*Log in
 *Log out
 *My account

| Top | Books | Topics | PMF | Q & A | Making | Essential | Perfumers |  PRESS |
  

Sampleレヴュー

 

■Rose Supercritique (2018年)

チャンパカ、ガーデニアと共に発売された超臨界抽出シリーズのローズ。

トップ:レモン、ピンクペッパー
ミドル:ローズ、グリーンノート、ラズベリー、ゼラニウム
ベース:クマリン、バニラ、ヴァイオレット

調香通りに、レモン、ピンクペッパーと共にグリーンなローズが広がります。そこを支えているのがバニラとクマリンで、とてもグリーンが強いため、ローズの精油らしさ、アブソリュートらしさはあまり強くはありません。ヴァイオレットも強めで、時間と共にグリーンノートとヴァイオレットが入れ替わり、フロリエンタルなローズとなって落ち着くのです。生花そのもののローズを求めると少し系統は違いますが、それでもローズ系の香りであるのは間違いなく、少しアーティスティックに表現しました、というローズです。(11/07/2018)


■Champaca Supercritique (2018年)

超臨界抽出をしたチャンパカを使用した、ということなのでしょう。2018年は3種のフローラルがこのタイトルで公開となりました。

トップ:プラム
ミドル:チャンパカ、マグノリア、イランイラン
ベース:シナモン、クローヴ、ラブダナム、アイリス

あぁ、なるほど。これはチャンパカフラワーの香りです。精油らしいチャンパカに、アイリスとスパイスを合わせて少しくすんだ、砂ぼこりっぽいフローラルで始まります。でも、それは何となくインドのイメージにもつながっていきます。香りはチャンパカ特有の花の酸味が感じられ、それをイランイランが増幅しています。チャンパカの精油を結構豪華に使用しているので、これは更なる高価格帯になるのかも。(11/07/2018)


■Couleur Primaire (2018年)

原色を意味するタイトルで、反対にこれがあるから原色が際立つという無色透明な香り。

オゾンノート、パウダリーノート、ホワイトムスク

まぁ、これは想像通りなランドリー系の香りです。少し前だとスズランの香りがあったらニュービーズ風でもっとランドリー系に感じられたのかもしれませんが、そういうフローラルノートを排除したシンプルなランドリー系アルデヒドムスク。この香りのタイトルを原色にしたのは案外ジョークだったりするのかもしれません。クリーンの香りからフローラルノートやシトラスを排除したらこうした香りになりそうです。(11/07/2018)


■Mecanique Intuitive (2016年)

ブランド名と同じく、タイトルは小説の海底二万里から名づけたそう。1950年代の香水にインスパイアされ、たっぷりのトンカビーンとラブダナム、ヴァイオレットを組み込んだレザーに。

トンカビーン、レザーアコード、ラブダナム、ヴァイオレット、カカオ、ベンゾイン、オスマンサス、ムスク

まさにテーマ通り、たっぷりのトンカビーンにラブダナムとヴァイオレットが重なった香りが軸となっています。パウダリーでくすんだ甘さにスモーキーノート、そしてラブダナムのダークなレジンノート。そこをベンゾインやカカオが支え、深海の暗さ、静けさを感じさせる香りへと導いています。トンカビーンはクマリンではなくアブソリュートを少なからず使用しているようで、ダイレクトにトンカビーンそのものの香りがしているのが特徴です。水の流れが煙だったら・・・と思うようなスモーキーさがふわりふわりと漂うオリエンタル。(11/07/2018)

 

 

■Moment Perpetuel (2015年)

永遠の瞬間・・・つまり、無限の喜び、無限の愛・・・のような意味合いで南フランスの農家が少量生産しているラベンダーへのオマージュなのだそう。

ベルガモット、ラベンダー、ホワイトタイム、ブラックカラント、ブルーベリー、へディオン、ファーバルサム、アイリス、ホワイトムスク

テーマに相応しく、素晴らしく精油感たっぷりのラベンダーがベルガモットと共に明るく輝いて始まります。ヘディオンは全体のトーンを軽くしてくれる立役者で、ブラックカラントのわずかなニュアンス、タイムのアロマティックな部分が、消えそうになるラベンダーの存在を少し長く感じさせてくれます。それでもラベンダーの持続は長くはなく、時間と共にファーバルサムが微かなアクセントとなったアイリスムスクへと変化して落ち着くのです。ラベンダーとアイリスムスクという清々しくて清潔感のある香り。(10/07/2018)


■Champ d'Influence (2015年)

子供の頃の祖父の思い出。通学前、いつもご両親は祖父母の家に連れて行ったそう。そこで記憶に残った祖父が使っていたアフターシェーブの香りの記憶。つまりは床屋さんの香りですね。

ラベンダー、ゼラニウム、ベチバー、エヴリニル、クマリン、アルデヒドC-12MNA、レモン、ウード、パチョリ、ホワイトムスク、アンバーウッディノート

あぁ、これですよ、これ。メンズのフゼアの典型です。ラベンダーとゼラニウムにクマリンを加え、モスやパチョリ、ウッディノートで整えていくという典型的なフゼアです。トップではレモンが明るさを、ベースではアンバーウッディとムスクが邪魔にならない土台を形成していて、フレッシュで明るいフゼアとなっています。アルデヒドがもう少し強かったら個性的なフゼアだったのかもしれませんが、飽くまでもクラシカルなフゼアを目指したんでしょうね。それでも、力強いフゼアというよりは、少しユニセックスにも感じられるフゼアです。(10/07/2018)


■Memoire du Futur (2015年)

未来の記憶というタイトルですが、未来を創造するには過去に学ばなくてはならない、だから1920年代から40年代に作られたヴィンテージに学び、未来の香りを作り出した、と。

ベルガモット、アルデヒドC-12MNA、タラゴン、ローズ、ジャスミン、カーネーション、トンカビーン、ヴァイオレット、パチョリ、エヴリニル、ハイラックス、アイリス

パッと香ると、「これは何?」と思うようなトップでしかけておいて、次第に内容が明らかになって行く謎解きのような香りです。一瞬びっくりしたアロマティックなアルデヒドでしたが、カーネーションとアルデヒドのコンビネーションへと変化し、フロリエンタルをキラキラさせるという香りになっているのです。確かにクラシカルな要素ですよね。でも、全然古くはなくて十分モダンな香りに感じられます。それとなくシプレっぽい香りを忍ばせているところに意図が感じられてニヤリとしてしまうのです。(10/07/2018)


■Iris Palladium (2015年)

アイリスの学名をもじり、アイリスを少しメタリックなパウダリーウッディムスクに仕立てたもの。

ベルガモット、キャロットシード、セージ、ソーラージャスミン、シダーウッド、パチョリ、ラブダナム、サンダルウッド、アイリス、トンカビーン、ホワイトムスク

トップでアイリスがスパークし、これは紛れもなくアイリスの香水です、と力強く印象付けて始まります。そこにアクセントとなって香るのはアーシーでパウダリーなキャロットシード。そこからは、アイリスが引き潮のように下がり始め、アロマティックなアイリスウッディ系ムスクへと切り替わり、最後はラブダナムとムスクが肌に残ります。最初から最後まで主役はアイリスで、アロマティックだったり、オリエンタルだったり、ムスクに包まれていたりと表情を変えていく様子が楽しめます。(09/07/2018)


■Abstraction Raisonnee (2015年)

抽象的な推論という、それがとても抽象的なタイトルです。抽象と根拠のパラドックス。

グレープフルーツ、ベルガモット、へディオン、パラディサミド、ルバーブ、ハイチベチバー、ヴァイオレット、タバコ、ナツメグ、ベンゾイン、アンバーウッディノート

少し男性的にも感じられるベチバーに、トロピカルなフルーツを合わせたというのが意図のようで、トップでベチバーがアーシーでウッディにそれらしく香り、そこから今度はパラディサミドというブラックカラントやグアヴァのようなトロピカルフルーツ香が香り出します。そのトロピカルさはグレープフルーツの苦みにも似ており、とても相性が良いためトップにグレープフルーツを配置したという納得の調香。また、酸味の強いグリーンなフルーツノートであるルバーブも重ね、フルーティーなベチバーへとまとめたもの。その他のタバコやベンゾインは微かなアクセントに留められ、ヘディオンとアンバーウッディノートでか軽やかさを出したもの。ベチバーが精油そのもののどっしりした香りではなく、とても軽やかに香っているのが特徴です。(09/07/2018)


■Particules Imprevisibles (2015年)

予想不可能な分子というタイトル。肌に乗せた時、どのように香るのか予測できない組み合わせにしたようです。

ピンクペッパー、ラベンダー、ローズマリー、ジンジャー、クミン、エレミ、ヴァイオレット、シプリオール、ラブダナム、ガイヤックウッド、バニラ、アンバーアコード

精油感のあるエレミとハーブのコンビネーションが、フランキンセンスをアロマティックにしたように広がり、精油ならではのクセのある部分に合成香料が軽やかなアクセントを添え、やがて少しパウダリーなアロマティックウッディへと変化していきます。クミンが微かに香るところは今の時代の流行に沿っていて、ジンジャーとクミンがとてもウッディノートにマッチしています。重くなく軽くなく、アロマティックウッディに少しオリエンタルなベースを加えたというのが全体像です。(09/07/2018)

 

<Les Eaux Primordiales Topに戻る>

profice〜香水のポータルサイト〜