1950年の発売。アンリマティスが国際美術展覧会で賞を得たり、ピエールカルダンがブランドを創設したり、初のランジェリーカタログが出版された年。Paul Vacherが手がけたのは全ての女性に捧げるローズでした。彼は毎年70種以上のバラを香り、その香りを調香に組み込んでいたようです。

香りはローズと言えばローズなのに、全くローズらしくないローズでもあります。ふわふわとした甘さが綿飴のようにイメージにつながるのですが、シュガーローズに微かなグリーンノートを足したような香りなのです。トップが一番可愛らしく、時間と共にローズらしさは際立ってくるのですが、ガツンと力強いローズ香ではないところが、とても現代的な雰囲気で、柔らかく優しく肌を包み込んでいきます。ラストノートに微かなシプレノートが感じられるのが上品なテイストでしょうか。

(03/10/2014)