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Jasmin / ジャスミン


<香 調> フローラル
<仕 様> レディース
<容 量> 59ml
<濃 度> PdT

トップ
不明
ミドル
ラスト



 

1937年発売。すでにeBayなどでも高値になってしまっている香りなのですが、今年ブランドが復刻された際、その最初の商品ラインに含まれていなかったことが要因かもしれません。同時にシングルフローラルのガーデニアとヴァイオレットが発売されていますので、こちらもシングルノートのジャスミンで、調香はPaul Vacherです。

Snobがとても美しいサンバックジャスミンアブソリュートを使用していたのに対し、こちらはJasminum grandiflorumのアブソリュートを使用したシンプルなジャスミンの香りです。濃度がPdTということもあり、パルファムの濃厚さはなく、インドールの効いたジャスミンらしいジャスミン香が広がります。少しアブソリュートにBenzyl acetateを足してフローラル感を増しているようにも感じるのですが、アブソリュートのままのワイルドさを軽減しているということ。ベースには微かなモスとムスクを配置し、ジャスミンの残り香を楽しめるようにしてあります。シンプルな香りではありますが、今ではこんなにたくさんの配合率でジャスミンを使用することは出来ませんので、もう作られることのない豪華な香りだったわけです。もちろん、今後復刻されたとしてもアブソリュートの含有量は抑えられてしまうことでしょう。過去の遺産ではありますが、80年代までは国内でも流通していましたので、記憶のどこかに残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。箪笥の奥で眠らせている方は、この機会に是非香ってみて下さい。

(01/09/2014)

 

 

10代の頃、この香りにとてもロマンティックな思い出があるという、Rodrigo Flores-Rouxの調香によって生まれ変わったジャスミンが2020年に発売となりました。

トップ:オードブルート、ワイルドシクラメン、オレンジ、クミン
ミドル:ジャスミン、ナルシス、イランイラン、リリー
ベース:パチョリ、ベチバー、オークモス、プラム、レザー

香りは以前のものと全く違う香りとなりましたが、何ともクールなクミンを従えて始まりました。オードブルートとはビターオレンジの葉を蒸留し、ペティグレンを採取したペティグレンウォーターから得られる香りで、ペティグレンウォーターアブソリュートとも呼ばれています。そのビターシトラスが弾けた後、何とも強めに配合されたクミンがセクシーに広がっていくのです。ジャスミンがメンズ寄りになったというか、インドールではないセクシー感を生んだというか、ナルシスやイランイランでボリュームアップされたジャスミンがシプレなベースに支えられて香るのです。再販品はどうしても天然香料率が下がり改悪になりがちですが、全く違うアプローチで表現したため、シンプルなオリジナルよりも、更にユニークな香りとなって楽しませてくれました。とても香水らしい調香です。

(12/05/2021)

 

 


 

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