モロッコ産のアトラスシダーウッドの精油希釈です。シダーウッドはマツ科のヒマラヤスギ属の名称で、レバノンとトルコ南部が産地のレバノンシダーウッド、モロッコからアルジェリアに広がるアトラス山脈が゜産地のアトラスシダーウッド、西ヒマラヤを産地とするヒマラヤシダーウッド等に限られています。北アメリカ原産のヴァージニア種のシダーウッドも香料にはよく使われています。

アトラス山脈にあるシダーウッドは古代ローマ人が全て伐採してしまって建築や造船に使ってしまったそうで、現在のものは植林された樹木だそうです。精油は心材が一番多く油分を含んでいますが、精油のためだけに伐採することはなく、建築用に伐採されたもののおが屑や木屑を粉砕して得ているようです。ようは、廃材利用ですね。それでもとんでもない量があるでしょうから精油もそれほど高価ではありません。幅広く使われる香料ですから、安いにこしたことはないのですが、成長に時間はかかりますから環境破壊が進むとどうしても高価になってしまいそうです。

樹木だけではなくて植物全般に言えることなのですが、芳香というのは外的生物に対しての警告を意味しています。シダーウッドの芳香も虫に食われないよう、虫の嫌いな香りになっているそうです。人間がその香りに癒されているというのはなんとも不思議ですよね。

香りはまさに「おが屑」の香りで、日本人にも昔から馴染み深い香りだと思います。シダーウッドって鉛筆にも使われているんですよ。芯の香りは違いますが、鉛筆の香りと言っても良いくらいにすっきりとしたウッディが香ります。

(17/11/2007)