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Encre Noire / インクノワール


<香 調> ウッディ
<仕 様> メンズ
<容 量> 1000ml
<濃 度> EDT

トップ

サイプレス、ベチベリルアセテート

ミドル
ブルボンベチバー、ハイチベチバー
ラスト
ムスク、カシュメラン



2006年発売。メンズの香水を先行発売し、3年後にレディースを発売するという珍しいメンズ先行型の香水で、発売後にパリで香った際、あれ? ひょっとしてとても好きな系統かも・・・と思いつつ帰国してしまい、以降国内では発売されませんでしたので手にすることはないまま数年が経過してしまいました。3年待ったということで存分に楽しめるよう100mlで購入した香り。

1913年にルネラリックが創作したインク瓶にインスパイアされたボトルで、タイトルはそのまま黒インクです。発売されているのはこの画像のタイプの他にEDPバージョンもあるのですが、そちらは495ユーロもするラリックボトルです。

 

 

香りを手がけたのはFirmenich社のNathalie Lorsonで、2種のベチバーを核とした香りとなっています。香りもそのままベチバーが香るウッディ系ですので、ベチバーの香りがお好きな方にはヒットするようです。ドライで乾いたベチバー系のウッディはスパイシーだったりトニック的なハーバル香がない分、メンズですが女性でも使えそうです。ベチバーの精油そのものとしては、ブルボン産がレザー調、ハイチ産はスモーキーさを持っているという特徴があるのですが、この香りはGivaudan社の新しいアンバーウッディ系の合成香料を使っているのではないかと思います。ベースにあるカシュメランというのはメンズの香水に使われるウッディムスク調の香料です。精油ばかりを使用しているとどうしてもおが屑っぽい香りばかりになってしまいがちなので、合成香料を入れていった方がキレイな香りになるんですね。ケミカルなわけではなくて、精油を明るくしているというか。サイプレスと共に少し湿布っぽい成分も見え隠れしていますが、とってもバランスの良いウッディな香りです。

(23/10/2009)

ラリックのメンズフレグランスの中ではスマッシュヒットとなった香りで、発売から15年を経てもまだ香水どころかシャワージェルまで発売されています。ファンの多い香りゆえ、L'Extreme(EdP)やSportといったフランカーも発売されています。

久しぶりの香りは、昔の印象そのままのベチバーで始まりました。ベチバーの精油感が感じられるアーシーなウッディノートに、どことなくほうじ茶を思い起こさせるベチバー系の合成香料、ベチベリルアセテートが軽やかに広がって重なり、そこからスモーキーでアーシーなベチバームスクへと変化していきます。カシュメランはウッディムスク調の香りでカシミアウッドと表記されることが多いのですが、単品ではそこまで印象の強い香りではなく、縁の下の力持ち。ベチバーをそっと支えているのです。他にも上記に記載した通り。アンバーウッディ系の合成香料が配されていて、ベチバーを重すぎることなくシンプルにキレイに精製したようなニュアンスで楽しめるようになっています。香りの変化はとても早く、すぐにベチバーのウッディムスクとなってしまいますが、ベチバーをクールに楽しめます。

今思うと、2006年というのはメンズフレグランスからトニック的な要素やフゼアが抜けてきた時代だったように思われます。そこからユニセックスが加速していく、と。この香りのトップにクミンのアクセントがあったら、ニッチなフレグランス市場でも負けない香りになっていたのではないでしょうか。

(25/06/2021)

 

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