*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Legno di Sandalo Mysore / サンダルウッド・マイソール


<香 調> ウッディ
<仕 様> ユニセックス
<容 量> 16ml
<濃 度> EDT

トップ
マイソール産サンダルウッド
ミドル
ラスト



Sandalwoodとしてレヴューしているこちらの香りはSantalum spicatumという学名のオーストラリア産のものだったのですが、上記のものはSantalum albumという学名の正真正銘のマイソール産の香りです。

市場にはマイソール産を謳う精油が流通していますが、おそらくほぼ全滅に近いくらいにまがい物です。何故ならば、オーストラリア産のサンダルウッドが数年で成木になるのに対し、マイソール産のものは60年かかると言われており、伐採が進んでしまったために現在は成長期なのです。マイソール産を謳うまがい物があまりに沢山流通したために、マイソール産のサンダルウッドはインド政府の管理下におかれたのは有名な話。詳しくはEssentialのSandalwoodをご参照下さい。

La via del Profumoの製品は、間違いなく本物です。彼は世界各国に香料探しに出かけ、農家を訪ねて得たりしているんですよ。マイソール産のサンダルウッドは多種に比べて甘さが強く、上品で柔らかいから高価なのだと思っていました。いろいろなブランドがサンダルウッドを商品化する際にはココナッツやバニラを加えてクリーミーな甘さのあるサンダルウッドにするのが常なのですが、本物を香ってみると少し印象が違います。これは、ムスク調ですよ。ヒノキにあるようなスーッとした部分(Borneolと言います)のような樹木的な部分や、他産地のサンダルウッドに見られるおが屑香がなく、とにかく最初から半端ではない柔らかさをもって肌に貼りつくのです。サンダルウッドの「オイル」だということも良く分かる香りで、オイリーなペタッとした部分もあるのですが、そこがココナッツ風に感じられるのでしょう。

Abdes Salaam氏はこの香りの中に少しアニマリックなアンバー風の香りを感じるそうです。確かに付けた瞬間に一瞬そんな樹脂っぽい香りがよぎりました。今では動物性のアンバーグリスと同等の高価さになってしまっている貴重なマイソール産のサンダルウッドは2007年に50mlが90ユーロだったのですが、今では123.97ユーロに値上がりをしています。今後も価格上昇の一歩を辿ることでしょう。

この香りは昔からインドの宗教に欠かせないエッセンスであり、心のバランスを取ると言われ、千夜一夜の物語やインドのヒンドゥー教の二大叙事詩Bhagavad Gitaの中にも登場します。とにかく持続が良く、本物のこの香りがたくさん流通していたらムスクの代わりに保留剤としても使用出来たことでしょう。世界各国の香料会社がこぞってこの本物の香りの合成香料を作り出していることが良く分かります。そして、現在の合成香料たちがこの本物の香りのパーツでしかないということも、理解が出来ました。

(12/10/2011)

 

<La via del Profumo Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜