2015年発売。Miguel Sandinhaというフォトグラファーが撮影したウエストハリウッドに実在するという家の風景を、IFFのClement Gavarryが香りにしたもの。Sheats-Goldstein Houseという有名な建築家による建物で、こちらからその全貌を見ることが出来ます。ハリウッドから見たLAという都会のジャングルがテーマだったようですよ。液体もグリーンとなって見た目も美しくなっています。

そう、この香りのポイントはトップにわさびのアコードを使用していること。確かにトップでは鼻に抜ける爽快感が一瞬ありましたが、日本人が感動するほどのわさびは、当然と言えば当然ですが感じません。シトラスっぽいグリーンや、トマトっぽいグリーン等、様々なグリーンノートを折り重ねたグリーンアロマティックな香りで、青葉の青さ以外に仄かな甘さが加わり、最後は霧が晴れていくようにオリエンタルノートが明確となっていくのですが、それでもダークなオリエンタルへと変化するわけではなく、飽くまでもトップやミドルから感じていた甘さが主体となっていますので、とても自然な変化です。ベースがもっと生きていたら、それはそれで楽しいものとなっていたのではないかと思いますが、やはり個性はそこそこに留めた、ということでしょうね。とても初夏っぽいイメージの香りです。(03/06/2015)

(08/10/2014)

ボトルリニューアルに伴うクラウドファンディングでの資金集めをしている最中・・・ということで、真っ先に支援を表明ししたわけですが、感謝の意を込めて・・・と、クラウドファンディング終了前にフルボトルとディスカバリーセットを送ってくださいました。初めての100mlですが、ボトルはシンプルで綺麗です。リニューアルしてしまうわけですが、これは50mlよりも100mlの方が素敵かも。

香りのイメージは、サンプルで試したよりもフルーティーさが強く、グリーンアロマティックというよりも、グリーンフルーティーアロマティックの方が合うような気がしてきました。このフルーティーさは特定のフルーツが香るわけではなくて、トマトの中のフルーティーさ、ハニー調の部分みたいなものが感じられるのですが、フルーティーグリーンな香料というのがいくつかありますから、そうしたものを少し加えてニュアンスを出しているのだと思います。後はファーバルサムの甘さもミドルから強く感じられるようになります。同じくグリーンが印象的でありながら少しフルーティーなニュアンスをもっているものにChanelのBel Respiroがありますが、Bel Respiroの方がグリーンが鮮やかで少しパウダリーさがあるのに対し、このPanoramaはもう少し甘さが強いんですよね。Bel Respiroのミドル以降の雰囲気が似ていなくもないのですが、こちらはミドル以降にベースノートのオリエンタルさ、特にファーバルサムが効いているのが特徴です。このファーバルサムは、アブソリュートでもコンパウンドでもなく精油のものなのでしょう。アブソリュートはどっしりとしたレーズン調の甘く渋い香りがするのですが、精油はもっと樹木の葉のアロマティックさが感じられるもので、重くはないのです。フィグにしてもグリーンにしても夏っぽいのですが、ファーバルサムがあることで夏だけではなく年中使える香りとなっています。

(22/06/2016)