Pineとはパインウッド、つまり松の木のことです。松は世界中に様々な種類がありますので、精油も各地で採取されています。幹を傷付けて樹脂を取るものもあります。それは、松脂です。松脂だったら見かけたことのある方も多いでしょうし、日本人には馴染み深いですよね。その松脂ではなくて幹を細かく粉砕したものから水蒸気蒸留で得られるのがパインウッドの精油です。この希釈はパインウッドなのだと思いますが、パインニードル(葉)の香りもしています。もちろん木自体は葉から呼吸しているわけですから成分的に驚くほどの違いはないのでしょうけど、葉の方は松脂のようなバルサムノートが存在します。

この精油希釈はとても清々しく深呼吸したくなるような樟脳に松脂を加えた香りがしています。スーッと鼻に抜ける香りはたまらなく僕は好きで、出来ればシングルでこのまま香っていたいと思うくらいです。松から採取されるテレピンオイルは天然の溶剤として用いられています。ラッカーや塗料に含まれるシンナー臭のようなものに青さを加えたら松の葉になるかも。天然の防虫剤にもなるというのが理解出来る香りです。

こうして1つ1つ丁寧に香っていくと、天然の精油というのは1つ1つそれだけで完成しているものが多いなぁ、と感じます。

(17/11/2007)