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Sampleレヴュー

■L'Etoile Noire (2016年)

Amelie Bourgeoisによる調香で6つ目の香り。随分前に香りは完成していたのですが、映像待ちで半年後となったというのがこのブランドらしいところ。映像にテーマは組み込まれていますが、陰と陽、光と影みたいな二面性で、重い香りと軽い香りのコントラストが楽しめるものに。タイトルはエトワールノワールと韻を踏んで言葉遊びしています。

 

Winner Grand Prix - Amateur - Film by Mariia yevtushenko - 8 - Fragrances In Motion Awards 2016 from OLIBERE PARFUMS on Vimeo



トップ:ベルガモット、レモン、アクアノート
ミドル:ローズ、シダーウッド、ブルージンジャー、エレミ、ペティグレン
ベース:フランキンセンス、パチョリ、タバコ、トンカビーン、アンバーウッディ、ヴァイオレット、ホワイトムスク

ムエットで試していた際には、とてもアロマティックなニガヨモギ系の香りがしていたのですが、肌ではトップからタバコとパチョリが勢いよく飛び出します。アクアノートはほとんどわからないのですが、重い香りが軽く感じるようにしているのかもしれません。基本的に重心はベースにあるというか、スイートビターで少しスモーキーなタバコ系オリエンタルが軸にあり、トップではアロマティックな香りが、その後はどんどんとダークに歪んでいく調香です。タイトルも輝く夜の星ではなく、黒い星なわけですし、暗闇のイメージに近い渋めなオリエンタルとなって残ります。使いこなすとかなりクールだと思います。(07/11/2016)


■Midnight Spirit (2015年)

Amelie Bourgeoisによる調香で、夜、クアラルンプール(マレーシア)で恋に落ちるというストーリー。マイクが友人たちとバーに出かけ、恋に落ちるというもの。

 

Midnight Spirit - OLIBERE Parfums from OLIBERE PARFUMS on Vimeo.



トップ:バジル、タラゴン、レモン、スイートライム、グレープフルーツ、カルダモン
ミドル:コリアンダー、レッドワイン、パルマローザ、ダヴァナ
ベース:ヴァージニアンシダーウッド、ヴァイオレット、ヴァイオレットリーフ、ベチバー、ヘイ、ラブダナム

調香にはありませんが、香りはウードと赤ワインというコンビネーションがキーノート。マレーシアはイスラムが多いため、ウードの需要も多く、確かに国のイメージにはぴったりです。そしてバーでの出来事ですからワインも入れた、と。でも、香り自体はトップでアロマティックにハーブが弾け、瞬間からウードというよりもアンバーウッディノートが強く香り始めます。微かにアクセントになっているのが赤ワインというよりもフルーティーな香りで、どんどんウッディノートが強くなっていきます。全体的にはオリエンタルウッディに少しレザー風のニュアンスを加えた、という感じの香りで、とてもユニセックスなテイストとなっています。クアラルンプールは湿度が高くこういった香りが楽しく香るかどうかはわかりまんが、褐色の肌に合いそうなオリエンタル香だと思います。(17/11/2015)


■Il Mio Segreto (2015年)

Amelie Bourgeoisによる調香で、タイトルは私の秘密。ローマのアパートで、ドレッサーの前に座っている女性。身支度をしている彼女の元へ、急いでやってくる男性・・・その男性が彼女に手渡したのはOlibereのロゴがある封筒でした・・・というストーリー。

 

Il Mio Segreto - OLIBERE Parfums from OLIBERE PARFUMS on Vimeo.

 

トップ:イタリアンベルガモット、グレープフルーツ、オスマンサス
ミドル:ジャスミン、イランイラン、スパイシーピーチ、カルダモン
ベース:ベンゾイン、アイリス、グリーンバニラ、プレシャスウッド

どのような内容なのかは明かされていない映像のみの紹介ですが、香りはフルーティーフローラルです。でも、ファッションフレグランスにありがちなテイストにも感じられるのですが、時代は少し前のバブル期風で、ハニー系のフルーティーノートがフローラルノートに重なって香ります。結構、こってり系のフルーティーフローラルで、これから夜になる、という時間帯、夜に向けて使うぞ、と意気込んでいるようなセクシーさを感じる香りです。ピーチがスパイシーになっていたら…プラムにクミンを合わせたRochasのFemmeを想像してしまったのですが、その部分は大きく主張されることなくあまりスパイシーな香りではありません。飽くまでもこってりとハニーが溶けていくスイートフルーティーフローラルです。(16/11/2015)


■Escapade a Byzance (2015年)

Bertrand Duchaufourによる調香で、タイトルはビザンツでの羽目はずし。ジュリアとマーティンがイスタンブールの裏通りを歩いている。2人は少しずつこの街を好きになってきている自分に気づいており、ジュリアは今夜マーティンをベリーダンスのショウに連れて行こうと計画中で・・・というようなストーリー。最後に、ベリーダンサーがショールを彼に投げるのですが、そのショールの残り香をイメージしたのかもしれません。

 

Escapade à Byzance - OLIBERE Parfums from OLIBERE PARFUMS on Vimeo



トップ:ブラックペッパー、シナモン、サフラン、ジンジャー、クミン、シトラスノート
ミドル:サイプレス、カーネーション、フランキンセンス
ベース:バニラ、ベンゾイン、ムスク、アンバー、パチョリ、ベチバー、アトラスシダーウッド

とても彼らしい調香です。彼はラルチザンでもトルコをテーマとした香りを作ったことがありますが、これはラルチザンよりも遥かに個性的でクール。クミンがとても効果的に使用されているのですが、カレーっぽいニュアンスにはなっていないのです。クミンが甘いスパイスに重なり、なんだかとても斬新なスパイシーさとなっているのです。アロマティックな部分もあり、スパイシーな部分もあり、かなり精油感があるのにそれだけではなくしっかりと香水らしいテイストにまとめられているのは、ベースに精油以外のアンバーウッディノートがあるからでしょう。ミドル以降はぐんぐんとベンゾインが強まり、少しSerge Lutensっぽい妖艶さというか、褐色の肌に合いそうなスパイシーアロマティックオリエンタルとなって消えていきます。(16/11/2015)


■Paradis Lointains (2015年)

Bertrand Duchaufourによる調香で、映像の中はAlexandraとTomの甘やかな思い出。遠き楽園にて。それは夢の中なのか、忘れてしまった記憶なのか、実際のものなのか・・・。

 

Paradis Lointains - OLIBERE Parfums from OLIBERE PARFUMS on Vimeo

 

トップ:ジュニパー、クルクマ、ピンクペッパー、ベルガモット、パッションフルーツ
ミドル:ビーワックス、クローヴ、ガーデニア、チュベローズ、イランイラン、オゾンノート
ベース:ハニー、モス、サンダルウッド、バニラ

場所は設定されていませんが、プルメリアや竹がある辺り、アジアを感じます。(アフリカにもありますが)
何よりも、チュベローズをスパイスとジュニパーでまとめる、というのが彼らしいテイストで、それを微妙な空気感で満たすことなく、絶妙なバランスで組み立てられています。チュベローズが軸なのにとてもユニセックスで、トップではジュニパーベリーがスパイスと共に弾け、スパイシーなチュベローズがどこかアロマティックだというユニークさで楽しませてくれた後、澄んだ空気感が感じられる微かに瑞々しいチュベローズへと変化して落ち着きます。オフィシャルではグリーンなサンダルウッドとサブタイトルがありますが、そこを強調している香りではなく、飽くまでも少しグリーンで瑞々しく広がるチュベローズがメイン。東南アジア一帯ではチュベローズが栽培され、日常的に飾られていますし、ガーランドにも使用されるほどその地をイメージできる花となっています。何よりもクリーミーな甘さが実に南国テイストですよね。でも、珍しいほどしっかりとユニセックスになっているチュベローズです。(13/11/2015)

 

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