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Sampleレヴュー
■The Noir 29 (2015年)

当初、かなりスパイシーなブラックティーとローズのコンビだと話題になったのですが、オフィシャルの調香にブラックペッパーもローズもありません。調香はLe LABOをたくさん手掛けているFrank Voelklが担当です。

ベルガモット、ブラックティー、フィグ、ベイリース、シダーウッド、ベチバー、ヘイ、タバコ、ムスク

トップではスパイシーさを感じたものの、あまりにもタイトルと違うのがこのブランドらしさ。それは褒め言葉ではなく、彼らが何を作りたかったのか、表現したかったのか、伝えられていないと思えてなりません。彼らはこれをブラックティーだと本気で思ってプロデュースしたのでしょうか?

香りの軸はフィグです。ブラックティーはどこにあるのか、探してもよくわからないほど全体がフィグでまとめられており、かなりグリーンノートの効いた香りとなっています。29種というシンプルさからもわかりますが、不要な要素を排除してバランスを取ったような爽快なフレッシュグリーンティーフィグで、相性の良いベチバー系単品香料と混じりながらラストノートへと落ち着いていきます。グリーンティーフィグだと思えば楽しめますが、それだったら他のブランドの商品の方が秀逸なのでは・・・と思えてしまい、敢えてこちらでなくてはならない理由が見当たらないのです。ティーにはローズが必要ということもあり、少しローズっぽいニュアンスも感じますが、基本的にはフィグを軸としたグリーンウッディムスクです。(12/11/2015)


■Geranium 30 (2014年)

2002年にアメリカはNYにオープンしたセレクトショップ、Opening Ceremonyとのコラボ品です。調香はモデル出身のイケメン調香師Barnabe Fillionで、なんとわずか100本という限定品。ラベルにはフラワーアーティストThierry Boutemyによる押し花が描かれていいます。

 

 

ゼラニウム、ジャスミン、ピンクペッパー、ペッパー

肌につけた瞬間にペッパーが弾けたのですが、ほぼノンシトラスのようで、通常良くあるような爽やかな始まりではありません。あれ? 香ってる? と疑うくらいにトップが控えめで、最初からミドルノートのようです。香りはゼラニウムというよりもローズゼラニウムの精油のようなちょっと腐敗寸前の酸味が感じられ、あまり良い香りではないなぁ・・・と思っていたら、どんどんとローズが香りだし、アンバーグリスとアンバーウッディノート、パウダリーノート(微かにレザリー)と重なり合ってゆっくりと香ります。フラワーアーティストということで、グリーンのフローラルブーケ的なイメージなんでしょうね、おそらく。かなりアンバーグリスノートを強く入れているのも特徴で、香り自体はとてもシンプルで、ゼラニウムの香水というよりも、ローズとアンバーグリスの香水だと考えた方がイメージに合うと思います。(13/08/2014)


■Lys 41 (2013年)

Daphne Bugeyによるホワイトフローラルで、濃度は25%のパルファム。

リリー、ジャスミン、チュベローズアブソリュート、ウッディノート、マダガスカルバニラ、タヒチアンティアラ、サニーノート、ムスク

相変わらずのLe LABOテイストです。この香りの中にリリーは感じられません・・・。これはリリーと言うよりも、チュベローズ風のココナッツフローラルという方がイメージに近いと思います。スズランだってカサブランカだってユリ科なわけですが、香りは全然違いますよね。ですから、いろいろなバリエーションがあって然りなわけですが、甘くこってりとしたリリーはどうしてもカサブランカやオリエンタルリリーをイメージさせるもの。であれば、Eugenolがないとそれらしく感じないのです。これはきっと、意図的にEugenolを使用せずにリリーとしているのでしょうが、生花らしさをもとめると?を感じてしまうと思います。チュベローズアブソリュートも、わざわざ記載するほど香りは明確に出てきませんので、チュベローズアブソリュートの香りを期待しない方が良いと思います。でも、トータル的には南国ムードなココナッツが柔らかく香ります。(30/08/2013)


■Ylang 49 (2013年)

Frank Voeklによるシプレフローラルで、濃度はなんと30%のパルファム。(でも感覚ではEdPっぽいです)

 

 

イランイラン、タヒチアンガーデニア、パチョリ、オークモス、ベチバー、サンダルウッド、ベンゾイン

一発でファンになってしまうほどステキなシプレです。ガーデニアをシプレにしていくスタンスはMiss Diorのクラシカルなテイストに似ているのですが、こちらの方がパチョリもオークモスも強く、グリーンノートが控えめですので、かっこ良さが際立っています。Le LABOらしくイランイランはどこに? という気はしますが、パチョリの奥にきちんとフローラルノートがあり、それがタヒチアンガーデニアであるため、微かに酸味の利いたクリーミーなジャスミン香が全体を柔らかな印象に仕立てています。そのフローラルノートはパチョリを残したまま消えていくのですが、とにかくパチョリが強いのが特徴ですので、少しセクシーでかっこ良いパチョリを探している方は是非、お試しを。これはYlang 49ではなくて、少しフルーティーなフローラルパチョリということで、Patchouli 49でも良かったのではないかと・・・。国内でも7月より発売されています。(30/08/2013)


■Poivre 23 (2008年)

ロンドン店のために作られたロンドンの限定品。一度レヴューしていたはずなのですが、記事が消えてしまっているので再レヴュー。ロンドン限定と言いつつ、良く期間限定ながら世界各国で発売されています。今年も秋に国内発売があるはずです。

ラブダナム、フランキンセンス、インドネシアンパチョリ、ガイヤックウッド、ブルボンペッパー、オーストラリアンサンダルウッド、バニラアブソリュート、スティラックス

トップからペッパーの弾けるスパイシーオリエンタルな香りです。バニラアブソリュートの少しスモーキーな香りにラブダナムとフランキンセンスが重なり、ダークでセクシーな香りへと変化していきます。ペッパーは珍しいブルボン諸島産のものを使用しているのですが、彼らはペッパー界のロールスロイスのようだと説明しています。貴重なものが最上級なのかどうかはわかりませんが・・・。ペッパー自体はたっぷり入れても瞬間で弾けて消えてしまいますので、出番はトップの一瞬だけ。香りとしてはラブダナムがミドル以降から勢力を増し、スイートオリエンタルとなって消えていきます。パルファム濃度で作られていますが、飽くまでもスプレーして楽しめる軽さですのでご安心を。微かにアニマリックに感じるラブダナムが効いているため、どちらかというとメンズ寄りのオリエンタルとなっています。(28/08/2013)


■Baie Rose 26 (2010年)

Chicago店の限定品が何故か日本も同時発売です。来月(9/11)の銀座三越への出店が決定しているLe LABOから、出店記念に・・・と100本限定で発売されるそうです。調香はMusc 25、Iris 39と同じFrank Voelklが担当。

トップ:クローヴ、ペッパー、ピンクペッパー
ミドル:ローズアブソリュート、シダーウッド、アルデヒド
ベース:ムスク、アンブロックス、アンブレットシード

タイトルはピンクペッパーのことなのですが、軸となっているのがローズアブソリュートです。ローズアブソリュートにピンクペッパーが重なって酸味の利いた素敵な香りから始まり、数分でアルデヒドがローズと共にキラキラと香りだします。とにかくきちんとローズアブソリュートが持続してくれる点が素敵で、時間と共にアンバー系のウッディノートが重なってセクシーさと深みを増して行きます。Le LABOの製品の中では1番セクシーで1番女性らしさを感じさせてくれる売れ筋系の香りだと思います。だってローズアブソリュートですもん。持続も長いのですが、さすがに下のAnother 13には及ばず数時間です。(十分長いと思いますよ)価格もそれなりで50mlのEdPが28,350円で発売です。気になる方は、まず銀座三越へ、ですね。銀座は三越が香水の充実した百貨店となりそうです。(27/08/2010)


■Another 13 (2010年)

9月8日より新宿伊勢丹にて発売される限定発売の香り。タイトルのように、イギリスのファッション雑誌AnOther Magazineとのコラボレートで生まれた香りです。この雑誌は過去にもColetteとコラボしたりしていろいろな限定品を発売しているのですが、今回は香水ということでLe LABOがタッグを組んだようです。編集長のJefferson Hackが好きな香りとしてラボの合成香料から選んだのはAmbroxです。Ambrox(Ambroxan)はアンバー系の香料なのですが、それを軸にNathalie Lorsonが13種の香料でまとめたのが今回の香りです。

遂にLe LABOがアンバーを?と思ったのですが、香りはメンズのいわゆるアンバーウッディ系で、とてもシンプルです。LaliqueのEncre Noireをもっとシンプルにした雰囲気で、香りも仄かでインパクトはありません。香料としてはシダーウッドやガイヤックウッド系の合成香料とアンバーウッディ系のものでまとめられていると思うのですが、ラストノートはクリーミーなココナッツ系サンダルウッド風の香りが加わって穏やかに馴染んでいきます。きっと、もともと編集長のJefferson Hack氏が市場のファッション香水をあまり好きではないのでしょう。だから、インパクトのある骨太なものではなく、仄かだけど持続する・・・というこの香りになったのではないでしょうか。こういう雰囲気が日本人には合うんですよ。仄かながら香りは12時間持続するという恐ろしいパワーを秘めていますので、試す価値ありでしょう。価格も50mlのEdPが15,750円とLe LABOの製品群の中ではカジュアル価格で限定50本の発売です。世界で500本だそうですから、1割が日本分ということに。(27/08/2010)


Oud 27 (2009年)

3/9にパリのコレットで先行発売された香りで、Eddieがイメージした千夜一夜の香り。

アトラスシダーウッド、インセンス、パチョリ、サフラン、ガイヤックウッド
ベルガモット、スターアニス、カルダモン、ゼラニウム、ラベンダー、ベチバー、モス

香った方が「熊よっ、熊!!」と表現したり、剥製とか動物園などと例えられているアニマルレザー調のウードの香りです。シベットというよりもカストリウムの再現香のようなレザー調のアニマル香がどっしりと君臨しており、その周りをハニー調のガイヤックウッドが取り巻いている、という感じです。アニスの甘さではなくて少しハニー調なんですよ。どっしりウッディが甘さを伴うととてもセクシーで、肌の上ではとても長く香ります。ユニセックスを謳うこのブランドの中ではちょっとアニマル香があるので女性が使うのは厳しそうですが、シングルローズと組み合わせたりすると良いのかもしれません。これを使いこなせる女性って凄いと思います。逆に男性はとても男性らしい香りですので、骨太な香りがお好きな方や、近年のライト系のものに飽きてしまった方にはおススメです。「男も女も野獣になる」という感じでアニマル香が強いとびっくりされる方もいるようですが、僕は香料慣れしてしまっているのかアニマルムスクで慣れているのか全く平気で、とても良い香りに感じます・・・。しかも慣れてくるとアニマル香よりもウッディの方を強く意識するようになるんです。国内は3/28発売。(26/03/2009)


■Gaiac 10 (2008年)

日本限定の香りが12月3日に発売です。イメージはなんと北海道なんだとか。行ったことのある人もない人もこの香りで旅行気分が味わえる・・・みたいなことのようですが、それを日本で発売してもどうなんだと思ってもみるのですが・・・。今回調香を担当したのはAnnick Menardoです。日本は温泉にしてもそうですがヒノキを初めとした樹の文化が根付いています。家屋も木造住宅が基本でしたし。やはり京都のような町並みを見た外国人の方々は日本は樹木だ、というイメージなんでしょうね。肝心な香りはなんとウッディムスクで4種のムスクをどっさりと入れているようです。肌に残る温かみと言う点でもなんとなく温泉の湯上りをイメージしてるように思えてなりません。

ガイヤックウッド、シダーウッド、4種のムスク、オリバナム

シダーウッドとオリバナムはアクセントのようですから、ガイヤックウッドと4種のムスクがほぼ全てというとてもシンプルな香りです。トップノートはフレッシュさ(針葉樹の葉の香りのような)がありましたが、すぐに収まって温かみのあるウッディへと変化します。削りたてのおが屑というよりはもう少し柔らか味と奥行きのある香りで、サンダルウッドとシダーウッドの中間に位置しているような香りたちです。ガイヤックウッドの天然香料と比較してみてもかなり近い香りですから天然香料を柔らかく柔らかくムスクでまとめたという印象です。天然香料の方はクリーミーさとスモーキーさを持っているのですが、香水の方はクセがなく使い安い香りになっていて、ラストノートは香りが薄れてきますがウッディムスクのまま続きます。そしてなんとこの製品は通常の品よりも高濃度になっているらしくパルファムのみの発売だそうです。ボディラインも全てがパルファム濃度となっていて、価格も他製品の倍となるそうですから15mlが17,850円ということになります。確かにシンプルなウッディのパルファムというのは珍しいのですが、この香りをその価格で求める消費者がいるのかどうか疑問です。確かに香りそのものは静かで主張が少ないので、日本人の好みの系統ではあると思います。購入するとしたら普段香水をあまり使わないような人であり、且つ高級志向の製品を求めるという限られた人たちになってしまうように思います。(11/14/2008)


■Vanille 44 (2007年)

Parisのコレットにお店に出店したのを機に作られた香りで、もちろんパリ限定品です。

ベルガモット、インセンス、マンダリン、ガイヤックウッド、ブルボンバニラ、ムスセノン、ピポル、ヘディオン

ムスセノン(Muscenone)はムスクノートの合成香料、ピポル(Pipol) cis-3-hexenolとかleaf alcoholという別名を持つグリーンな合成香料、ヘディオン(Hedion)はDiorのオーソバージュに初めて使われたジャスミン調の合成香料です。このブランドの特徴そのままで、バニラだけどバニラなだけではない、というのをそのまま現しています。確かにバニラ系統なのですが、シトラスもウッディも感じますよ。グリーン系の香りはほとんどわからないですけど。バニラのわりにはさっぱりとしていて、ヘディオンが随分と軽さを出しているようにも思います。バニラらしさは最後まで持たずに時間と共にインセンスとウッディが前に出てくるのも特徴と言えそうです。


■Aldehyde 44 (2006年)

アメリカはTexas州のDallasにお店を構えた記念に作られた香りで、こちらもダラス限定です。ダラスと言えばケネディが暗殺された場所として有名な地域です。調香は若きYann Vasnierが担当。

ナルシス、ネロリ、サンバックジャスミン、チュベローズ、バニラアブソリュート、アンブレットリド、ムスク、アルデヒド

香りはタイトルそのままのアルデヒドがきちんとキレイな形で現れているフローラルアルデヒドです。アルデヒドがありながらあまりクラシカルな感じずに、どちらかというと新しさを感じるのが特徴と言えます。このブランドの中ではかなり出来の良い香りに思えるんですれけど、地域限定なんですよね・・・。さっぱりとしすぎているわけでもなく、華やかというほどにチュベローズが出ているわけでもなく、調香の通りのものが核となっていることが良く理解出来る香りだと思います。アルデヒドの出具合というか割合はシャネルのNo.5くらいありますから、どっしりとアルデヒドを入れているはずです。とてもモダンなフローラルアルデヒド。


■Fleur D'Oranger 27 (2006年)

調合に3年をかけたという27種の成分で構成されたユニセックスなオレンジブロッサムの香り。

オレンジブロッサム、ベルガモット、レモンぺティグレン、セドラ、ムスク

ネロリとどのような差別化をしているのかとても気になっていたのですが、ネロリがオゾン系だったのに対してこちらはオレンジブロッサムを活かしています。ぺティグレンの香る生花というか樹の周りで感じる香りに近いものになっていて、キレイなオレンジブロッサムだと思います。ゲランのフローラネロリアは時間と共にサンダルウッドが出てきますが、こちらはムスクで保留効果を出しているようで、軽めなコロンになりがちなオレンジブロッサムを長く香るようにしています。でも実は一番オレンジブロッサムっぽいと感じるのはJasmin 17のトップノートだったりします・・・。


■Jasmin 17 (2006年)

17種の成分で構成されたレディースのジャスミン。

ジャスミン、リツィアクベバ、ネロリ、オレンジブロッサム、パルマローズ、オレンジビガラード、アンバー、ムスク、サンダルウッド、バニラ

ジャスミンはどこへ・・・?というかジャスミンという名前を付けたことが不思議なジャスミンです。香りは大方オレンジブロッサムで、ジャスミンの良さが全く表れていません。とは言え、ジャスミンそのものだと臭みを感じてしまう人も多いと思いますので、Le LABOが万人向けに作ったジャスミンという雰囲気なのかも。それでもジャスミンではないので生花を感じたい方は残念な結果になってしまうでしょうけど、Fleur D'Oranger 27よりもさっぱりとしていますので、オレンジブロッサム自体がお好きな方にはこちらもおススメ。ラストにはムスクとサンダルウッドが残る感じです。


■Ambrette 9 (2006年)

子供用のアルコールフリータイプのフレグランス。

アンブレットシード、ヘディオン、エグザルトリド、シス-3-ヘキセノールアセテート、アンブレットライド、ヘキセノールアセテート、エチレンブラシレート、ムセノン、ダマスコンアルファ

アンブレットライドはムスク香の合成香料名です。エグザルトリドもムスク香の合成香料で、アンゼリカルートに存在する成分。シス-3-ヘキセノールアセテートは強いグリーン香で希釈すると未熟のバナナっぽい香りを発する合成香料で、フレーバーとしても多くのフルーツ系に使われている香料。ヘキセノールアセテートは酢酸ヘキシルのことで、フルーティーなグリーンの合成香料。エチレンブラシレートは保留剤として石鹸や洗剤にも多く使われている甘さのあるムスク香のもの。ダマスコンアルファはフルーティーフローラルのローズ香の成分です。全成分を表記しているわけですが、基本は「ホワイトムスク」です。いろいろありますがグリーン香が上に出ているわけでもなく、ダマスコンが出ているわけでもなくて少しミルキーさを感じるホワイトムスクの香りですので、あまり苦手な方はいないのではないでしょうか。単独ではぼんやりとしてしまうホワイトムスクを際立たせるために9種で調整しているのだと思いますが、ヘディオン(メンズに良く使われる合成香料です)をほとんど感じないのでオールマイティーに使える香りだと思います。主張は少ないのですが、肌の上で第二の皮膚を作っているようなムスク特有の香り方をしていますので持続はありますよ。


■Rose 31 (2006年)

31種の成分で構成された珍しいメンズのローズの香りで調香はDaphne Bugey

ローズアブソリュート、ローズエッセンス、クミン、オリバナム、シダーウッド、ラブダナム、ガイヤックウッド、ムスク、ウード、ベチバー

ローズというよりもローズにウッディをガッツリと入れた感じです。ローズウッドとはまたニュアンスが違いますが、8割ウッディな香りです。付けた瞬間はクミンがしっかりと香っていてちょっと珍しい雰囲気だったのですが、落ち着くとウッディが前面に出てきます。ローズをテーマとしたメンズの香りはそれほど多くはないので貴重ではあるのですが、ローズを期待するならばロジーヌのTwill Roseの方が良いと思います。ロジーヌのRose d'hommeほどにアンバーは出ていなくて、セクシー感も控えめですので、さっぱりと使えるウッディな香り。


■Bergamote 22 (2006年)

22種の成分で構成されたメンズのベルガモットの香りで調香はDaphne Bugey

ベルガモット、ぺティグレン、グレープフルーツ、バニラ、ベチバー、オレンジブロッサム、シダーウッド、スパイクラベンダー、アンバー、ムスク

付けた瞬間からベルガモットが出てきました。ほんのりとした甘さのあるオレンジな香りが広がるのですが、グレープフルーツ、ラベンダーはトップでは全く感じません。逆に時間が経って出てくるのはぺティグレンとシダーウッドですね。渋さはラストノートに残りますが、男性でも使い安いシトラスコロン系にありがちな香りです。でも、濃度的にはEDPです。メンズとして発売されていますが、これだったらユニセックスで平気だと思いますよ。


■Vetiver 46 (2006年)

46種の成分で構成されたメンズのベチバーの香り。

ベチバー、オリバナムオイル、セドラオイル、ラブダナムアブソリュート、アンバー、ベルガモット、バニラ、ブラックペッパー、ガイヤックウッド、クローヴ

典型的なメンズのベチバー香です。ベチバーがしっかりと存在しつつもその周りをオリエンタルなアンバー香とスパイスが取り巻いているという印象で、ムエットではペッパーが出ていました。典型的なメンズのベチバーなのですが、独特のトニック的な要素と金属的な香りがないために少しユニセックス寄りになっているのは確かです。アルマーニプリベのベチバーもこういう雰囲気ですが、フォーマルにもカジュアルにも合わせられる優等生的なベチバーです。Georges Feghalyの香りにそっくりです。


■Neroli 36 (2006年)

オレンジブロッサムとネロリと2種あるのが不思議で仕方なかったのですが、香りはやはり別物でまとめています。36種の成分で構成されたユニセックスなネロリの香り。調香はDaphne Bugey

オレンジフラワーエッセンス、ローズ、キャロン、ムスク、マンダリン、ジャスミン、バニラ、トンカビーン、アルデヒド

キャロンとはCaloneのことで、オゾンノートに使われる合成香料です。この香りがとにかく強く出ていて、ローズは微塵も感じないくらいです。ネロリの香りにはジャスミンやシトラスフルーツを入れた方が安定した香りに感じますからそれは感じるのですが、とにかくCaloneが強い。キーンと金属的なオゾンではあるのですが、少しクリーミーな部分があるので柔らかさを持った金属香になっています。オゾンノートというよりもマリンノートの方がニュアンスは近いので、マリンノートが苦手な方は難しいと思います。ラストノートまでどっしりと香りますから。ただ、その香りがあるおかげで軽さを持った香りになっています。


■Patchouli 24 (2006年)

24種の成分で構成されたユニセックスなパチョリの香り。

パチョリ、バーチウッド、バニラ、スティラックス他

パチョリは一体どこへ行ってしまったんだか疑問に感じるパチョリです。パチョリという名前を付けたのが不思議でしょうがないのですが、8割バーチウッドですよ。レザーの香りです。パチョリを期待してしまうととっても残念なのですが、レザー系ウッディの香りがお好きな方には堪らない香りだと思います。レザーの代用に使われるバーチウッド(というかタール)は柔らかく包み込むような優しさと温かさを持っていて、その良い面を存分に楽しめる香りだと思います。思いの他バニラが出てこないので通年で使えそうですよ。

 

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