは言え、手元に模倣すべき香りありき、ですのでレシピを作れるのはリニューアル後に限られるのですが・・・。そのうち、こちらのローズシプレの香りも模倣レシピを完成させてセミナーを開催するかもしれませんよ。

(28/01/2011)

 

久しぶりにフルボトルから肌に乗せました。香りは、以前ほどフルーティーさが香らず、どちらかというとグリーンローズにどっしりとしたシプレ、というのが全体像。かなりモスが使われており、グリーンシプレにローズという組み合わせの部分、特にアロマティックなグリーンの部分がオリジナルを踏襲しているようにも思えます。Nombre Noirほどムスクは強くないですし、ハニーノートも強くはありませんので、印象は随分違いますが、オリジナルのInuoiとNombre Noirをつなぐ中間値という香りです。どちらも抜群に用香りですので、もちろんこちらも素晴らしく素敵なシプレですよ。

(24/08/2017)

 


 

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