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Eau de Vetyver / オー・ドゥ・ベチバー


<香 調> ウッディムスキー
<仕 様> メンズ
<容 量> 480ml
<濃 度> EDT

トップ
ベルガモット、レモン
ミドル
カーネーション、ベチバー
ラスト
ムスク



1969年発売で調香はPaul Vacher。彼が1975年に亡くなったことを考え得るとかなり晩年の香りで、彼の死後は新作が発売されていないのではないかと思います。そんな最期に近い作品。

この香りのポスター(右ではなくて上記のもの)にはアイパッチをした女性がボトルを持って写っています。しかも、ボトルキャップは開いたまま・・・。この女性はこの香水の香りを辿って男性を追おうとしているのです。だから女性保安官な感じなんですね。しかも、追われる男性はならず者、ということになるのでしょうか・・・?

ならず者の香りかどうかはさておき、香りはシトラスベチバーで始まります。たっぷりのシトラスノートがあるのですが、トップからすでにベチバーの精油の香ばしい部分が溢れています。ベチバー系の単品香料ではなく精油をそのまま使用している感じですが、重くベッタリとしたものではなくて、軽やかなベチバー香が肌に残るようにシンプルに合わせている、というもの。カーネーションらしさはほとんど感じられませんが、微かにクローヴはあるように思います。これを広告では「男性の花束」と表現しているんですよ。女性の花束は華やかですが、男性の花束はウッディカーネーションなんですね。シトラスが消えると香ばしいベチバーを優しくムスクが包み込んで柔らかなベチバーとして肌に残ります。調香にはないようですが、これはシダーウッドやサンダルウッドも入っているのでしょう。ベチバーの単体よりももっとウッディノートが強くなっているのです。香りはEdTで香りの持続も良いのですが、やはりコロンのようにパシャパシャと手に取りたい480mlです。

(27/07/2012)

Paul Vacherは上記のポスターにあるように、メンズのフローラル(Les fleurs du male)という位置づけでベチバーを使用していたようですが、そのベチバーをベースにしてThomas Fontaineがモダンにリフォーミュラしたバージョン。上記はそのオリジナルのレヴューで、リフォーミュラ後はこちらになります。

トップ:ベルガモット、マンダリン、ナツメグ、コリアンダー
ミドル:クラリセージ、ラベンダー、ベティグレン、タラゴン、ヴァーベナ
ベース:ベチバー、サンダルウッド、トンカビーン、ムスク

 

 

オリジナルの香りがパッとシトラスが弾けた後にすぐアーシーなベチバーがクローヴと共に広がるのに対し、リフォーミュラ版は全体的にとても柔らかくまとめられています。トップではとてもフレッシュにシトラスがアロマティックに弾け、よくこのようなクラシカルというかオーソドックスなメンズを今のこの時代に発売したな、という少し驚きも感じるほど昔からある古き良きテイストを保持したまま香ります。オリジナルの方が土っぽいアーシーが強く、新しい方は全体的なニュアンスはそのままにやはり洗練された形となっていますので、ワイルドな香りがとても品良く変化したという印象を受けます。

若い世代には少しダンディすぎるかと思いますが、昔から香水を愛用してきた50代、60代の皆さまには懐かしくてたまらない香りなのではないでしょうか。香水は若者だけの文化ではない、そう胸を張っているようです。

(26/05/2015)

 

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