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Maison Violet / メゾン・ヴィオレ




Sampleレヴュー
Tanagra
タナグラ

2017年12月、パリに復刻された老舗パフューマリー。

 

 

Anthony Toulemonde、Victorien Sirot、Paul RichardotというEcole Superieure du Parfumで調香を学んでいた学生たちによって復刻された、老舗ブランドです。もともとは1827年Violet氏によって創設された石鹸をメインとした香粧品会社でした。そう、ブランド名は花の名前ではなく人の名前だったのですね。入浴文化がマリーアントワネットの時代に根付き、そこから石鹸が大ヒットをし、日本でも1800年代後半から1900年代前半は爆発的に石鹸が売れたという時代背景があり、花王は石鹸だけで一大企業へと成長したほどです。Violetは特許を取得した石鹸をメインとした香粧品で多くの賞を受賞し、1842年にはスペイン王妃イザベルやフランス皇后ウージェニー(ナポレオン3世皇后)をも顧客とする企業へと成長しました。

 

 

そこから、ロゴデザインを蜂とし、"To the Queen of bees - Violet House"と名乗るようになりました。会社はますます大きくなり、1849年ディレクターであり調香師だったLouis ClayeはM. Allardと共にブランドを引き継ぎ、1861年に香粧品に関する書籍を発売しています。その中には歴史や当時の様子が伺える貴重な記述がありました。彼の亡き後は貿易業を営むAaron-Marc Rehnsによる買収、フランチャイズ化と、世界進出に拍車がかかり、250名の従業員を抱え世界的に有名なパフューマリーへと成長します。そこからはRehns自身の会社の中の製品ラインとなり、ブランド名をVeolayと変えて再生したり、目まぐるしく親会社が変わったりを繰り返し、時代に翻弄されます。1929年の世界恐慌、各国取引先企業などとの関係の悪化などにより次第に規模は縮小し、1953年にブランドは終了してしまったのです。

 

 


そのストーリーを知ったのは調香スクールに通う3名の学生たちでした。彼らが学校のベンチに座って話し合い、復刻してみようということになったのです。1827年当時はもちろんのことですが、1900年以前の香料というのはとてもシンプルで、合成香料もまだ少なかったため、完全なレシピが残っていたとしてもあまり良い香りには思えないものだったはずです。彼らは歴史を遡るため、フリーマーケットへ通ったりeBayでボトルを探したり、歴史家に当時の様子を聞いたりとサーチし、ブランドの姿を浮かび上がらせました。そうとう大変だったことでしょう。研究されたブランドの歴史は彼らによってWikiにまとめられています。

 

 

ブランドの知識を得た彼らは、ヴィンテージのボトルから香気成分を分析し、そこから当時のイメージを想像することで復刻としました。卒業したばかりの新米調香師たちを助けたのはNathalie Lorsonでした。彼女による調香で美しい現代のヴィオレへと生まれ変わったのです。いつの日かきっと、彼ら自身の手で香りを作り出すことが出来るようになっていくでしょう。調香師なのですから、彼女との会話もとてもスムーズだったはずで、学ぶべきことも多かったでしょうね。課外授業からスタートしたような、とても応援したくなる若きパリジャンたちの挑戦です。

 

 

2017年12月に3つの香りが公開され、一年後4つ目となる香りTanagraが発売となりました。75mlのEdPが145ユーロ、8mlのVoyageは15ユーロ、4種のVoyageコフレは45ユーロで発売に。残念なことに、まだ日本への発送は未対応です。(03/12/2018)

 

レヴュー済みのものはタイトルにリンクあり
Nuee Bleue (2019年)
Tanagra
(2018年)
Un Air d'Apogee (2017年)
Sketch (2017年)
Pourpre d'Automne (2017年)
 

Special Thanks (Sample提供) ■Maison Violet (from France)
Official >>> 英語、フランス語
profice〜香水のポータルサイト〜