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Zen Classic / 禅 - クラシック -


<香 調> シプレウッディ
<仕 様> レディース
<容 量> 7.5ml、30ml
<濃 度> P、EdC

トップ
スズラン、ガーデニア、オークモス、ウッディ、ムスク等
ミドル
ラスト



1964年、欧米でオリエンタルが流行していたことと、東京オリンピックが開催されたことで輸出品として「禅」が発売されました。クラシックな黒ボトルの禅です。アメリカ女性の嗜好をリサーチして作られた香りで、高台寺蒔絵を漆黒の地に秋の野や庭に咲く草花を一面にあしらったもの。この後2000年に21世紀を迎えるに当たって「ZEN」が国内消費者向けに発売されました。その後、2007年に全く違う形で海外向けの「ZEN」が作られて発売されています。

この漆黒のボトルは初代の「禅」なのですが、発売当初のものはパッケージが違います。ボトルデザインは同じなのですが、箱のイラストがもっと豪華だったのと、容量が25mlであった点も違います。偶然にもこの初代と思われる25mlの方の禅のパルファムもサンプルとして手元にありますので比較してみました。

現行品はシプレウッディに少しフローラルが重なった香りで、スズラン独特のグリーンっぽさやガーデニアの甘さ、華やかさは感じません。飽くまでも日本的な上品さを持った落ち着いた香りで、クラシカルです。結構強くシプレが入っているようで、フローラルというよりもシプレウッディの方が強い印象です。スズラン、ガーデニアというよりもジャスミンが入っているような感じですね。初代の禅はというと、逆に瑞々しいスズランっぽさが出ています。そこからシプレウッディが広がるのですが、香りとしては別物です。に通じるようなしっとり系の香りがしていて、広がりがとても穏やかです。現行品の禅の方がシプレもウッディも力強くて主張している感じがあるのですが、初代の方はもっともっと穏やかなのです。フローラルも現行品より強いんですよ。どちらも素敵な香りではありますが、やはり時代と共に使えなくなってしまった香料があって香りが変わってきたのですね。(持続は現行品の方があります)

70、80年代の日本人はまだまだ微かに広がる密やかな香りを求めていましたから、主張しすぎない淑やかさを体現した製品だと思います。

(22/03/2008)

 

 

1960年代のEdCを追加です。画像の大きなボトルの方がこのEdCなのですが、ボトルに記載のある住所が現在の資生堂ではなく、銀座西の住所となっています。これは1960年代の後半の統合までの住所ですから、この香りが発売された1964年〜統合までのわずか数年の間の商品と特定されます。となるとかなり発売当初に近いものなわけです。では、その元祖のオリジナルのコロンとの比較です。

 

パッと付けた瞬間はあまり差がないように感じるのですが、時間と共に肌の上で違ったニュアンスを感じるようなります。まず、1番大きな違いは現行品の方がムスクが強いこと。そして、ウッディノートの中のサンダルウッドの香料も変更されているのではないでしょうか。現行品がパルファムでも5分でビターウッディムスクになって肌に残るのに対し、オリジナルのコロンはまだまだミドルノートなのです。コロンの方が香りがしっかりとしていて、シプレ感も強いんですよね。共にガルバナム等のグリーンノートを使用したグリーンシプレウッディが軸なのですが、やはりウッディノートの質はオリジナルの方が豪華に感じます。コロンなのに・・・。(でも、ムスクが強い分、持続は現行品のパルファムの方が長いです)

ボトルは上の画像では少し判り辛いと思うのですが、パルファムの方がオミナエシとキク科の花がメインなのに対し、EdCのボトルはキキョウが描かれています。共に日本らしいイメージの草花でステキですよね。

この秋の模倣セミナーFタイプでは、このヴィンテージの発売当初の香りのコロンを基にEdT濃度で香りを再現していきます。果たして、どのような香料が重なっているのでしょうか。ご参加される皆さま、どうぞお楽しみに♪

(14/10/2011)

 

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