18歳までモロッコで育ったフィリップにとって、モロッコは原点。そこでモロッコに伝わる伝説をテーマとした香りを発売に。昔々、とある田舎で恋人たちが暮らしていた。ルール違反に怒った愛の神は、彼らを鳥へと姿を変え、お互いの姿を見つけられない森へと追いやりました。アトラス山脈の人々たちは、夜になると呪われた恋人たちの叫び声が聞こえてくるのだそう。タイトルとなったTislitとIsliはモロッコにある2つの湖で、彼らが流した涙で出来たと言われているそうです。6kmほど離れた二つの湖の物語は、モロッコ版のロミオとジュリエットな感じです。50、100mlのEdPが95、139ユーロで2017年9月より発売に。2016年に発売されたNeroli Animalisもキャップを変え、こちらのシリーズとなりました。(09/05/2017)

■Neroli Animalis (2016年)

一連の香りたちと同様に、Jean Claude Gigodotによる調香です。

トップ:ベルガモット、ペティグレン、オレンジブロッサム
ミドル:ネロリ、ゼラニウム、フローラルノート、ウッディノート
ベース:ベンゾイン、アンブロキサン、マリンノート、アニマルノート

ネロリをアニマリックにする、というユニークな発想で生まれたこの香りは、トップからハニーノートに包まれたペティグレンがシトラスノートと共に香ります。はシトラスというのは良くありますが、ペティグレンとなると珍しく、ウッディノートが良いアクセントとなってシトラスハニーをユニークな形へと変化させているのですが、時間と共にペティグレンの中の渋さは薄れ、ゆっくりゆっくりとアニマルムスクが登場します。アニマリックだと言わなければわからないほどのものですが、残り香のムスクの中にはしっかりアクセントとなって香っているのです。いや、時間と共にどんどんアニマリックになっていきます。ベンゾインやアンバーグリスノートは強くはなく、余計なフローラルノートもあまりありませんので、シトラスハニーフローラルムスクを楽しめますよ。(21/11/2016)