このブランドのテーマは宇宙です。惑星と星、ビッグバンによって生じた元素たち・・・それらが地球を成したわけで、元素というものをタイトルとして一流の調香師たちに調香を依頼。そもそも香りのない元素を香水にする、ということはある意味調香師にとって挑戦状を突きつけるようなもの。

「これに香りをつけて下さい」

ということですよね。それぞれが元素と会話をして作り上げていく・・・そう。元素と会話をするのです。それは香りとの対話にも似ていて、香りの中から元素の声を聞く、というトリッキーなストーリーが隠されているのです。なんと楽しいことか!

パッケージはジュエリーデザイナーFrancesca Gottiが担当しています。スタイリッシュで型にはまらない個性的な黒のイメージのもので、同時にとても遊び心があるもの・・・。そこで生まれたのがグレーの発泡スチロールでした。シルバーカラーとなったボックスには蓋がなく、それ自体を立ち壊してボトルを取り出すという斬新なスタイルを取り入れ、そこに孔雀の羽のように広がるムエットをあしらったのです。ムエットを1つ取り、そこにスプレーをして香る・・・。香りを試すのも楽しそうですよね。このパッケージの凄いところは、パッケージ自体が緩衝材になっている点です。輸送するのに緩衝材が必要ないのです。かっちりとボックスはボトルにフィットしていて中で揺れません。完璧なボックスとなったのです。コンテンツデザイナーはTommaso Granelliという男性。僕はこの方とコンタクトを取って、直接お話を伺っています。

ブランドのイメージは、カジュアルなギャルソンといったところでしょうか。イタリアらしいファッションフレグランスはもちろんのこと、ニッチフレグランスの中でもAnnick Goutal、L'Artisan Parfumeur、Penhaligon's、Jo Maloneなどメジャーなものに少し飽きてしまった皆さま、一風変わった遊び心のある本格派ブランドを是非、お試し下さい。 (08/01/2013)

創設者というかオーナーであるAlberto Borriは、もともとMorris Profumiにいた方だそうです。Morris Profumiとは、イタリアでもそこそこ大きな流通会社で、いくつもの高級フレグランスの販売ライセンスを取得しています。なんとMorris Profumiを創設したのは彼の祖父なのだそう・・・。何年か前にMorris Profumiの方と展示会でお話されていただいたことがあり、彼らのオリジナル商品もレヴューしたりしていますが、いまいちパッとしないまま終わっていた感があります。しかし、このブランドは若き世代のもとで着実に知名度を上げているのです。そういう下地があったからこそ、「自身の手で生み出したい」という思いが生まれたんですね。経緯というのはやはり知ると面白いですよね。(07/11/2013)

2016年、ブランド名をNu_Beからoneofthoseと改名。最初はサブタイトルとしてNu_Beを残していたのですが、それも取り払ってしまったようです。4月下旬より日本でもコンランショップでの取り扱いが開始となりましたので、全国のショップで購入が可能となりました。(25/04/2016)