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Sampleレヴュー






■Amber Royal (2016年)

一連を手がけたGeza Schoenによる調香。タイトルがあまりにも普通過ぎるというか、キャッチーではないですよね。

グリーンノート、オレンジ、ベルガモット、ジャスミン、オーキッド、オスマンサス、ローズ、アイリス、ムスク、シダーウッド、パチョリ、トンカビーン、アンバー、アンブロキサン

どうせステレオタイプなのだろうと、期待をせずに香ると、教科書的なアンバーノートだけでなく、シトラスアンバーでもなく、フロリエンタルなアンバーとなっていました。トップにはたっぷりのシトラスがあり、それらが弾けるとフローラルノートがフロリエンタルに香るようになるのですが、どことなくなんとなく塩っぽい雰囲気を感じるのです。アンバーなのかと聞かれたら、これはアンバーではないと答えたい。オリエンタルの中でもセミオリエンタルな感じで甘さは強くなく、パウダリーさも強くなく、かといってウッディも強くはなく、全体としてふんわりとしたセミフロリエンタルへと落ち着きます。特に大きな個性があるわけではないのですが、何もを邪魔しない優等生的な香りです。(22/12/2017)


■Vanille d'Iris (2015年)

そう言えばバニラをテーマとした香りがなかったんですね。展示会でいただいたムエットは、タイトルのままのバニラとアイリスの香りでした。

トップ:コリアンダー、ベルガモット、キャロットシード、ピンクペッパー
ミドル:アイリスアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、マグノリア、オスマンサス
ベース:バニラエクストラクト、タヒチアンバニラ、シダーウッド、ベチバー、アンバー、ムスク

ベルガモットよりもスパイスよりもまず弾けるのがアイリスです。アイリスの中のトップというか、軽やかなパウダリーノートというのが存在するのですが、その部分がパッと弾けるように香った後でスパイスとシトラスが香り、その後ゆっくりとバニラアイリスへと変化します。香りの軸としてはアイリス、バニラ、ジャスミンの3種のようなのですが、ジャスミンアブソリュートの部分はほとんど感じられず、他のフローラルノートも感じられない程度のアクセントに留まっています。バニラもこってりとしたグルマンな香りなのではなく、低音でゆっくりと響くアブソリュートらしいテイストを保持しており、メインであるアイリスを支えています。アイリスのパウダリーさの中に少し感じられる土っぽさはシダーウッドでもベチバーでもなくキャロットシードなのですが、アイリスと一体となってパウダリーノートを形成していますので、全体としてはとてもエレガントです。(15/01/2016)


■Tiare (2009年)

10月に発売されたボトルリニューアル後の香り。タヒチのシンボルフラワーでレイに使われるタヒチアンガーデニアをタイトルとしています。

トップ:マンダリン、オレンジブロッサム、シチリアンライム
ミドル:ティアラフラワー、フリージア、ウォーターリリー、ジャスミン、アイリス、イランイラン
ベース:シダーウッド、ベチバー、サンダルウッド、パチョリ、モス、ムスク

香りは全くティアラフラワーではなくガーデニアっぽい濃厚でクリーミーなトロピカルさは感じられません。くっきりとグリーンの香るグリーンシプレな香りになっていてシスレーのオードカンパーニュを柔らかく女性らしくしてみた、という雰囲気の香りです。もともとガーデニアの精油自体が生花とは全く別物になっているので、そちらを使っているのかな、と思える香りです。ウォータリーな部分もあることはあるのですが強すぎることはなくて全体的にモダンクラシカルな品の良さを持った香りになっています。ベースがもう少しパウダリーで甘さを持っていたのならゲラン調に感じられるものになっていたのかも、なんて思える香り。(12/01/2010)


■Osmanthus (2006年)

中国と日本のオスマンサスメインなホワイトフローラルとのことで、調香の中のダバナとは甘いエジプトのハーブです。このブランドでは時々使われる香りなんです。

トップ:ポメーロ、 ダバナ、ピメント
ミドル:オスマンサスアブソリュート、ウォーターリリー、サンバックジャスミン
ベース:シダーウッド、ラブダナム、ムスク、ベチバー

香りは、生々しいオスマンサスではありません。トップにシトラス、その後はジャスミンやすっきり系の香りも入っていて、重そうに見えるベースを軽やかにしています。あれ?オスマンサスあったかな?という程度なのですが、、ミドル以降は軽すぎずにしっかりとしたフローラルになりますので、フローラルと思えばこれはこれでいいかも。オスマンサスらしさを求めるとダメだなぁ。(ラストノートは少しオスマンサスが出てきます)飽くまでもフローラルブーケな香りですので、生花のキンモクセイを期待しない方が良いです。そもそも生花そのままだと使いづらいと思いますけど。(28/10/2006)


■Frangipani (2003年)

トロピカルフラワーの女王、クリーミーな花弁のプルメリアをメインにした香り。

トップ:リンデンブロッサム、マグノリア、ライムピール
ミドル:ホワイトフランジパニ、ジャスミン、ローズ、チュベローズアブソリュート、ウォーターリリー、プラム、グリーンオーキッドオイル
ベース:アンバー、ムスク、シダー、フレンチバニラアブソリュート

これはちょっと珍しいかも。トップからライムピールの香るフローラルで、ライムピールは一瞬でスパークして消えてしまい、ホワイトフローラルが残るのですが、突出した香りがなくて、全体として「プルメリア」のイメージになっています。あぁ、こんな香りが漂っていたら素敵だなぁ、という南国の香りで、甘すぎず、すっきりしすぎないチュベローズにジャスミンとマグノリアを足した感じの香り。ラストノートはまた全く違った感じになるのですが、ちょっと渋めの香りとなって落ち着きます。(28/10/2006)


■Sampaquita (2004年)

サンパギータとはフィリピンの言葉で、フィリピンの国花のことです。だから、ジャスミンなんですね♪日差しをたっぷりと浴びたライチとサマーブーケ。夏の花、ジャスミンをタイトルとした香りです。

トップ:ライチ、グラスオイル、ベルガモット、マグノリア
ミドル:サンパギータアブソリュート、フリージア、スズラン、ローズ、ウォーターリリー
ベース:ムスク、ベチバー、モス、アンブレットシード

こちらもジャスミンではあるんでしょうけれど、ジャスミンそのものの香りは前面に出てきていませんね。すっきりとしたフローラルで、ちょっとウォーターリリーが強めに出ています。アーティスティックというよりも少しアパレル系寄りの香りで、精油らしさをあまり感じられません。生花らしさももう少し強く出ていると良かったのですが・・・。香りの系統が少しジョーマローンっぽく感じるのは同じイギリス人の好みだからでしょうか。(28/10/2006)


■Ta'if (2004年)

Ta'ifというのは紅海に臨む5000フィートり高台の街で、ダマスクローズのプランテーションを行っていることで有名な土地です。

トップ:ピンクペッパー、サフラン、デーツ
ミドル:ローズオイル、フリージア、オレンジフラワーアブソリュート、ジャスミン
ベース:エニシダ、アンバー

少しケイコメシェリのスカーレットを彷彿させるスパイシーローズの香りで、ジンジャーではないのですが、スパイスがドライに香ります。そこに、少し中東系を彷彿されるスパイスが少しだけあり、ローズがメインに香ります。全体的にシックな香りなのですが、もう少し華やかさがあるとイメージ的にキレイだったと思います。少し地味目にまとめたローズ系の香り。(28/10/2006)


■Champaca (2002年)

アラビアの次はインドです。インドの渓谷のマグノリアということで、少しクリーミーな香りのするマグノリア種、チャンパカとネロリをメインとした香りだそうです。

トップ:ネロリ、ピンクペッパー、バンブー
ミドル:チャンパカ、フリージアアブソリュート、香り米(バスマティ)
ベース:ミルラ、グリーンティー、ムスク

思ったよりもフルーティーさが出ている香りで、ネロリは比較的しっかり感じます。ネロリとチャンパカだと言われればそうなのかぁ・・・と納得は出来るのですが、ミルラ等少しエキゾチックな香りがもう少しあった方が面白みを感じていたように思います。ミドル以降に少し甘みが出てきて、ネロリよりもチャンパカらしさが出てきますので、マグノリアやチャンパカがお好きな方には良いかと思われます。(28/10/2006)


■Tolu (2002年)

ペルーのトルーバルサムをメインとした香りで、樹脂系の香りです。

トップ:ジュニパーベリー、オレンジブロッサム、クラリスセージ
ミドル:オーキッド、モロッコローズ、スズラン
ベース:トルーバルサム、トンカビーン、ゴールデンフランキンセンス、アンバー

ジュニパーベリーにセージ、そして質の良いフランキンセンスにバルサムだったら、まさにアラブの瞑想香じゃないですか、と心待ちにして肌に乗せてみたのですが、トップのシトラスと他は落ち着いた甘さの使いやすい香りでした。もっともっとフランキンセンスとバルサムが強かった方がタイトルとするには良かったのかもしれません。少しクセがなさ過ぎて肩透かしでしたが、使い安いという点ではこの方が良いのだと思います。(28/10/2006)


■Ormonde Woman (2002年)

メンズ同様に初めて調香の中にBlack Hemlock absolute(黒いドクニンジン)を組み込んだ香りだそうです。彼女曰く、世界で初めてなんじゃないかとのことですが、実際にはヘムロックという樹木の精油だと思います。

トップ:カルダモン、コリアンダー、グラスオイル
ミドル:ブラックヘムロックアブソリュート、ヴァイオレット、ジャスミンアブソリュート
ベース:ベチバー、シダーウッド、アンバー、サンダルウッド

付けた瞬間から「ん?」と感じる不思議な香り。酸味もあるし、ガルバナムではない草系の香りがするし、言われてみればフローラルもありそうで。そしてベースにはウッディがあるんです。レディースと銘打つわりにはメンズにと言われても違和感を感じない香りです。メンズのシトラスウッディそのものの雰囲気なんです。メンズ独特の香りをフローラルを足したことでユニセックスっぽくしている感じですね。メンズとしては無難な香りなのですが、レディースとしては珍しい香りだと思います。(28/10/2006)


■Isfarkand pour homme (2005年)

IsfarkandはIsfahanのことで、イスファハンはイランの地名です。とてもかっこいい香りなのだと説明がありました。

トップ:ライム、マンダリン、ベルガモット
ミドル:ピンクペッパー
ベース:シダー、ベチバー、モス

調香を見るととてもシンプルで、シトラス満開のように感じますが、ピンクペッパーが効いているので、ドライで使いすいメンズの香りです。シトラスウッディではなくて、シトラスグリーンにスパイスが入った感じです。それにしてもペッパー強いなぁ、というのが印象です。(28/10/2006)

 

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