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Sepia Collection Sampleレヴュー

Extrait de Parfumとして新たに作られた100mlのみのハイラインで価格は275ドル、220ユーロ。最初の3種はMartin Hillによる写真をモチーフに、Bertrand Duchaufourが調香を担当。続く3種のフローラルシーズはRoberto Grecoによる写真で、調香はDominique Ropionが担当となりました。2020年秋の発売です。全てにShotと名付けられている理由は、ボトルがカメラを意識したものだから。

 

■Rose Shot (2020年)

Dominique Ropionによるローズ、アイリス、ヴァイオレットの3種のシングルフローラルの中の1つ。2019年の展示会で公開されたのですが、発売が1年遅れて2020年9月となりました。この香りの発売を機に、100mlの他に、15mlのレザーケース入りのものが68ユーロで発売に。

 

 

トップ:ベルガモット、エレミ、ピンクペッパー
ミドル:トルコローズ、ホワイトフローラル、ラクトン
ベース:アトラスシダーウッド、ウッドモス、ガイヤックウッド

Roberto Grecoが撮影したローズのように、切ったばかりのフレッシュローズを茎の青さも色美も匂いも全てを丸ごと表現した香りで、ムエットではグリーンノートが際立ち、フレッシュなグリーンローズの印象でした。肌でしっかりと試してみるとローズの部分が思いのほかローズらしくないというか、アブソリュートでもなくローズオットーでもなく、ワイルドなグリーンローズアコードに感じられるのです。モス調のウッディノートはとてもシンプルで、茎の下が木質化しているニュアンスを表現しているよう。さらには微かなラクトン類(クリーミーな香り)が、ムスクのようにウッディノートとフローラルノートを支えています。ある意味ローズだけどローズかしからぬ風体で、フェミニンではなくどこかクールにも感じられる一人狼のツンデレローズのよう。Extrait de Parfumですので、肌の上でゆっくりと広がりますが、持続はそれほど長くはありません。バランスがトップとミドルにあるのでしょう。グリーンローズにガイヤックウッドが重なるミドルを経て、少しスモーキーなガイヤックウッディムスクとなりメンズっぽいラストを迎えます。想像していたよりも渋く終わりますので、男性でも気兼ねなく使えるローズフレグランスです。(02/11/2020)


■Leather Shot (2018年)

ニュージーランドの北にある島で撮影されたというこの写真は、ダークブラウンの砂がまるでレザーのように広がっている・・・という解釈から作られたレザーの香り。

 

 

トップ:カルダモン、クミン、ビターオレンジ
ミドル:レザー、アイリス、ブラックティー
ベース:サンダルウッド、シダーウッド、ドリフトウッド、ベチバー

クミンが力強いとメンズになりますが、そこは控え気味なアクセントで、カルダモンがシトラスと共に弾けてスタートです。香りはすぐにレザーへと変化しますが、そこにはスパイスがアクセントとなって香り、スパイシーなんだけど柔らかいという何とも言い難いニュアンスでバランスを保ちます。カルダモンが強めに出ますが、そこからはアイリスが支えるレザーウッディへと変化していきますから、ミドルからラストにかけてはとても質感のあるレザーとなります。タール系のスモーキーなレザーではなく、リアルなレザーでもスエードでもありませんので、レザー調のオリエンタルウッディだとお考え下さい。高濃度らしいテイストでじわりじわりと香り続けます。サフランではないのですが、系統で言うとサフラン調のレザーですね。(16/05/2019)


■Vanilla Shot (2018年)

ニュージーランドのワナカ湖で撮影されたという一枚で、麻の糸で繋がれた木片が、アーチを描いています。この棒をバニラビーンに見立てて、ということのようですよ。

 

 

トップ:コリアンダー、サフラン、アルデヒド
ミドル:ローズ、ドライフルーツ、オポポナックス
ベース:バニラ、カラメル、ミルラ、ベンゾイン

バニラでしょう? と思って香るととても意外なスタートです。それはローズが酸味のあるドライフルーツと共に香ってきたから。じっくり香ると今度はそこにミルラやオポポナックス特有のドライな樹脂香が重なり、ドライフルーツとバニラが香り始めます。ミルラはドライフルーツっぽいニュアンスをもっていますし、オポポナックスはスイートミルラと呼ばれるほど、バニラやベンゾインのような甘さと相性が良いため、全てが樹脂香とバニラを軸としてまとめられていることが感じられます。一見不安定にも見えるオブジェだけれど、とても安定している・・・というのが香りになったのではないでしょうか。(16/05/2019)

 

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