2010年発売の4つのCollezione Privata(プライベートコレクション)の中の1つで、タイトルは「とってもピュアなコロン」という意味になります。でも、シトラスノートばかりのコロンではなく、ベチバーが効いたビターオレンジにビターウッディを重ねたようなシトラスウッディになっています。4種のEdTは春夏秋冬を表現しているのですが、その中でのこの香りは春です。ベチバーが強いために、幾分土臭い香りなのですが、ファッションフレグランスらしい香りになっています。グリーンティーは青くはなくBvlgariやL'Occitane、Arden等に共通するHedionとIonone betaによるグリーンティーノートで、ホワイトフローラルもスズラン系の合成香料を使用し、軽やかさを出しているのだと思います。ただ、3種の産地別ベチバーは精油で、それらがしっかりとラストノートに残りますから、メンズにまとめられたベチバー香がお好きな方向けの重過ぎない香りと言えそうです。プライベートコレクションと言いつつも80ユーロと安く押さえられており、国内の正規代理店価格でも1万円程度だったのですが、残念ながら取り扱い終了となってしまったようですね。全く売れなかったのでしょうが、香り自体は悪くはありませんよ。

(18/10/2011)

シトラスコロンに相応しい、とてもビターなシトラスがリッチに広がりスタートです。とても精油感の強いビターシトラスですが、そのビターな部分を少しカシスやトロピカル系の合成香料で強化しているように感じられます。それほど豊かなビターシトラスで始まるのですが、ビターオレンジととても相性の良いオレンジブロッサムがシトラスノートを引き継ぎながら持続し、最後のベチバーへと雨マティックにつなげていきます。アロマティックさはユニセックスで良いとは思いますが、どちらかというとメンズ寄りのテイストで、キリリと背筋が伸びるほど、爽快でありつつもクラシカルさを保持しています。

上記にも記載をしていますが、この香りで80ユーロであれば当時はとても良心的な価格でした。品質も良いですし、まとまりも良いですから。ベチバーベースでビターオレンジを楽しむための香りと言えそうです。

(17/06/2021)