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Sampleレヴュー

■Favonius (2021年)

ハロッズの限定品が登場です。ハロッズなので、もちろんウード系で。FavoniusはZephyrusと同じくギリシア神話の西風の神で同一視されています。Favoniusは花の女神Floraを愛していたのですが、Floraは花以外に興味がなかったため、ローズに成りすまして女神のキスを受けたそう。キューピッドの矢を受けたFloraがErosと正しく発音できずに(E)Rosと聞こえたことからローズが生まれたとされています。だからRoseはErosなんですね。Julia Rodriguezという若手の女性調香師が作り出したのはHarrodsのためのローズウードでした。

 

 

トップ:ベルガモット、ピンクペッパー、フランキンセンス
ミドル:ゼラニウム、シプリオール、ローズ、ニガヨモギ、クラリセージ
ベース:ウード、シダーウッド、パチョリ、サンダルウッド

Harrodsだからローズウード仕方ない気もしますが、香ってみると調香にはないフルーツが香り、フルーティーなフロリエンタルローズで始まります。ウードというほど力強いウードではなく、少しアロマティックなトーンを湛えた滑らかなフロリエンタルローズで、フランキンセンスはそれほど香りません。逆に土っぽいアーシーなシプリオールはトップで感じられ、個性的なアクセントを添えています。ローズだけでなく、ゼラニウムを配したのはユニセックスを意識したからなのかもしれませんが、他のハーブ類と重なり肌に馴染んでいきます。ウードを名乗るほどウードが強くないのが逆に良いのです。345ユーロ(395ドル)で発売に。(17/08/2023)


■Muskane (2019年)

Chris Carbonnelによる調香で、使いやすいようにEdPとしたものなのですが、彼らはそれをDemi Extraitと名付けました。

 

 

トップ:ラズベリー
ミドル:ローズ、ヴァイオレット、アンバー
ベース:ムスク、バニラ

Extrait de Parfumのコレクションが使いづらいという人のために、少し軽めなものを用意したそうで、そのために調香自体もシンプルとなり、とても分かりやすい香りとなりました。タイトルに忠実にムスクが軸で、香りとしては少しリップスティック系のオイリーなヴァイオレットムスクが香ります。少しフレッシュさを出すためにトップにラズベリーを配置し、たっぷりのムスクに溶かし込んだのです。ラズベリー自体、ヴァイオレット系の香料ととても相性が良いばかりか、ラズベリーの香りを作る際にはヴァイオレットを使用するほど。納得の理由で組まれた、教科書のような香りです。(29/05/2019)


■Florane (2019年)

Chris Carbonnelによる調香で、ムスクに対して使いやすいフルーティーフローラルとしてまとめた香り。

トップ:グレープフルーツ、カシス
ミドル:ヴァイオレット、スズラン、ジャスミン、アンバー
ベース:ヒノキ、ムスク、バニラ

たっぷりのスズランに少しフルーツをアクセントとしたファッションフレグランスにありがちな洗剤系フレッシュフローラルというのが第一印象でした。洗剤にありそうな、少しオゾン系を感じるスズラン系で、ベースは強くはありません。決してニッチなタイプではないし、それどころか良くある系統に分類されてしまう香りですが、こうした香りもラインが広がっていく中では必要となってくるのです。個性的な香りばかりでは顧客に広がりませんから。Nishaneの中では一番、初心者に優しい香りでしょうね。(29/05/2019)


■Saffron Colognise (2019年)

Jorge Leeによる調香で、2018年に発売されたCologniseに続く2作目。トルコにはコロンヤと呼ばれる有名なフレグランスウォーターがあり、長距離バスだったり、空港やレストランなど手のひらにパシャパシャと文字通り振りかけて、おしぼりのようにリフレッシュするものがあります。つまりは、そのコロンヤへのオマージュなわけです。

 

 

トップ:シトロン、パッションフルーツ、ピンクグレープフルーツ
ミドル:サフラン、マグノリア、ピンクペッパー
ベース:ムスク、アンバーグリス、レザー

Cologniseがとても分かりやすくて使いやすいシトラスコロンだったのに対し、こちらは明らかにそれとわかるほどサフランとレザーが強化されたバージョンとなりました。シトラスがトップではじけるところだけが同じで、それ以外はがらりと様相を変えた、フランカーではないコロンで、とても滑らかなサフランがシルクのスカーフのように肌をなでていきます。サフランと言えばトルコですから、コロンヤとサフランを合わせるなんて、彼らからしたら当然の発想だったわけですね。とてもクールなコロンとなりました。(28/05/2019)


■Nefs (2019年)

Chris Carbonnelによる調香で、タイトルはアラビア語で自分自身、個性、エゴ、魂、欲望など多岐にわたる意味を持つ言葉だそう。千夜一夜のオリエンタルを、魂の欲望という形で表現した、490ユーロの香り。ボックスもボトルも豪華仕様です。

トップ:ハニー、ヴァイオレット、セージ、サフラン、フィグ
ミドル:ローズ、オスマンサス、ゼラニウム、ジャスミン、ナツメグ
ベース:アンバー、ウイスキー、ウード、シナモン、シダーウッド、ガジュンバルサム、レザー、バニラ

オリエンタルの再解釈だという香りは、展示会でムエットで香った際は一番好印象だったのですが、肌では少しニュアンスが変わりました。オリエンタルの中からローズやゼラニウムなどのアロマティックなフローラルが、少しグルマン調に登場するのです。スパイス、フローラル、フルーツ、オリエンタルなど全ての要素を混ぜ合わせたという印象で、それは東西の文化が行きかって形成されたトルコを表現するにはぴったりのものなのかもしれません。混沌とした中に調和を感じる香りで、最後はシナモン調のアンバーグリスが肌に残ります。(27/05/2019)


■Unutamam (2019年)

Fragranticaポルトガルのライターで、自身のブランドを立ち上げたMiguel Matosによる調香で、テーマとなったのはトルコで大ヒットしたというアーティストの曲から。ウヌタマムとは忘れられないという意味で、誰もが忘れられない香りを目指したそう。Experimental Collectionというコレクションになるのだとか。

トップ:ラベンダー、ローズマリー、ミント、ジュニパー
ミドル:ジャスミン、カーネーション、パチョリ、アンバー、オレガノ
ベース:カストリウム、ラブダナム、オークモス、カラメル

それは、とてもある意味忘れられない香りでした。何故なら天然香料率がとても高く、Nishaneの中ではとても異質な香りだったから。ハーブミックスという点では良い香りだろうし、その中にジャスミンのアブソリュートが入っているのだから豪華なのですが、アメリカのインデペンデント系ブランドに多くみられる系統で、体力を奪っていくようなパワーがあります。オレガノの効いたミドルはトルコらしくて好きだけど、これはフゼアではなくて、僕が名付けるならばオレガノフロリエンタルでしょう。天然香料率が高いこともあり、30mlのExtrait de Parfumとなりました。(27/05/2019)


■Vain & Naive (2018年)

うぬぼれとナイーブというタイトルで作られたバラの香りでした。王子のふるさとにあったバラ。たった一輪のバラをせっせと世話するも、その自由奔放でわがままな様子に呆れ、他の星を旅するようになります。いくつもの星で様々なバラと出会って気づいたのは、一番大切で美しいのはあのふるさとのバラであったことに気づき、星へ帰ることとなります。それは、長く一族から認められず、影に隠れていた彼の奥さんのことでした。

 

 

トップ:ベルガモット、オレンジ
ミドル:ローズ、ジャスミン、シダーウッド、プラム、ラズベリー
ベース:サンダルウッド、アンバー、パチョリ、ベンゾイン、トンカビーン、ムスク

ムエットで香った際は、とても可愛らしいバニラフルーツに感じていたのですが、なんのなんの、肌で試すとオリエンタルなベースがドッと押し寄せ、可愛らしいどころではないフロリエンタルへグイグイと傾けていきます。それも、どことなくメンズ風に感じられるベースがあるためとてもユニセックスに感じられるのです。フルーツは持続をせずフロリエンタルウッディへとすぐに姿を変えますが、ローズらしい雰囲気はあまり感じられず、ジャスミンもそれらしく香りはしません。結果として残っているのはオリエンタルなベースなんですよね。とてもクリスらしい調香だと思います。(02/05/2018)


■Ambra Calabria (2015年)

カラブリアンベルガモットとアンバーを合わせた、相性の良いシトラスアンバーをテーマとした香り。

 

 

トップ:ベルガモット、ガルバナム、グリーンリーフ
ミドル:ジャスミン、コリアンダー
ベース:スイートアンバー、ムスク、バニラ

ガルバナムやグリーンノートにアンバーという組み合わせがとても斬新なため、どのようになとめられているのか気になった香りなのですが、やはりグリーン系の香りはあまり香らず、トップからアンバーが香るオリエンタルな香りとしてまとめられていました。アンバーノートが樹脂っぽい香りというより少しグルマン系にも思えるクリーミーなバニラのため、クールというより柔らかで穏やかな印象を与える香りとなっています。ミドル以降にアンバーらしいオリエンタルノートとなりますので、教科書的ではありますが、いろいろ重ねても楽しめそうな1本です。(14/01/2015)


■Boszporusz (2015年)

トルコはアジアとヨーロッパの境にあり、両側に分かれていますが、その間にあるのがボスポラス海峡です。

 

 

トップ:シーグラス、サイプレス、ガルバナム、セージ
ミドル:ジャスミン、ガーデニア、シーウィード
ベース:オークモス、パチョリ、アンバー、ムスク

16種のラインの中で唯一のマリンノートです。でも、このマリンノートは大流行したキャローンによものでもなく、それらを彷彿とさせる代替えのマリンノートでもなく、どこかシーウィード、そう海藻を思わせるマリンノートとなっているのです。アロマティックな香りたちもありますし、フローラルノートも見え隠れしていますので、マリンと謳うよりもマリンシプレフローラルという珍しいカテゴリの香りで、それこそミドル以降はマリンではないぞ、と思えてくるから不思議。グリーンフローラルシプレの中に少し海藻の香り(ヨウ素)っぽい雰囲気を混ぜている感じがして、とてもユニークだと思います。マリンノートはモダンなのに、どちらかというとクラシカルに歪んでいく香りですから、時代が変わったなぁ・・・としみじみ感じてしまいました。(13/01/2015)


■Pasion Chico (2013年)

チョコレートへの情熱というわけではなく、パッションフルーツと合わせたチョコレートという意味のタイトルです。

 

 

トップ:パッションフルーツ、コーヒー、カラメルグレープフルーツ
ミドル:ダークチョコレート、リネンフラワー、オーキッド、コリアンダー
ベース:バニラ、ベンゾイン、ガム、パチョリ、ダークムスク

チョコレートの中にパッションフルーツコンフィチュールを混ぜたような、いわゆるショコラティエの香り。パッションフルーツが甘酸っぱく弾け、それらをチョコレートが甘く包み込んでいます。トップでは少し香ばしいクッキー系のカカオが瞬間香り、そこからはグルマンに相応しいカラメルチョコのような美味しい香りへと変化して落ち着きます。ベースにあるパチョリや樹脂、フローラルノートは決してグルマンらしさを損なうものではなく、全体としてのバランスを整える役目に徹していますので、グルマンファンにとっては嬉しい香りです。1つくらいラインにあって欲しいですよね。(13/01/2015)


■Santalove (2015年)

サンダルウッド大好き!! というなんとも直球なタイトルで、軸にはしっかりとサンダルウッドが鎮座しています。

トップ:イランイラン、ベルガモット
ミドル:サンダルウッド
ベース:バニラ、トンカビーン

香りは思いの他イランイランが強く始まりました。イランイランはハニーノートよりもバニラの方が相性が良く、GuerlainもYlang & Venilleを発売していたほど。こちらもイランイラン&バニラにサンダルウッドをドカッと投入しているのです。Guerlainもサンダルウッドやトンカビーンを良く使用していますので、全体的なニュアンスとしては似た雰囲気なのですが、一番の大きな違いはまず濃度ですよね。あっさり消えていくYlang & Venilleとは別に、しっかりと花の濃密さを残したままゆっくりとサンダルウッドに溶けていくのです。溶けていくというよりも包まれている感じで、Samsaraに通じるクリーミーなサンダルウッドですね。お香にならず、メンズにならず、しっかりとユニセックスにまとめられているのですが、ウッディノートの残り方としてはSpice Bazaarのシダーウッドの方がしっかりしており、こちらはフローラルノートも残っています。(12/01/2015)


■Spice Bazaar (2013年)

トルコだけではありませんが、イスラム圏と言えば浮かんでくるのがスパイスバザー。トルコはどのように表現をしたのか気になりますよね。

 

 

トップ:ジュニパー、柚子、ローズマリー、ジンジャー
ミドル:シダーウッド、シナモン、クミン
ベース:ブラックペッパー、サフラン、バニラ

スパイス市場の香りを、こんなにアロマティックに表現するなんて意外!! と精油感の強い香りに驚いたのですが、よくよく考えるとスパイス市場には各種ハーブもあるわけで、料理にはそれらをミックスして使うわけですから納得の調香です。この香りを一番ユニークにしてくれているのはやはりクミンで、強すぎないけれど主張しているバランスが、日常的にクミンに親しんでいる国らしさを感じさせてくれます。アロマティックなハーブがひと段落すると香りはゆっくりと滑らかなウッディノートへ変化して消えていきます。柚子はそれとわかるほど強くないですし、オリエンタルというほどバニラも強くはなく、クミンをアロマティックに楽しめる香りとなっています。(12/01/2015)


■Sultan Vetiver (2013年)

スルタンと言えばSerge Lutensのアンバーが有名ですが、こちらはベチバーで表現したもの。

 

 

トップ:ジャワベチバー、アブサン、ピンクペッパー、ベルガモット
ミドル:ブルボンベチバー、ハイチベチバー、ネロリ、トンカビーン
ベース:アンバーウッディノート、レザー、ブラジリアンベチバー

とてもユニークなベチバーです。インドでチェックし、購入してきたインド産のベチバーは通常良くあるタイプの香りとは全く違い、より土っぽくより深みがあって特有の香りがするのですが、こちらはそのインドのものに近いとても土臭いベチバーです。シプリオールを足しているのではないかと思うほど自然界にありそうなテイストでまとめられていて、合成香料はあるはずなのですが、ほとんど感じられません。ベチバーがお好きであれば女性でも使えると思うのですが、印象としてはやはりメンズですね。ベチバーの中でも柔らかくてホッとする香ばしいものではなく、どこか力強さや生命力を感じるベチバーです。調香の中でわかるのはトンカビーン(クマリン)くらいで、全体のトーンはベチバーです。(08/01/2015)


■Duftbluten (2015年)

モクセイを意味するドイツ語のようですが、キンモクセイではなくマグノリアがイラストに描かれています。

 

 

トップ:マグノリア、ガーデニア
ミドル:オスマンサス、パチョリ
ベース:フランキンセンス、オークモス

とてもユニークなフロリエンタルです。タイトル通りにキンモクセイが軸ではあるのですが、日本人のイメージする馥郁たるあの香りではなく、特徴づけているIonone betaというフルーティーウッディな成分を主軸に、フルーティーにまとめたのではなくパチョリをドカッと入れてオリエンタルにしてあります。パチョリが渋く香るため、フローラルではないですし、キンモクセイを期待してもマグノリアをイメージしてもびっくりされると思うのですが、キンモクセイのレザリーな部分をパチョリに添えてある、という感じのまとまりでとてもユニークです。フローラルシリーズの中では一番個性的な香りですね。(07/01/2015)


■Vjola (2014年)

フローラルコレクションらしくシンプルなタイトルでテーマはヴァイオレット。水彩画のイメージがヴァイオレットっぽくないようにも感じるのですが、色彩で伝わりますよね。

 

 

トップ:チュベローズ、ヴァイオレット、マリーゴールド、スズラン
ミドル:ジャスミン、マグノリア、ローズ、アイリス
ベース:バニラ、ハニーサックル、イモーテル、ヘリオトロープ

ストレートにヴァイオレットを作り出したわけではなく、こちらはヴァイオレットを軸としたフローラルブーケになっています。もちろんヴァイオレットに必要な香料たちは揃っていて、パウダリーなスイートフローラルが広がるのですが、ヴァイオレットを彩っているのがバニラとヘリオトロープの甘さ、そして成分的に近いアイリスです。ジャスミンやチュベローズはヴァイオレットのフローラル感を持ち上げるためのアクセントで、邪魔をするような香り方はしていません。フローラルブーケではあるけれど、きちんと軸はヴァイオレットにある、とわかる調香となっています。グリーンノートの強いさっぱりとした香りではなく、年中使えるスイートパウダリーな香りとなっていて、最後に少しイモーテルのカラメル香がバニラの中に感じられるようになります。
(06/01/2015)


■Rosa Turca (2014年)

トルコ南部にあるIspartaはトルコローズの産地。トルコブランドとしてローズは外すことのできないテーマですよね。

 

 

トップ:イスファハンローズ、イランイラン
ミドル:サルディニアンジャスミン、エジプシャンジャスミン
ベース:イスファハンローズ、ムスク

全体を通してローズが主軸となってしっかりと香っているのですが、その中にジャスミンが加わることでブーケ調となっています。調香は至ってシンプルで、ローズ、ジャスミン、ムスク・・・のはずなのにそれだけには感じさせない温かみと華やかさを感じる調香で、ローズはアブソリュートだけではなく、ひょっとしてオットーも少量入っているのではないかと思えてくる豪華さです。ローズの香水は様々な形で表現され、商品化されていますが、こちらは甘さを控え、グリーンを生かしたさっぱりとした香りとなっているのが特徴です。(06/01/2015)


■Suede et Safran (2015年)

スエードとサフランという直球なタイトルです。常々調香の際にはサフランをレザーノートに使用すると記載していますが、こちらも王道パターンな組み合わせです。

 

 

トップ:アンブレットシード、サフラン
ミドル:スエード、ジンジャー
ベース:ムスク、レザー

あれ? トップノートがない? と思うようなスロースタートでした。トップからとても滑らかで何度か試しているうちに、ようやく少しスパイスを感じられるようになったかな、という程度のとても穏やかな香りです。スエードと言うほどスエードではなく、ベースにあるレザーも強くはなく、サフランも穏やかさを感じさせてくれて入るけれどスエードとレザーが弱いため際立ちません。全体として滑らかなレザームスクとなっており、絶妙なバランスのユニセックスとなっています。トップからミドルは力強さがない分女性的に、でもミドル以降は微かなクミンっぽいニュアンスが出てきて少し男性的な香りとなるのです。少しローズでも重ねたらセクシーなレディースになるのではないでしょうか。スエードとサフランというよりも、サフランムスクと表現した方がイメージには合いそうですね。(05/01/2016)


■Pachuli Kozha (2015年)

ロシア語で肌の意味を持つKozha。パチョリがとても肌に馴染む香りということでしょうか。

 

 

トップ:ヒヤシンス、イランイラン、ニガヨモギ、カモミール
ミドル:パチョリ、ブラックペッパー
ベース:レザー、ハニー、フランキンセンス

全体的には違うのに、最初に香った時の印象はSanta Maria NovellaのMaresciallaを彷彿とさせるものでした。そうか、パチョリとカモミールにラブダナムという組み合わせか、と気付いたのは調香を確認した後のこと。こちらはラブダナムっぽい雰囲気の中にハニーノートがあり、スパイスが少ない分違うものとなってはいますが、Maresciallaがお好きであればこちらもお好みだろうというテイストとなっています。どっしりと甘いパチョリにハーブというよりも薬草が溶け込んでいるのですから。肌に馴染むというよりもMaresciallaのように皮手袋の香り付けというイメージでKozhaなのかもしれませんね。セクシーなオリエンタルで持続も抜群です。(05/01/2016)


■Musiqa Oud (2015年)

ウードと音楽と行ったところでしょうか。ウードのコンパウンドにシプリオールが良く使用されるというか、相性抜群であることはPMFのインド旅行記でも記していたところ。まさにこういった調香が近年増えています。

 

 

トップ:グレープフルーツ、アミリスウッド、シプリオール
ミドル:ウード、サフラン、アンバー
ベース:オークモス、サンダルウッド、ガイヤックウッド

ウードは天然ではないにしろ、オークモスとガイヤックウッド、シプリオールはナチュラルだと思います。香りからもそれを感じるのですが、色がまたとても濃い茶褐色をしているのです。トップでこそ一瞬シトラスが感じられましたが、香りはすぐにくすんだ土っぽいサフランウードへと変化していきます。ウードも力強いアニマリックなものではなく、アンバーウッディに近い柔らかなウードで、オークモスアブソリュートが少しアクセントとなって香っています。全くローズを使用せずバニラや樹脂にも頼らない、とても男前なウードですが、アニマリックではないですし、残り香はユニセックスですから女性でも使えそうです。いえ、でもトップではガツンと男前に香ると思います。(04/01/2015)


■Afrika-Olifant (2015年)

オリエントでもエレファントでもなく、アフリカオリファント、つまりアフリカの角笛です。ベースにあるのはムスクとアニマルノートの合成香料たち。調香を見ただけでアニマリックであることが想像できます。

 

 

トップ:アンバーグリス、フランキンセンス、ミルラ、ラブダナム
ミドル:カストリウム、シベット、レザー、ウード
ベース:ムスコン、ムセノン、チベトン、シベトン

30%以上という高濃度で肌につけることを一瞬ためらってしまうような調香ですが、香りは合成のカストリウムを軸としたアニマリックなレザームスクです。アニマルノートは知っているとそうだと感じられるのですが、探さないとわからないのではないでしょうか。ただ、カストリウムとレザー、ウードは全ての相性が抜群で、全てがアニマルノートでつながっています。フランキンセンスよりもミルラの方が強く、少しアクセントとなってカストリウムに溶け込んでいるのですが、ムスクもまた結構強めに入っており、全体がミドル以降どんどん柔らかくなり、ムスクが肌に密着してセクシーな残り香となります。アニマリックだけど野獣ではない、でもとてもマニア心を楽しませてくれる調香だと思います。(04/01/2015)

 

彼らのディスカバリーセットは16種がセットになっており、1つ1つに可愛らしいカードが付いています。
香りをイメージしたこのカードはハンドカットという素朴さで、人柄の良さ、温かみをかんじるものに。
また、全てがフエルトのケースに入っているんですよ。サンプルでも手を抜かない仕事っぷりです。(04/01/2015)

 

 

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